The Rest Room of ISO Management
ISO休戦
“地球温暖化は本当か?”を読んで(・・・だが、反温暖化説も 本当なのか?)
環境マネジメントシステムを まじめに取組むのに “地球温暖化”について どう考えるか、ということは 非常に重要なことだと思います。そのための ある種の判断基準となる解説本を ズーッと探していました。先日 タマタマ書店で この本を見つけ 早速 読みました。遅読症の私にしては 結構 早く実質2日間で読み終えてしまうほど読み易い本でした。
標題から 分かるように“地球温暖化説”について その根拠となる科学性について 分かり易く解説されているような気がします。これまで いわゆる“温室効果”と言われる現象は分かるような気はするが、本当に二酸化炭素ガスで、どのように温暖化していくのか、具体的にはよくは分からない、という程度の通念的理解でした。
この本では、まず第一に “温暖化によるグリーン・ランドや南極の氷の溶解”という現象が いかに局所的であるのかが データなどによって説明され、むしろ“氷が増加している部分もある”というデータを紹介しています。地球温暖化説への 軽いジャブの印象です。
そして次に、温暖化説を取る科学者の データの捏造や 都合のよいデータの取捨選択の事例を 複数紹介しています。これは 温暖化の通念的理解の読者には、かなりな パンチです。
例えば、マイケル・マンの平均気温が20世紀後半から急上昇しているというデータで 端がキュッと上がっている形状がホッケーのスティックのようなのでホッケースティック曲線と言われるもの。これは データの出所が相当怪しいという。何よりも発表者のマイケル・マン自身がその根拠を明らかにすることを拒否しているということです。
IPCC(気候変動に関する政府間パネル)報告書の作成者の一人ベンジャミン・サンターの温暖化を示す都合の良い1963~87年のデータだけを取り出したというグラフ。その前後 数年のデータを追加すれば 温暖化しているとは見なせない。
世界各地の氷河から採取した氷の分析によるデータでは 19世紀の大気中の二酸化炭素濃度は 温暖化シミュレーションの学者が主張する292ppmではなく、335ppmとなる。9400年前、9600年前の大気中の二酸化炭素濃度は それぞれ333ppm、348ppmだと推測される。温暖化説の学者は19世紀の一部のデータを採用しており、“過去1世紀に二酸化炭素濃度は290ppmから355ppmへと65ppm増加し、その結果、気温が0.75℃上昇した。”という主張の根拠が なくなった。
温暖化のシミュレーションについても 要素モデルの怪しさが かなり有るにもかかわらず それを見直すこともなく 係数補正にいそしむという本末転倒のシミュレーション屋が横行しているとの説明。これも かなり説得力があります。
シミュレーションのための研究資金と言えば、日本の“地球シミュレータ”にしても、その建設資金470億円は勿論、運営費用や運転の電気代 実にバカにならない無駄遣いであるかの印象です。現在この“地球シミュレータ”の後継機に建設費900億円で計画されているという。
二酸化炭素だけが 実際に気象に大きく影響するのでしょうか。同じく温暖化気体としての水蒸気の方が 雲の形成など気象に大きな影響を 及ぼすにも関わらずあまり議論されず、研究成果もあまりないとの指摘もありました。そのような ことで気象のシミュレーションは 可能なのかと思わせます。
ミランコヴィッチサイクルという太陽と地球の距離の関係で 地球の 寒冷化、温暖化の傾向は 地球史的にかなり説明ができる説を紹介しています。そして今後、地球は寒冷化するようなことを暗示しています。ですが、太陽エネルギーの直接入射量の変化だけでは“氷河期を引き起こすほどの影響を行使するとは考えられていない。” として、一旦 “地上を広範囲に雪や氷が覆うと・・・地球のアルベド、すなわち太陽光の反射率を著しく高めることになる。太陽から入ってくるエネルギーの大半が反射されて宇宙に逃げ出すため、地球の気温は急速に降下する。” と言って、この本の最初でわざわざ批判している なだれ現象的な変化の“サージ現象”と同様なことを 逆に説明するような矛盾する意見を言っています。
さて、結論として この本を読んで、頭では“地球温暖化は どうやら疑わしい”と 思えるようになります。そして、“米国の2万人の科学者による京都議定書への「反温暖化署名誓願」”の運動が“科学的な態度”に見えて来ます。
その気にはなるのですが、読み返してみると表現は巧みで、“温暖化しない”とは 著者の言葉としては どこにも断定してはいません。“二酸化炭素ガスによる温暖化説は 信頼できない”と 思い始めるように 心情的に誘導されてしまいます。
ですが、最近の日本での異常気象、例えば竜巻の頻発、暖冬化傾向(スキーが12月中にできない傾向)、熱帯性生物の北上 などの現象は 一体どう考えればよいのでしょう。
それに著者・矢沢氏は ミランコヴィッチサイクルを持ち出して 寒冷化へ向かうことを暗示しているのですが 現実は温暖化への傾向を示しています。(気象庁データ) つまり、太陽との関係では寒冷化するはずなのにもかかわらず、実態は温暖化しているという事実は この著者の意図に反して 返って重大な現象ではないでしょうか。
この現実を 著者は 説明していませんし、事実として 取り上げようともしていません。何故なのでしょう。
人々に“地球温暖化は本当か?”と思わせることに 著者には どのような利益が あるのでしょう。単なる“小悪魔のささやき”なのでしょうか。
ちなみに この著者は 科学者ではなく “科学ジャーナリスト” のようです。著者は “はじめに”で “地球がいま危機的な温暖化に向かいつつあるという社会通念化した見方が科学的にどこまで妥当なのかを・・・・・ジャーナリスティックな目で見直し、俯瞰する試みである。”と言っています。つまり、“こういう説も有るよ という紹介”の本なのだと言いたいのでしょうが、これは無責任な いわば逃げの表現です。つまり、読者を“そのつもり”にさせておいて、著者本人は その様子を伺うというような卑怯な態度です。
ここまで考えると 著者は 米国の“反温暖化派”の宣伝代理人かも知れないと思ってしまいます。
この本を読んで、冷静になって、肝心の“地球温暖化”については “一体どの説が 正しいのか” と思わざるを得ない状態になってしまいました。
このような地球史的気象変化に対する判断材料を 何一つ持たない 一般大衆にとって このような本は“人心を惑わす”もの以外の何モノでもない。自説に 有利な土俵を構築し その中だけで議論し、勝ち誇るようなことは 止めて 適切に全ての事象やデータを紹介し、説明して欲しいと思うのです。
本の読み方として、一旦 その主張、論調に沿って思考してみることは 必要ですが そのままでは良くないことが 分かります。特に、自己の主張を直接的表現では 行わず、単なる紹介論調で情緒的に一定の方向に向かわせる巧妙な意見誘導の本については 眼前の事実を検証の軸として 厳しく判断して行く必要があると思います。
かすかな事実誤認や論理破綻も 見逃さないことが 必要でしょうか。真に“科学的な態度”というのは 困難な道です。
標題から 分かるように“地球温暖化説”について その根拠となる科学性について 分かり易く解説されているような気がします。これまで いわゆる“温室効果”と言われる現象は分かるような気はするが、本当に二酸化炭素ガスで、どのように温暖化していくのか、具体的にはよくは分からない、という程度の通念的理解でした。
この本では、まず第一に “温暖化によるグリーン・ランドや南極の氷の溶解”という現象が いかに局所的であるのかが データなどによって説明され、むしろ“氷が増加している部分もある”というデータを紹介しています。地球温暖化説への 軽いジャブの印象です。
そして次に、温暖化説を取る科学者の データの捏造や 都合のよいデータの取捨選択の事例を 複数紹介しています。これは 温暖化の通念的理解の読者には、かなりな パンチです。
例えば、マイケル・マンの平均気温が20世紀後半から急上昇しているというデータで 端がキュッと上がっている形状がホッケーのスティックのようなのでホッケースティック曲線と言われるもの。これは データの出所が相当怪しいという。何よりも発表者のマイケル・マン自身がその根拠を明らかにすることを拒否しているということです。
IPCC(気候変動に関する政府間パネル)報告書の作成者の一人ベンジャミン・サンターの温暖化を示す都合の良い1963~87年のデータだけを取り出したというグラフ。その前後 数年のデータを追加すれば 温暖化しているとは見なせない。
世界各地の氷河から採取した氷の分析によるデータでは 19世紀の大気中の二酸化炭素濃度は 温暖化シミュレーションの学者が主張する292ppmではなく、335ppmとなる。9400年前、9600年前の大気中の二酸化炭素濃度は それぞれ333ppm、348ppmだと推測される。温暖化説の学者は19世紀の一部のデータを採用しており、“過去1世紀に二酸化炭素濃度は290ppmから355ppmへと65ppm増加し、その結果、気温が0.75℃上昇した。”という主張の根拠が なくなった。
温暖化のシミュレーションについても 要素モデルの怪しさが かなり有るにもかかわらず それを見直すこともなく 係数補正にいそしむという本末転倒のシミュレーション屋が横行しているとの説明。これも かなり説得力があります。
シミュレーションのための研究資金と言えば、日本の“地球シミュレータ”にしても、その建設資金470億円は勿論、運営費用や運転の電気代 実にバカにならない無駄遣いであるかの印象です。現在この“地球シミュレータ”の後継機に建設費900億円で計画されているという。
二酸化炭素だけが 実際に気象に大きく影響するのでしょうか。同じく温暖化気体としての水蒸気の方が 雲の形成など気象に大きな影響を 及ぼすにも関わらずあまり議論されず、研究成果もあまりないとの指摘もありました。そのような ことで気象のシミュレーションは 可能なのかと思わせます。
ミランコヴィッチサイクルという太陽と地球の距離の関係で 地球の 寒冷化、温暖化の傾向は 地球史的にかなり説明ができる説を紹介しています。そして今後、地球は寒冷化するようなことを暗示しています。ですが、太陽エネルギーの直接入射量の変化だけでは“氷河期を引き起こすほどの影響を行使するとは考えられていない。” として、一旦 “地上を広範囲に雪や氷が覆うと・・・地球のアルベド、すなわち太陽光の反射率を著しく高めることになる。太陽から入ってくるエネルギーの大半が反射されて宇宙に逃げ出すため、地球の気温は急速に降下する。” と言って、この本の最初でわざわざ批判している なだれ現象的な変化の“サージ現象”と同様なことを 逆に説明するような矛盾する意見を言っています。
さて、結論として この本を読んで、頭では“地球温暖化は どうやら疑わしい”と 思えるようになります。そして、“米国の2万人の科学者による京都議定書への「反温暖化署名誓願」”の運動が“科学的な態度”に見えて来ます。
その気にはなるのですが、読み返してみると表現は巧みで、“温暖化しない”とは 著者の言葉としては どこにも断定してはいません。“二酸化炭素ガスによる温暖化説は 信頼できない”と 思い始めるように 心情的に誘導されてしまいます。
ですが、最近の日本での異常気象、例えば竜巻の頻発、暖冬化傾向(スキーが12月中にできない傾向)、熱帯性生物の北上 などの現象は 一体どう考えればよいのでしょう。
それに著者・矢沢氏は ミランコヴィッチサイクルを持ち出して 寒冷化へ向かうことを暗示しているのですが 現実は温暖化への傾向を示しています。(気象庁データ) つまり、太陽との関係では寒冷化するはずなのにもかかわらず、実態は温暖化しているという事実は この著者の意図に反して 返って重大な現象ではないでしょうか。
この現実を 著者は 説明していませんし、事実として 取り上げようともしていません。何故なのでしょう。
人々に“地球温暖化は本当か?”と思わせることに 著者には どのような利益が あるのでしょう。単なる“小悪魔のささやき”なのでしょうか。
ちなみに この著者は 科学者ではなく “科学ジャーナリスト” のようです。著者は “はじめに”で “地球がいま危機的な温暖化に向かいつつあるという社会通念化した見方が科学的にどこまで妥当なのかを・・・・・ジャーナリスティックな目で見直し、俯瞰する試みである。”と言っています。つまり、“こういう説も有るよ という紹介”の本なのだと言いたいのでしょうが、これは無責任な いわば逃げの表現です。つまり、読者を“そのつもり”にさせておいて、著者本人は その様子を伺うというような卑怯な態度です。
ここまで考えると 著者は 米国の“反温暖化派”の宣伝代理人かも知れないと思ってしまいます。
この本を読んで、冷静になって、肝心の“地球温暖化”については “一体どの説が 正しいのか” と思わざるを得ない状態になってしまいました。
このような地球史的気象変化に対する判断材料を 何一つ持たない 一般大衆にとって このような本は“人心を惑わす”もの以外の何モノでもない。自説に 有利な土俵を構築し その中だけで議論し、勝ち誇るようなことは 止めて 適切に全ての事象やデータを紹介し、説明して欲しいと思うのです。
本の読み方として、一旦 その主張、論調に沿って思考してみることは 必要ですが そのままでは良くないことが 分かります。特に、自己の主張を直接的表現では 行わず、単なる紹介論調で情緒的に一定の方向に向かわせる巧妙な意見誘導の本については 眼前の事実を検証の軸として 厳しく判断して行く必要があると思います。
かすかな事実誤認や論理破綻も 見逃さないことが 必要でしょうか。真に“科学的な態度”というのは 困難な道です。
コメント ( 2 ) | Trackback ( )
« “ISOを活かす―... | “利”と“義” » |
たまたま地球温暖化のことを調べていたら、ココに来ました。
結論のコメント、まさにそうだよなーとヒザを打ちました。
地球温暖化の危機を述べる本にすべてのデータを開示しているものは皆無です。
「反」温暖化本も、あなたの言うとおり大半が「自説に有利」なものしか載せていないことも事実でしょう。
本当に、何が起こっているか?を俯瞰できる、事実=DATAのみ紹介してくれる本ってないですよねー
私は、地球温暖化は起きているけど、人類の二酸化炭素が原因かどうかは疑わしい、と思っています。
IPCCは信じられない。
政治の匂いがぷんぷんします。
あ。すみません。
最後のコメントに共感してつまらない文章を書きました。
この問題は、他人の主張を妄信せず、何が真実か?を自分の頭で考えることが大切なのだと思います。
お互いよく考えてみましょう♪
yuki
都市化の影響を全く受けていない上高地の1993年から今日までの気温データを調べたところ、気温の上昇傾向は一切確認できませんでした。
他方、環境省が東京都の気温は過去20年間に2℃上昇したと発表していますが、1980年代の平均気温は15.6℃、1990年代は16.4℃、2000年代は16.6℃ですので、1980年代と比較しても1.0℃しか上昇していません。
また環境省は、東京都の気温は過去100年間に3℃上昇したとも言われていますが、これは人口が200万人から1200万人へと6倍も増加したのが最大の原因であり、地球の気候が温暖化した結果ではありません。
また世界の平均気温を算出しているIPCCは、日本を初めとする世界各国が提出している気温データから都市化の影響を一切補正せずに平均気温を算出しています。
つまり、温暖化などしていない、温暖化しているとしても、実際の数値は限りなくゼロに近いと言うことです。