goo

加藤陽子・著“戦争の日本近現代史”を読んで

今回は加藤陽子・著“戦争の日本近現代史”を読んだので紹介したい。8月15日は終戦記念日。少し以前だと、例年TV番組は終戦記念日特集を組んだり、映画もそれに関連したものを放映したりしていたが、最近はそういうことをしなくなった。今年は関東大震災100年だった。だが私個人としては、あの戦争を最早不問に付したり、無視することは少し憚れる気がする。そこで、“日本はなぜ太平洋戦争に突入していったのか”という疑問に少しでも回答を得られるような本を得たいと、この本を取り上げた次第だ。 この本の第1講では“歴史に埋没した「問い」を発掘するためには、精力的な資料発掘と、それを精緻に読み込む努力が絶対に必要”と述べている。そして、E.H.カーを引用して“歴史を動かす深部の力について、史料を用いて考えなければならないのが、歴史の研究である”とも述べていて、この本への期待を煽っている。 しかし、残念ながらこの本には、これが日米開戦の重要な鍵・分水嶺だった、という指摘はない。何だか史実を積み上げて、御存知の結果となったと暗黙の内に言って、終わっているという期待外れの内容だったのだ。 . . . 本文を読む
コメント ( 0 ) | Trackback ( )