健康塾通信

皆様がより健康であるための情報やご家庭でお手軽にできる健康法をお伝えいたします。

体脂肪のもとは中性脂肪!

2008年05月31日 23時29分12秒 | Weblog
5月も今日で終わりますが、近頃の寒暖の差にはどうぞお気をつけ下さい。

ところで最近、血液検査をお受けになりましたでしょうか?
中性脂肪は血液検査の項目で数値として表されますが皆さんは正常値ですか?
血中の中性脂肪が150mg/dl以上になると治療が必要となります。

中性脂肪は、たとえ検査数値が高くても自覚症状はありませんが、数値が高いままの状態が続くと血管の老化が着実に進み、動脈硬化を引き起こす原因になりかねません。


最近の家庭用体重計では体脂肪の測定が出来るものが有りますが、体脂肪の元は中性脂肪で脂肪組織の中に一番多く存在しています。

きょうはまずご家庭で出来る方法でチェックしてみましょう!

*体脂肪率の目安・・・体脂肪率とは体重に占める脂肪の割合です。

 (男性の場合) 

30歳未満
  + 14~20%→適正値
 + 25%以上→肥満

      30歳以上
 + 17~23%→適正値
  + 25%以上→肥満

(女性の場合)

     30歳未満
 + 17~24%→適正値
  + 30%以上→肥満
 
     30歳以上
 + 20~27%→適正値
 + 30%以上→肥満


体脂肪率は痩せて見える人が実は骨や筋肉が少なくて高かったり、太って見える人が適正と判断されることもあります。


*標準体重の出し方

標準体重=身長(m)×身長(m)×22

 (例) 身長160cmであれば、標準体重は1.6×1.6×22=56.32kgとなります。
    

*肥満度の出し方・・・BMIの指数で表します。
BMI(Body Mass Index :体格指数)とは、体重と身長のバランスをチェックして
外見的な肥満度を調べる指数です。

肥満度=体重kg÷(身長m×身長m)

 (例) 身長160cmで56kgの人であれば、56÷(1.6×1.6)=21.87

26.4以上・・・・・・・・太りすぎ
24以上~26.4未満・・・ 太りぎみ
20以上~24未満・・・・・普通
20未満・・・・・・・・・やせ

この数値は日本肥満学会による肥満と痩せの判定基準では22が標準とされています。
また男性は20~25女性は19~24で普通という男女差考慮の判定基準も提案されています。

ところで中性脂肪は数値が高いと
高脂血症・脂肪肝・動脈硬化・糖尿病・甲状腺機能低下症などが疑われます。
また低いと甲状腺機能亢進症が疑われます。

検査の時は食事を抜いて行いますが、もし食後に検査すると数値は大きく上昇します。

食べ物(脂質)が体内に取り込まれるメカニズムは
脂質→小腸で消化・分解→中性脂肪となってコレステロールと共に血液中に運ばれ→全身へ・・そしてエネルギーとして使いきれなかったものは→脂肪組織に貯蔵されたり肝臓に取り込まれます。

このように中性脂肪は過食によって余った糖質を材料に肝臓で作られるのです。
ですから、中性脂肪の高い方は食べすぎ飲みすぎは厳禁ですね。
では次回は中性脂肪を下げるポイントをお伝えいたします。


脂肪もだいじ、でも貯めすぎに警告!

2008年05月19日 19時28分30秒 | Weblog
初夏のさわやかな日が長続きせず、気温の移り変わりが激しいこのごろですが体調管理には十分気を配りたいものです。

さて皆様、だんだんと着る物が薄手になってくると気になるのが体のラインではないでしょうか?

先日、特定健診などの講演を聴いてまいりました。

やはり、「メタボ」ときくと「おなか周り」ですね。

ちょっとおなかの辺りをつまんで見ましょう!脂肪組織は皮膚と筋肉の間にあるので特におなか周りは簡単につまめますが、つまんだときの脂肪の存在感というか、つまんだ厚さは決して心身ともに気持ちよいものではありませんね。
むしろ、男性たちもおなか周りはメタボが騒がれ始めて意識がグンと高まってきました。

また中高年女性は脂肪がウエスト周りやお尻や太ももにもつきやすく気になるところです。


私たちの身体は60兆の細胞からできているといわれますが、その1パーセントの600億個が脂肪細胞です。

そして脂肪細胞には
「白色(はくしょく)細胞」と「褐色(かっしょく)細胞」との2種類の細胞があります。

「白色細胞」は
・内臓のまわり、下腹部、おしり、ふともも、腕の上部、背中などに多くあります。
・増える時期があり、胎内にいるとき、生後1年間、思春期が主ですが、過食によっては中年期などこの限りではありません。

「褐色細胞」は
・首の周り、脇の下、肩甲骨の周り、心臓、腎臓の周りの5カ所に分布しています。
・体内に蓄積された余分なカロリーを熱に替えて、放出させる働きがあります。


脂肪細胞って・・・「すじこ」のようなものとききました。皆様も想像してみてください。
あのまーるいツブツブの中に脂肪がたまっているのです。

このツブツブを脂肪球といって、脂肪の総量は細胞の数と脂肪球の中の脂肪の量になるわけです。

ですから脂肪球の中に脂肪がたくさん詰まると更に太り、痩せることで細胞の数は変わりませんが脂肪が燃えるので脂肪球が小さくなり脂肪細胞もサイズダウンするのです。

大昔は狩りをする習慣がありました。おなかがすくと食料を自ら獲って食べたので、
肥満になる暇はありませんでした。

しかし、現代の飽食時代は食料をたやすく手に入れやすく、自分の脂肪を燃やす間もなくまた脂肪を取り込んでしまうので、肥満につながるのです。

こんなマイナーな脂肪ですが・・・大事な役割が3つ有ります。
①エネルギー源になります。
②体温を保つ、保温作用があります。
③衝撃から内臓を守ってくれます。

やはり過ぎたるは・・・ということですね。


太った脂肪細胞とおさらばする為には

①カロリー過多にならないようバランスよい食習慣を!
②脂肪燃焼には有酸素運動で、まずは歩くことから!
③筋トレで基礎代謝を上げて、太りずらい体作りを!
④規則正しい生活リズムを!
⑤睡眠をしっかり取りましょう!

ここで再びメタボに戻りますが、腸間などにたまった内臓脂肪は悪いホルモンを出します。
それが、血圧を上げたり、血液をドロドロにして、メタボのリスクを上げてしまうのです。

メタボ回避や健康への近道は体重ダウンが一番です。
身近なデーターである体重と腹囲の測定を基準にしてご自分の管理だけではなくご家族の健康管理をしていきましょう。

まずは2日に1度の体重測定!そして運動は1週間単位で細切れでも出来ることをしていきましょう!

さあ、ご心配な方も、ご心配なご家族の為にも・・生活の中でまずは対策をお考え下さい。

体重計とメジャーのない方は、是非ご購入をお薦め致します。




こわ~い体のサビ・・パート2

2008年05月06日 13時57分37秒 | Weblog
ゴールデンウイーク最終日を迎えました。
きょうは良く晴れて紫外線も多いかと思いますが、実は紫外線も活性酸素を多く発生する元になります。

前回でざっと活性酸素のお話を致しましたが、今回はもう一歩深く考えてみたいと思います。

*まず活性酸素の発生源(発生の要因)

①内因・・・生理的な代謝で避けることが出来ずに発生するもの(これは前回の説明を参考に)

②外因・・・放射線、紫外線、化学物質(農薬、洗剤、添加物、医薬品・・)
大気汚染、電磁波、食生活(過食、飽食、飲酒・・)喫煙、運動不足、ストレス、過激なスポーツなど


*活性酸素が元で起こるといわれているもの


老化を早める
高血圧
動脈硬化
脳梗塞
糖尿病
白内障
などをはじめとする万病


●血管の老化

前前回、LDLコレステロール(悪玉)は余分なコレステロールを回収しませんので血液中にたまって『酸化』することで動脈硬化につながるとお伝えしましたがこの酸化が活性酸素によるものなのです。

血管は大きく分けて内膜、中膜、外膜の三層構造ですが、内膜は血液と接触している
内皮細胞からできています。

この内皮細胞は血管の緊張を調節して血液の凝固を阻止するなどのはたらきがあります。
しかし血管内皮細胞が活性酸素で酸化され、血管を細く(梗塞)するため、血流が妨げられ脳梗塞や心筋梗塞の原因になるのです。

若い頃は血管も柔軟ですが加齢と共に肥厚して硬くなり動脈硬化になりやすいといわれます。
勿論血管の状態には個人差があり、食事や運動の生活習慣や喫煙、飲酒、ストレスも大きく関与します。

更にアテローム動脈硬化症〔動脈の内側に粥状(アテローム性)の隆起(プラーク)が発生する状態〕は高脂血症、高血圧、糖尿病、肥満などの危険因子により発症すると考えられています。


●皮膚の老化

紫外線によって発生する活性酸素は顔のしみやしわなど皮膚の老化を引き起こします。


●がん

DNAを傷つける活性酸素は発ガンの原因物質といわれています。

  
*体内の掃除システム・・・スカベンジャ-

生体には余分な活性酸素から細胞を守るための防御機能が働いています。
Scavenger(廃品回収業者、掃除夫)ということです。

①生体酵素・・自前で合成されるカタラーゼは、細胞のエネルギー代謝で避けることが出来ずに発生する過酸化水素を水と酸素に分解して無害化します。
(これは前回を参考に)

②抗酸化物質・・植物に由来するもので体外から取り入れ、細胞膜の脂質過酸化反応(細胞膜のさび)をくいとめる働きがあります。   


<おもな抗酸化物質と食品>

ビタミンE・・胚芽・かぼちゃ・ほうれんそう・アーモンド
ビタミンC・・ブロッコリー・小松菜・かんきつ類
ビタミンA(βーカロチン)・・緑黄色野菜
アンソシアニン・・赤ワイン・黒豆
カテキン・・お茶
セサモール・・ゴマ
リコピン・・トマト
インフラボン・・納豆


まとめ

*活性酸素は両刃の剣

 有益に働くと外部からの細菌やウイルスを殺菌してくれます。
 過剰に発生すると生体内の防御システムの生体酵素では間に合わないので細胞を傷つけてしまうのです。

*抗酸化物質を含む食品を摂りましょう。


*その他の活性酸素対策
  
・食べ過ぎず・・余分な過酸化脂質を抑えるには過食は禁物。
・良く噛んで・・・良く噛むことで唾液中のペルオキシダーゼが活性酸素を抑える。
・肉食をへらして・・・体内で酸化されやすい食品の摂取は控える。
・禁煙
・飲酒(のみすぎず)
・ストレスをためないこと
・質の良い睡眠をとること


さあ、体のサビを防ぐことは老化を遅らせることにも生活習慣病の予防にもつながります。
まとめの「活性酸素対策」を参考にご自身の生活を点検してみてください。

こわ~い体のサビ

2008年05月02日 14時17分52秒 | Weblog
ゴールデンウイーク真っ只中、前半はお天気にも恵まれたようですが皆様もどこかお出かけでしょうか?
 
私は込み合う連休は遠出を避けて近くの温泉や美術館などをまわったりあとはスポーツ観戦というところです。

ところで今年初めてチューリップの球根を植えましたが、5月の声を聞くと同時に10日間くらい彩を添えてくれた見事な花も終わりました。

暖かくなり始め、地中から顔をのぞかせてからはぐんぐん緑の茎を伸ばして葉っぱの合間に膨らんでくるつぼみを見ながら、毎朝の水やりを楽しませてもらいました。

しかし、風の強い日や雨の日は、重たいテラコッタの鉢を非難させたりと無事に花を咲かしてくれるまでの空模様が気になったものです。

ちょうど4月20日くらいに黄色い花が開きついで赤と、次々に立派な花を咲かせてくれました。

これから球根に栄養を与えて葉っぱが枯れるまで太陽のエネルギーをもらってその後は休息してもらうことになります。
また来年の楽しみがふえました。

さて植物も動物も太陽の恵みによって育まれますが、光合成は無くてはならないものです。

さらに人間は生きていくのに酸素は不可欠ですがそのメカニズムを見直したいと思います。

①食べ物を食べる→消化吸収される→血液により全身の細胞に運ばれる
②呼吸により肺から酸素を取り入れる→酸素は赤血球内のヘモグロビンにより全身の細胞に運ばれる

①で運ばれた糖質が②で運ばれた酸素との反応によって細胞内のミトコンドリアでは
ATP(アデノシン三リン酸)、ADP(アデノシンニリン酸)という熱エネルギーが作られます。

酸素がないと体内でエネルギーが作れませんから大切な生命活動のもとなのです。

でもこのとき、ミトコンドリアの中では栄養素の酸化反応の副反応として活性酸素がつくられます。
そしてこの活性酸素が細胞に損傷を与えることによって老化や病気の原因になってしまいます。

しかし、私たちの身体は細胞を傷つける活性酸素をだまって見過ごしてはいません。
体の各組織にはカタラーゼやスーパーオキシドディスムターゼ、グルタチオン、ペルオキシダーゼなど、活性酸素を無害化する抗酸化酵素が働いて健康を守ってくれています。

体の酸化状態は活性酸素の産生と消去のバランスで一定になっているのですが、このバランスが崩れる事を酸化ストレスといいます。

鉄がさびることも酸化するからですが、活性酸素は私たちの身体をさび付かせる元凶として恐るべきものなのです。

では次回、このサビ発生の要因とそれが引き起こすさまざまな症状などをご紹介いたします。
どうぞ引き続き素敵な休日をお過ごし下さい。・・陽射しにはお気をつけて・・