The Rest Room of ISO Management
ISO休戦
“ISOを活かす―1.ISOには、日本的経営の長所が取り入れられている”
最近 “ISOマネジメント”カテゴリーへの投稿が ほとんど無く、その上に “休戦エンタ”などというカテゴリーを新設したりして、当ブログが 趣味の領域を出ない 特色の乏しいものに成っています。
これは自分なりに 考えているISOマネジメントへのイメージを具体化するための契機となる事件・事象に そうそう遭遇する機会が乏しいためです。カテゴリー“ヘッポコ・カンパニーズ” はそのようなことを期待して作成していましたが、どうにもISOマネジメントに近づくようなテーマが少なく、それら事件・事象を通じてのISOに直接関連するコメントができずブログ意図を 実現できていませんでした。
さりとて、ISO9001の逐条解釈などをやったところで、市場に沢山出回っている解釈本を 上回るような気の利いた解釈が できる訳でもありません。何せ 中にはISO9001自体の執筆参加された著者も 居られるわけですから。
ここに、一種のISO9001解説本で ISOマネジメントに関わる75件の具体的事例を紹介している 岩波好夫著 “ISOを活かす”という本が あります。この本にある事例を 私のコメントも入れてブログ上で紹介することで目指すことを実現させてみようと考えました。私のコメントの仕方によっては 著者に失礼なことがあるかも知れませんが、それを 恐れず敢えて紹介して行こうと思います。
さて 第1のテーマは “ISOには、日本的経営の長所が 取り入れられている”という標題で、次のような事例が 挙げられています。
【組織の問題点】
中小企業と思われる電気メーカーでの話ですが、この会社は3年前にISO9001認証を取得していました。最近 この会社の社長はISOの“トップダウンと文書化”を基本とした経営手法が 日本的経営手法とは異なり“ISOは日本企業の経営にはあわない”と考え始めているが、これからの経営手法として ISOをどのように活用すべきか、という課題です。
【磯野及泉のコメント】
この事例にどう対処するかについては ISO9000での“品質マネジメントの8原則”が紹介されています。この“8原則”は 以前に ご紹介したことがあります。
この内、b)リーダーシップ、d)プロセスアプローチ、e)マネジメントへのシステムアプローチ、g)意志決定への事実に基づくアプローチは 欧米的な手法ですが、a)顧客重視、c)人々の参画、f)継続的改善、h)供給者との互恵関係、は日本的経営手法だと説明されています。
ISOマネジメントには 多くの日本的経営手法が含まれているので、日本的経営のよい点は残し、欧米的経営手法のよい点を取り入れるように考えるべきだと、しています。
以前にも ご紹介しましたようにISO9001は 英国規格が基になっていますが、その英国規格は 日本のQC活動も要素として導入されたとされています。従って 日本的経営手法が 多く入っていると考えるのは当然です。
私が 気がかりなのは、未だに“「トップダウンと文書化」を基本とした経営手法が 日本的経営手法とは異なり「ISOは日本企業の経営にはあわない」”と考えるような 経営者が 本当に実在するのだろうか、ということです。
トップダウンが 日本的経営ではないと考えるのは 何故なのでしょうか。つまり “トップダウン”の逆、“ボトムアップ”こそが 期待するべき日本的経営だとでも 言うのでしょうか。そのような経営者が 居るとすれば それこそ 経営者としての業務怠慢であると思うのです。企業には創業の精神や 経営理念があるはずで、それをベースに企業経営が計られているはずです。そういうことも含めて 従業員を指導できない経営者は企業運営を行う資格はありません。経営者責任の放棄に等しい行為です。
“8原則” にある“リーダーシップ”による“トップダウン”と、“人々の参画”による“ボトムアップ”の両方が あってこそ活性化した組織と言えるでしょう。
それから“文書化”を嫌う経営者。これも これからの時代の経営者としては失格です。少なくとも 自らの思考を文書化できないというのは、思考を論理的に構成する能力に欠けるということです。論理的思考形成能力の乏しい経営者にとっては 複雑化した現代社会において企業戦略の構築など不可能です。
次に 文書の一部である記録について。記録の管理、つまり記録の作成、保管、活用が 十分にできないという状態では、リスクマネジメントなどできる訳がありません。
そのような ことに考え及ばぬ企業経営者は これまた企業運営を行う資格はないと思うのです。
これは自分なりに 考えているISOマネジメントへのイメージを具体化するための契機となる事件・事象に そうそう遭遇する機会が乏しいためです。カテゴリー“ヘッポコ・カンパニーズ” はそのようなことを期待して作成していましたが、どうにもISOマネジメントに近づくようなテーマが少なく、それら事件・事象を通じてのISOに直接関連するコメントができずブログ意図を 実現できていませんでした。
さりとて、ISO9001の逐条解釈などをやったところで、市場に沢山出回っている解釈本を 上回るような気の利いた解釈が できる訳でもありません。何せ 中にはISO9001自体の執筆参加された著者も 居られるわけですから。
ここに、一種のISO9001解説本で ISOマネジメントに関わる75件の具体的事例を紹介している 岩波好夫著 “ISOを活かす”という本が あります。この本にある事例を 私のコメントも入れてブログ上で紹介することで目指すことを実現させてみようと考えました。私のコメントの仕方によっては 著者に失礼なことがあるかも知れませんが、それを 恐れず敢えて紹介して行こうと思います。
さて 第1のテーマは “ISOには、日本的経営の長所が 取り入れられている”という標題で、次のような事例が 挙げられています。
【組織の問題点】
中小企業と思われる電気メーカーでの話ですが、この会社は3年前にISO9001認証を取得していました。最近 この会社の社長はISOの“トップダウンと文書化”を基本とした経営手法が 日本的経営手法とは異なり“ISOは日本企業の経営にはあわない”と考え始めているが、これからの経営手法として ISOをどのように活用すべきか、という課題です。
【磯野及泉のコメント】
この事例にどう対処するかについては ISO9000での“品質マネジメントの8原則”が紹介されています。この“8原則”は 以前に ご紹介したことがあります。
この内、b)リーダーシップ、d)プロセスアプローチ、e)マネジメントへのシステムアプローチ、g)意志決定への事実に基づくアプローチは 欧米的な手法ですが、a)顧客重視、c)人々の参画、f)継続的改善、h)供給者との互恵関係、は日本的経営手法だと説明されています。
ISOマネジメントには 多くの日本的経営手法が含まれているので、日本的経営のよい点は残し、欧米的経営手法のよい点を取り入れるように考えるべきだと、しています。
以前にも ご紹介しましたようにISO9001は 英国規格が基になっていますが、その英国規格は 日本のQC活動も要素として導入されたとされています。従って 日本的経営手法が 多く入っていると考えるのは当然です。
私が 気がかりなのは、未だに“「トップダウンと文書化」を基本とした経営手法が 日本的経営手法とは異なり「ISOは日本企業の経営にはあわない」”と考えるような 経営者が 本当に実在するのだろうか、ということです。
トップダウンが 日本的経営ではないと考えるのは 何故なのでしょうか。つまり “トップダウン”の逆、“ボトムアップ”こそが 期待するべき日本的経営だとでも 言うのでしょうか。そのような経営者が 居るとすれば それこそ 経営者としての業務怠慢であると思うのです。企業には創業の精神や 経営理念があるはずで、それをベースに企業経営が計られているはずです。そういうことも含めて 従業員を指導できない経営者は企業運営を行う資格はありません。経営者責任の放棄に等しい行為です。
“8原則” にある“リーダーシップ”による“トップダウン”と、“人々の参画”による“ボトムアップ”の両方が あってこそ活性化した組織と言えるでしょう。
それから“文書化”を嫌う経営者。これも これからの時代の経営者としては失格です。少なくとも 自らの思考を文書化できないというのは、思考を論理的に構成する能力に欠けるということです。論理的思考形成能力の乏しい経営者にとっては 複雑化した現代社会において企業戦略の構築など不可能です。
次に 文書の一部である記録について。記録の管理、つまり記録の作成、保管、活用が 十分にできないという状態では、リスクマネジメントなどできる訳がありません。
そのような ことに考え及ばぬ企業経営者は これまた企業運営を行う資格はないと思うのです。
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