The Rest Room of ISO Management
ISO休戦
日本の現状へのオムニバス寸評
先々週、2020年東京にオリンピック招致が決まった。テレビをはじめ報道はひとしきりこれで騒いだ。あたかも、これでさらに景気がよくなるかのようだ。東京五輪招致の経済効果は東京都の試算で3兆円と言われているが、それは今から2020年までの7年間の効果を積み上げたもので、年間にすれば約4300億円、これは日本経済には誤差でしかない。
1968年の東京五輪では、当時世界の一流都市としてはお寒い存在の東京に高速道路の普及等の近代的なインフラ整備に投資して、乗数効果は十分にあっただろう。だが、今や既に世界的な都市である東京に、補修整備や 既に一般的になっている施設等の追加投資には 波及効果はない。財政赤字にもかかわらず、乗数効果のない投資に そんなに期待できるのか。
しかも、つい少し前には“東京一極集中”は批判の対象ではなかったか。地方の疲弊を忘れた はなはだしい健忘症。公的財政の危機の中で、古くなったインフラの補修整備では乗数効果はないが、安全上必須のこととしつつ、資金を投入する場合にはケチケチ効率投資となるだろうが、五輪で浮かれては無駄遣いにならないか。せっかくの消費税増税も無駄に費やされることはないか。
さて、その消費税増税についても あっさり予定通り実施することが、決まったようだ。恐らく意図的なリークだ。米国の金融当局が、金融緩和を止めるの当たって 極めて慎重なのに比べて、いかにも“お気楽”な決定だ。もっともっと腹が痛むほど悩んで決め、それに対して十分に補強政策を準備した上で公表すべき決定ではないのか。やはり、私が思うよりもはるかに“浅慮”の首相であったとは、驚きである。
お蔭で、来年は不況になることは確定的だ。インフレとは言えコスト・プッシュ・インフレ、つまり収入が増える前に物価が上がる“悪いインフレ”となり、アベノミクスは終わりを告げるだろう。確かに、事前のリークは、金融市場には その負の効果を少しずつ織り込んで行く余裕を与えるので、ショックにはならないだろう。しかし、決して経済そのものには良い影響はないので、株価はいずれ少しずつ低下して行くことになるのだろう。しかも明るい新味有る具体的材料は無い。この株価低下はアベノミクスそのものに良くない。何故ならば、アベノミクスには実態がなく、ただ、気分のみで高揚が始まっていたのだが、それを先導した株価が下がれば、その気分も消沈して行くからだ。
日本経済は、既に過去の体力のある状態ではない。90年代以降、公共投資抑制で土木建築が弱体化し、東北復興もままならない。その他の中小企業一般も産業空洞化で、疲弊し弱体化している。
したがい、日本復興のためには、是が非でも核となる新規の産業政策が必要だが、未だにそのような政策が出て来る気配はない。そういう政策こそが、わずかな投資で大きな乗数効果を生むはずのものだからだ。大きな乗数効果を生む産業政策を実施しつつ、一方では乗数効果はないが、安全上不可欠の古いインフラの補修整備することが、政策の常道だと思うが、そういう発想には政権中枢は至っていない。お寒い限りだ。日本経済はこれを機会に奈落の底へ転落するのかもしれない。
“浅慮”の首相が五輪招致でした演説の福島原発が“アンダー・コントロール”にあるという軽い言葉が、実態を反映していないと話題になっている。その言葉を放った御本人は、その場限りのつもりだったかも知れないが、“国際公約”と言う重い言葉になった。確かに、今発表されている汚染水漏れの計画が確実な技術的背景を持ったものではない。今から開発が必要な技術ばかりだ。しかし、時間はない。それに地下水を堰き止めれば、それがどのような悪影響を生むのか十分に検討しつくさないと、またそのマイナス効果への対策が必要になることがある。その間さらに汚染水の漏洩もあり得る。もたつけば五輪開催は中止になる可能性もなきにしもあらずだ。日本の政治的、工業技術上の国際的信用もさらに失墜する。そんな深刻な重大事に にこやかに“アンダー・コントロール”にあるとはよく言えたものだ。
ある自民党の幹部によれば、首相は“気配りの人”だという。その場に居る皆の気分が良くなることを、つい口にしてしまう傾向にあるのだろう。だから 常に言葉が軽い。そういう政治家は、少なくとも国家の指導者としては失格である。
アンチ東京一極集中の代表と言えば、大阪の維新の会。最近さっぱり、意気消沈。今や 堺市長選でもめている。昨日の味方は今日の敵、昨日の敵は今日の味方、という 訳のわからない選挙戦だと言う。何だか、改革ゴッコの泥沼政争に一般市民はいい迷惑ではないか。大阪都構想が実現すれば、本当に無駄な財政支出を削減できるのか。二重行政が、府市財政の本質にかかわる問題だったのか どうやら怪しいことになっているらしい。それで、本当に住民への行政サービスは低下することにはならないのか。少なくとも堺市民にとっては、何のメリットも関係も無い。
要するに、彼らはいつも上から目線なのだ。都市自治体の首長にもかかわらず、中央集権的発想しかないから、こうなってしまうのだ。中央政界ばかり気になって、全国規模の政党を作ろうと焦ったが、国政選挙では見事に失敗した。そういう自己矛盾に未だ気付いていない。彼らの基本となる道州制などという考え方も、中央集権的発想なのだ。全国にミニ東京をいくつも作るだけなのだ。
それよりも、近隣と仲良くやろう、共同で問題を解決しようと言う都市自治体の連合体形成と、充実の方がはるかに生産的ではないか。さしずめ、関西広域連合の充実が 現実的生産的な政策ではないか。
集団的自衛権の是認や、秘密保全法の立法化。とんでもない拡大解釈が得意な日本の政治家や官僚達に、このようなことが、法制化されれば、どのような問題が起きるかは、火を見るより明らかだ。限りない 戦前社会への回帰、それが“美しい日本”なのか。宮崎駿の“風立ちぬ”は、それが危ないと言っているのだ。
話は変わるが、イプシロン・ロケットがようやく成功裏に打ちあがった。あれだけコスト・ダウンしているのに、国際水準では、あまり安くないという。どうしてであろうか。どうやら近隣は、格安のミサイルが出来上がったと警戒しているようだ。それが世界の“常識”。つまり、こういう技術は軍事と一体。なので 日の丸ロケットが世界水準では、あまり安くないのだろう。
そうだ、リニア新幹線はどうして、名古屋で息切れストップするのか。大阪には 東京のバックアップ機能を整備しようとしているのではないのか。大阪は、そこまで魅力がなくなったのか。それとも財政が持たないのだろうか。ならば民間資本に頼るべきではないか。元気のない否、発想のない日本を象徴する話題でもあるような気がする。
1968年の東京五輪では、当時世界の一流都市としてはお寒い存在の東京に高速道路の普及等の近代的なインフラ整備に投資して、乗数効果は十分にあっただろう。だが、今や既に世界的な都市である東京に、補修整備や 既に一般的になっている施設等の追加投資には 波及効果はない。財政赤字にもかかわらず、乗数効果のない投資に そんなに期待できるのか。
しかも、つい少し前には“東京一極集中”は批判の対象ではなかったか。地方の疲弊を忘れた はなはだしい健忘症。公的財政の危機の中で、古くなったインフラの補修整備では乗数効果はないが、安全上必須のこととしつつ、資金を投入する場合にはケチケチ効率投資となるだろうが、五輪で浮かれては無駄遣いにならないか。せっかくの消費税増税も無駄に費やされることはないか。
さて、その消費税増税についても あっさり予定通り実施することが、決まったようだ。恐らく意図的なリークだ。米国の金融当局が、金融緩和を止めるの当たって 極めて慎重なのに比べて、いかにも“お気楽”な決定だ。もっともっと腹が痛むほど悩んで決め、それに対して十分に補強政策を準備した上で公表すべき決定ではないのか。やはり、私が思うよりもはるかに“浅慮”の首相であったとは、驚きである。
お蔭で、来年は不況になることは確定的だ。インフレとは言えコスト・プッシュ・インフレ、つまり収入が増える前に物価が上がる“悪いインフレ”となり、アベノミクスは終わりを告げるだろう。確かに、事前のリークは、金融市場には その負の効果を少しずつ織り込んで行く余裕を与えるので、ショックにはならないだろう。しかし、決して経済そのものには良い影響はないので、株価はいずれ少しずつ低下して行くことになるのだろう。しかも明るい新味有る具体的材料は無い。この株価低下はアベノミクスそのものに良くない。何故ならば、アベノミクスには実態がなく、ただ、気分のみで高揚が始まっていたのだが、それを先導した株価が下がれば、その気分も消沈して行くからだ。
日本経済は、既に過去の体力のある状態ではない。90年代以降、公共投資抑制で土木建築が弱体化し、東北復興もままならない。その他の中小企業一般も産業空洞化で、疲弊し弱体化している。
したがい、日本復興のためには、是が非でも核となる新規の産業政策が必要だが、未だにそのような政策が出て来る気配はない。そういう政策こそが、わずかな投資で大きな乗数効果を生むはずのものだからだ。大きな乗数効果を生む産業政策を実施しつつ、一方では乗数効果はないが、安全上不可欠の古いインフラの補修整備することが、政策の常道だと思うが、そういう発想には政権中枢は至っていない。お寒い限りだ。日本経済はこれを機会に奈落の底へ転落するのかもしれない。
“浅慮”の首相が五輪招致でした演説の福島原発が“アンダー・コントロール”にあるという軽い言葉が、実態を反映していないと話題になっている。その言葉を放った御本人は、その場限りのつもりだったかも知れないが、“国際公約”と言う重い言葉になった。確かに、今発表されている汚染水漏れの計画が確実な技術的背景を持ったものではない。今から開発が必要な技術ばかりだ。しかし、時間はない。それに地下水を堰き止めれば、それがどのような悪影響を生むのか十分に検討しつくさないと、またそのマイナス効果への対策が必要になることがある。その間さらに汚染水の漏洩もあり得る。もたつけば五輪開催は中止になる可能性もなきにしもあらずだ。日本の政治的、工業技術上の国際的信用もさらに失墜する。そんな深刻な重大事に にこやかに“アンダー・コントロール”にあるとはよく言えたものだ。
ある自民党の幹部によれば、首相は“気配りの人”だという。その場に居る皆の気分が良くなることを、つい口にしてしまう傾向にあるのだろう。だから 常に言葉が軽い。そういう政治家は、少なくとも国家の指導者としては失格である。
アンチ東京一極集中の代表と言えば、大阪の維新の会。最近さっぱり、意気消沈。今や 堺市長選でもめている。昨日の味方は今日の敵、昨日の敵は今日の味方、という 訳のわからない選挙戦だと言う。何だか、改革ゴッコの泥沼政争に一般市民はいい迷惑ではないか。大阪都構想が実現すれば、本当に無駄な財政支出を削減できるのか。二重行政が、府市財政の本質にかかわる問題だったのか どうやら怪しいことになっているらしい。それで、本当に住民への行政サービスは低下することにはならないのか。少なくとも堺市民にとっては、何のメリットも関係も無い。
要するに、彼らはいつも上から目線なのだ。都市自治体の首長にもかかわらず、中央集権的発想しかないから、こうなってしまうのだ。中央政界ばかり気になって、全国規模の政党を作ろうと焦ったが、国政選挙では見事に失敗した。そういう自己矛盾に未だ気付いていない。彼らの基本となる道州制などという考え方も、中央集権的発想なのだ。全国にミニ東京をいくつも作るだけなのだ。
それよりも、近隣と仲良くやろう、共同で問題を解決しようと言う都市自治体の連合体形成と、充実の方がはるかに生産的ではないか。さしずめ、関西広域連合の充実が 現実的生産的な政策ではないか。
集団的自衛権の是認や、秘密保全法の立法化。とんでもない拡大解釈が得意な日本の政治家や官僚達に、このようなことが、法制化されれば、どのような問題が起きるかは、火を見るより明らかだ。限りない 戦前社会への回帰、それが“美しい日本”なのか。宮崎駿の“風立ちぬ”は、それが危ないと言っているのだ。
話は変わるが、イプシロン・ロケットがようやく成功裏に打ちあがった。あれだけコスト・ダウンしているのに、国際水準では、あまり安くないという。どうしてであろうか。どうやら近隣は、格安のミサイルが出来上がったと警戒しているようだ。それが世界の“常識”。つまり、こういう技術は軍事と一体。なので 日の丸ロケットが世界水準では、あまり安くないのだろう。
そうだ、リニア新幹線はどうして、名古屋で息切れストップするのか。大阪には 東京のバックアップ機能を整備しようとしているのではないのか。大阪は、そこまで魅力がなくなったのか。それとも財政が持たないのだろうか。ならば民間資本に頼るべきではないか。元気のない否、発想のない日本を象徴する話題でもあるような気がする。
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