健康塾通信

皆様がより健康であるための情報やご家庭でお手軽にできる健康法をお伝えいたします。

「乳がん学会」からの報告《クルミ》

2009年07月12日 03時14分17秒 | Weblog
7月も中旬を迎え蒸し暑い日々が続いていますが、寝苦しい夜で体調を崩されていませんか?
暑くなるとつい冷たいものをとりがちになりますが、特に冷たい水分は胃腸の働きを弱め身体への吸収力も悪くする原因になりますのでご注意ください。

さて今回は先週お台場で開催されました「乳がん学会」の報告から・・・
まず一言でいうと今回は「リンパ浮腫」の演題が増えて、術後のリンパ浮腫にかかわる関心度の大きさが年々注目されるようになりました。

ご参考までに主な演題の一部をお伝えいたします。

*看護セミナーから
○乳がん術後リンパ浮腫基礎知識・・リンパ浮腫保存的療法「複合的理学療法」の実際
○乳がん術後のリンパ浮腫指導管理加算に関する現状と課題
○外来におけるリンパ浮腫患者への対応

*一般演題(口演)から
○乳がん術後リンパ浮腫に対する早期リンパ管静脈吻合術の検討
○リンパ浮腫を発症した乳がん術後患者の連帯支援の効果
○術前からはじめるリンパ浮腫対策の有用性
○乳がん術後リンパ浮腫の超音波検査での検討
○乳がん術後リンパ浮腫に対する患者自身による複合的理学療法の効果
○続発性上肢リンパ浮腫に対する超音波画像を用いた診断と病期・治療期分類

*一般演題(示説討論)から
○リンパ浮腫セラピストによるメールを利用したセルフケア支援
○乳がん患者リンパ浮腫教室における精神状態の緩和効果について
○リンパ浮腫外来での取り組み
○徳島県内のがん術後リンパ浮腫発症予防指導野均てん化への取り組み・・パンフレットの作成を通して

など多くの医療施設での取り組みの成果や報告がありました。

10日のFM川崎では学会会場で情報収集した「クルミ」の効用をご紹介しました。

皆さんはクルミにどのようなイメージをお持ちでしょうか?
簡単に割れないので道具がないと食べずらい・・とか、私はかつて見た時代劇で侍がクルミを手のひらの中で握りながら転がして歩く姿を思い出します。

しかしこのクルミ(胡桃)の歴史は古く、紀元前7000年頃から人類が食用にしていた最古の木の実といわれています。
また日本最古の医学書の中にも肌にうるおいを与えたり、髪を黒くしたりと美容や、滋養強壮、便秘などの健康面にも良いことが記されています。

さらにヨーロッパでは、16~17世紀は薬物療法が公認され、身体の部分に類似している種々の食べ物が処方されクルミは脳に似ているので頭部の病や知能の向上などに用いられたということです。
この考えは中国にもあり、「似たものは似たものを補う」といわれ脳やクルミを縦に割った実が心臓にも似ていることから心臓の健康にも良いと考えられていました。
そして西太后は胡桃しるこを愛飲していて、老年まで肌はなめらかで潤いを保っていたということです。

さあそんなクルミの健康効果や栄養素など具体的に記してまいります。

①クルミには炭水化物、ビタミンB1、E、カルシウム、鉄分、ミネラル類、食物繊維などの栄養素がバランスよく含まれる。

②栄養価が高いので理想的なエネルギー源とされ、美容効果、老化防止効果の高い自然食品として評価されている。

③「植物性の卵」といわれるほど良質なたんぱく質を含みます。

④オメガ3脂肪酸(αーリノレン酸)を含みますが、これは体内でαーリノレン酸からDHA(ドコサヘキサエン酸),EPA(エイコサペンタエン酸) といって青魚に含まれる成分に変換されます。ですから青魚以外でもオメガ3を摂取できることになります。

⑤日本の厚労省の最新食事摂取基準(2005年)では日本人が新たに増やすべき栄養素にオメガ3脂肪酸が入りました。

⑥抗酸化物質のポリフェノールを多く含むので、がんや生活習慣病から体を守ってくれます。

⑦天然メラトニンが含まれ、パーキンソンやアルツハイマーなど老化による神経変性疾患の進行を抑え緩和することも期待できるという報告もあります。

⑧食事の満腹感を増す効果があるのでダイエットが続けやすいそうです。



オメガ3脂肪酸効果

①血中LDL(悪玉)コレステロール値を下げて、HDL(善玉)を上昇させる。

②中性脂肪値を下げる。

③動脈硬化を防ぎ、心臓病、がん、脳溢血、脳卒中、糖尿病、肥満などの生活習慣病予防に効果があります。

④抗血栓作用によって、血液サラサラ効果ありで心筋梗塞、狭心症などの心血管系疾患のリスクを抑制します。

⑤ナッツ類の中でもオメガ3脂肪酸の含有量は断トツです。


クルミを手のひらの中でころがすことで握力の鍛錬や老化の防止になるといわれます。
またクルミひとつかみで1日の摂取量のオメガ3脂肪酸をとることができるそうですのでこれからの常備食として是非ご参考に、そして健康管理にお役立てください。