健康塾通信

皆様がより健康であるための情報やご家庭でお手軽にできる健康法をお伝えいたします。

頭痛のたね

2008年10月23日 23時53分19秒 | Weblog
秋もたけなわとなりました。
こんな秋晴れの日はどこか散策に行きたくなるような気分ですが思わぬ頭痛で憂鬱な方はいらっしゃいませんか?

頭痛は多くの方が経験したことのあるものだと思いますが、皆様の周りにも頭痛でお悩みの方は意外と多く、じつに国民の4人に1人(約3000万人)は頭痛持ちで 片頭痛は840万人(15歳以上の国民の8.4%)いると言われています。


そして頭痛の種(原因)はさまざまです。

眼精疲労など目の疲れがひどいとき
肩こり
風邪をひいたとき
お酒を飲み過ぎた翌日
生理の前や期間中
冷たいものを食べた時
さまざまなストレス

これらのように原因のわかる頭痛は心配ありません。
しかしいつも繰り返し起きたり、突発的な激しい痛みに襲われた時は体の中の見えない部分からの何かの信号です。
鎮痛剤だけで様子をみるだけでなく掛かり付けの内科などホームドクターに相談して神経内科や脳神経外科などの専門医をご紹介して頂くなど受診をおすすめします。


それでは専門的になりますが自分の頭痛がどこにあてはまるか参考にしてください。

* 頭痛の分類

「一次性頭痛」

o 頭痛もちの頭痛で脳や体に病気がないのに、繰り返し起こるので慢性頭痛または、習慣性頭痛ともいわれます。
     
o 片頭痛、群発頭痛、緊張型頭痛がこれにあたり命には影響しないので「善玉頭痛三兄弟」ともいわれています。

「二次性頭痛」

o 脳や体に病気があって起こる頭痛で命の危険があり「悪玉頭痛」ともいわれます。

o くも膜下出血や脳腫瘍などの危険な病気が潜んでいることがあり特に突然の頭痛はくも膜下出血の可能性がありますので、すぐに脳神経外科にかかりましょう。

それでは「一次性頭痛」のなかからその症状など特徴をまとめてみました。


1.片頭痛(へんずつう)


血管から起こる頭痛。(血管性頭痛) 
最も代表的な頭痛。
ズキンズキンと脈を打つような痛みが特徴的。
めまいや嘔吐を伴うこともある。
光、音などに敏感になるなどの関連症状がみられることもあります。
前側頭部の片側に痛みがあることが多いですが、両側が痛む場合も有ります。
女性によくみられます。


2.群発頭痛


血管から起こる頭痛。(血管性頭痛) 
仕事に集中する中年男性に多く見られます。
片目のあたりがえぐられるような激痛があります。
頭痛の持続時間は30~60分と短いが、一度発症すると1~2ヵ月ほどの間頻発するといわれます。
痛みは決まった時刻におこります。
飲酒で頭痛が増悪します。


3. 緊張型頭痛


頭や首のまわりの筋肉のコリや精神の緊張から起こる頭痛です。
頭が締め付けられるような、重苦しいタイプの頭痛です。
「頭重(ずおも)」といわれているのは このタイプの頭痛です。
肩こりを伴って痛みはだらだらと続くことがあります。
入浴・軽い運動で少し楽になることが多いです。


よく「頭痛の種」という言葉を使いますが、この種はほとんどが日常生活の中での心配事や悩みなどをさすことが多く、これらのストレスによって引き起こされる心因性の頭痛もさまざまで大変かと思います。
しかし、同じ姿勢を長く続けることや、目を酷使すること、食生活の乱れや寝不足、運動不足なども大きな頭痛の種となります。
いずれにしても心配事などの早急な問題解決や、生活習慣を見直すことで、悪い種を取り出し頭痛には早いところサヨナラしたいものです。



さわやかな秋に

2008年10月16日 21時52分31秒 | Weblog
10月に入りまして、自然も街もそして人も秋の装いに衣替え致しました。
秋というと皆様は何を思い浮かべますか?
スポーツの秋、行楽の秋、芸術の秋、食欲の秋、読書の秋に勉学の秋…
などなど陽は短くなりましたが秋の夜長、それぞれの秋を謳歌して頂きたいと思います。

先日(13日)、一つ歳を重ねたばかりの私は「運動習慣の秋」を目標にかかげました。
お蔭様で55年の間、多少は健康の危機もありましたがこれから益々内面外面共々の
若返りの為に実証を示して生きたいと思っています。
実は日々の忙しさにかまけて志半ばで断念しそうな自分にこのように文字で残し公言することで、プレッシャーを与えているのです。

今日は仕事終了後、筋トレを30分くらい行いましたが、運動によって汗を流すということは本当にすがすがしいものです。

これまではつい仕事の疲れを部屋の中でくつろぐことで癒そうとしてしまいがちでしたが、さっと気分を変えて一歩外に出ることが精神的な解放感につながり、仕事と違う動きをすることによって癒されることを実感しています。

すでにスポーツなどされている方もこれから何かお探しの方も、運動の素晴らしさを知っていただき秋の自然を感じながらさわやかな汗を流していただきたいと思います。


*運動の効果と大切さ

①継続的に運動することで体力を向上させます。

②生活習慣病を予防します。

③運動をすることで、エネルギー消費量が一時的に高まるため
ダイエット効果があります。

④関節可動域や筋力アップに効果があります。

⑤ケガの防止や骨折の予防にもつながります。

⑥新陳代謝が良くなります。  

⑦ストレスを軽減することができます。

⑧運動によって友人作りなどコミュニケーションを広げることが出来、
生活を充実させる効果があります。


*どんな運動を選ぶか?提案です。

①自分に合った運動の種類と量を知ることが第一歩。

②大切なことは、短時間に激しい運動を行うより、息が弾むくらいの軽い運動を
継続的に行うことが健康づくりには効果的です。

③ウオーキング、エアロビクス、ジョギング、、サイクリング、水泳などの
有酸素運動は理想的です。


厚労省の健康づくりのための運動指針でも簡単ウォーキングなどの手軽に出来る
運動で1日1万歩を歩くと肥満リスクは軽減するといっています。

肥満解消のためには運動と食事改善の併用が効果的なわけですが、内臓脂肪蓄積の
指標となる腹囲の1cm減少は、約1kgの体重(大部分が脂肪)の減少に相当するといわれます。

具体的に
体重を1kg減少させるためには、
運動によるエネルギー消費量の増加と食事改善によるエネルギー摂取量の減少を合わせて
約7,000kcalが必要となります。

例えば1か月かけて1センチ腹囲を減少させるためには、1日当たり約230kcalが必要となります。

約7,000kcal÷30日=約233kcal(1日当たり)相当の運動をするか、
食事で半分の116kcal減らし、
運動で残り半分の116kcal(普通歩行なら約40分、速歩なら約30分)のエネルギーを消費する必要があるということです。

運動の秋、食欲の秋でもあります。運動するとお腹がすきますし、ちまたには秋の味覚がどっさり・・・
しかし、健康の為にはエネルギー消費の具体的な数字を参考に運動と食事のバランスをとりながら、どうかさわやかな自分の秋をみつけ楽しんでください。



乳がんのセルフチェックポイントとガンを防ぐ為に

2008年10月07日 13時02分57秒 | Weblog
ではさっそくセルフチェックのポイントを確認しましょう!

*チェックポイントのキーワード

乳房のしこり・こぶ・くぼみ・左右の大きさの変化・形のバランス・ひきつれ・湿疹・脇のリンパ腺の腫れやしこり・乳首のへこみ・乳首のただれ・乳輪の変化
・乳首からの異常分泌(ブラジャーの裏に分泌物等の汚れがないか?)

これらのキーワードの中から最も多いのは『しこり』です。

乳がんはほとんど症状が出ないことで知られていますが、自分で触ったり良く観察することで早く発見でき、早い診断に結びつき早く治療することができます。


*間違いやすい良性の乳腺疾患

・乳腺症・・・小さなしこり、痛みや腫れなどがあり乳頭から異常な分泌物が出ることがあります。
 
・線維腺腫・・20~30歳代の若い女性にみられ、痛みはなくクリクリ動く硬いしこりがあります。
 
・葉状腫瘍 ・・線維腺腫と似ていますが、急速にしこりが大きくなることや、しこりの細胞が悪性化して転移することもあるので、しこりの摘出手術が必要です。
 
・乳腺炎・・・授乳中によく見られるもので乳管内に乳汁がたまって細菌感染により炎症が起きるため生じるものです。
 
・乳管内乳頭腫・・30~50歳代の女性に多くみられ、乳管内にポリープ状のものができ、乳頭から血液の混じった分泌物が出ます。


*このように間違えやすい良性の乳腺疾患もありますので、心配したり悩む前に
是非、一日も早く専門の病院で受診してください。(乳腺内科・乳腺外科)

「乳腺専門医」の氏名と診療科名、病院名は、
日本乳癌学会のホームページ(http://www.jbcs.gr.jp)に掲載されています。



*セルフチェックの時期

閉経前の方は月経開始後1週間くらいに、閉経後の方は一定の日を決めて1ヶ月に1回がベストといわれています。


*簡単なバスルームチェック(ボディーソープやオイルなどをつけて) 

①左乳房は右手で右乳房は左手で行います。すわってできますのでゆっくりやってみましょう。
まずチェックする乳房の腕を軽く上げて乳首を中心に乳房に沿って渦巻きを描きますが、ただなでるのではなく、指をそろえて渦巻きの流れにに10円大「の」の字を書くように指を動かします。

 ・しこりや硬いこぶがないか、乳房の一部が硬くないか、わきの下から乳首までチェックします。

②乳房や乳首をかるくしぼります。
 
 ・乳頭からの分泌物を調べます。

③鏡の前でまずは両腕の力をぬいて自然に下げたまま次に両腕をあげたり、腰に当てたりして乳房の変化を観察します。

・左右の乳房の形や大きさに変化がないか。
・乳首のどこかに皮膚のへこみやひきつれはないか。
  ・乳首がへこんだり、ただれができていないか。

④脇の下のリンパ節をチェックします。

  ・指をそろえてのばし、それぞれの脇の下に入れてしこりがあるかどうか指先で確かめます。



*気になるポイントの再チェックや乳房が大きい人は仰向けに寝てチェックします。

①あまり高くない枕か四つ折のバスタオルを、背中の下に入れます。

②左手を上に上げ、頭の下に入れるようにします。

③右手の指をそろえてのばし、まず左乳房の内側を調べます。

④右手を左乳房の内側(乳首よりも内側) にのせ、指の腹を胸の中央部に向かって柔らかく、しかもしっかり滑らせるようにし、しこりの有無をまんべんなく調べます。

⑤同じ姿勢のまま左腕を自然な位置に下げ、今度は乳房の外側の部分を外から内に向かって柔らかく、しっかりと指を滑らせて調べます。

⑥ 右乳房も同様の方法で調べます。


注意:
①乳がんのセルフチェックを行う時は、指先で乳房をつままないようにすることが大切です。
    
②乳腺は女性ホルモンの影響を受けるので、排卵から月経が始まる頃まで卵巣から分泌されるホルモンにより、乳房が時々硬くなったり痛みを感じたりします。
閉経前の方が検診を受けるタイミングはセルフチェックと同じく月経開始後1週間くらいが適しているといわれます。



*ガンは生活習慣病

がんは生活習慣病ですから、乳がんも予防するためには、生活習慣を見直すことが大切です。
国立がんセンターでは、次のように「がんを防ぐための12か条」を提唱しています。

がんを防ぐための12か条

* バランスの取れた栄養をとる‐いろどり豊かな食卓にして-
* 毎日、変化のある食生活を‐ワンパターンではありませんか?‐
* 食べすぎを避け、脂肪は控えめに‐おいしい物も適量に‐
* お酒はほどほどに‐健康的に楽しみましょう‐
* たばこは吸わない‐特に、新しく吸いはじめない‐
* 食べ物から適量のビタミンとせんい質のものを多くとる‐緑黄色野菜をたっぷりと‐
* 塩辛いものは少なめに、熱いものは冷ましてから‐胃や食道をいたわって‐
* 焦げた部分は避ける‐突然変異を引き起こします‐
* カビの生えたものに注意‐食べる前にチェックして‐
* 日光に当たり過ぎない‐太陽はいたずら者です‐
* 適度にスポーツをする‐いい汗、流しましょう‐
* 体を清潔に‐さわやかな気分で‐


私たちの身体は細胞レベルで変化していますから・・・
生活習慣病にならない為にも日々の積み重ねがとても大切と実感します。

そして定期的なセルフチェックを行うことで小さな異常や変化を知るきっかけになりますので、是非忘れずに生活の中に取り入れていきましょう。

本日は79.1MHzかわさきFMで午後5時15分頃から、今日の頁とピンクリボンの頁をお伝えいたします。
では、今日も良い一日でありますように・・・

ピンクリボン

2008年10月06日 12時29分43秒 | Weblog
「ピンクリボン」皆様は最近胸にこのバッチを付けている方を見かけたり、マスコミや企業などがこの運動に協賛して独自のピンクリボンのシンボルで呼びかけているのをご存知でしょうか?

今月1日「ピンクリボンフェスティバル2008」が東京都庁の都民広場で開かれ、昨年手術をしたアグネス・チャンたちのトークショーが行われ、夜には都庁舎がピンク色にライトアップされたそうです。

このように「ピンクリボン」は乳がんの早期発見・早期診断・早期治療の大切さを伝えるシンボルマークとして知られるようになりましたが、この運動は1980年代アメリカの小さな町で娘を乳がんで失った母親が同じ悲しみを繰り返さないようにと実孫にピンクのリボンを贈った事がきっかけで、その後は草の根運動によって全世界に広まったといわれています。

乳がんは日本人女性がもっともかかりやすい(20人に1人)といわれ、2007年厚生労働省の人口動態統計によると乳がんでなくなった女性は11,323人もいらっしゃいます。
また乳がんにかかる人は30代から50代にかけて多くピークは40代後半といわれます。

しかし、年齢に関係なく閉経後であっても、家族に乳がんの方がいなくてもかかりますので、安心はできません。
早期発見であれば約90%の人が治癒することからもセルフチェックや年に1回のマンモグラフィーなどの検診がとても重要なのです。

わたしは乳がん、子宮ガンなどの術後に発症するリンパ浮腫の治療と運動療法をさせていただき10年以上になりました。
開業当初は子宮ガンなどによる脚の浮腫みが大半でしたが3年前くらいから乳がん術後の腕の浮腫みの患者さんが全体の40%くらいに増えてきました。


今回大阪で第16回「日本乳癌学会学術総会」が開かれました。
数多くの貴重な研究によるシンポジウムやワークショップ・セミナーなどの中から
自分の専門など限られた発表しか拝聴できませんでしたが、いくつかご紹介いたします。

①「乳腺術後患者におけるリハビリプログラムの検証」という発表で術後翌日からの自分で行う関節(手首・肘)可動域の訓練やリハビリ室においての患者さんや看護士さんと一緒に病院独自のリハビリ体操を行うことにより全員の可動域の改善があり患者さん同志の交流や励ましあいになったという報告です。

これは当健康塾でも乳がん術後の患者さんが体操に参加され、1年後には可動域が
健側と同じまで回復された実例があります。
やはり運動の有効性が認められるのはうれしいことです。

②「リンパ浮腫の実態と治療・予防ガイドラインの作成」では患者さんがリンパ浮腫のリスクを正しく認識して早期に気付くことで重症化を防ぐことが出来るということで実態を1431例集積してガイドラインを作成したというものです。

これまで日本ではリンパ節切除による「リンパ浮腫」ということを病院での指導や患者さんの中にも認識が薄く、症状がかなり重くなってから気付いたり、また症状が出てからでも、何処で受診したらよいかなどの行き場に困っている患者さんたちがたくさんいらっしゃいました。

私が浮腫の患者さんに出会ったのもまさにまだ日本で医療リンパドレナージなどの
複合物理疎泄療法などが行われておらず、医師やセラピストでこの療法の情報を
さがすのが大変な時でした。

しかし、一人の足の患者さんとの出会いが「リンパ浮腫の治療」に取り組むきっかけとなりました。

嬉しいことに圧迫療法の弾性着衣の保険適用もこの4月から認められ、お医者さんのグループでもこうしたリンパ浮腫に対する治療や予防の方法などに取り組んでいただけることは浮腫を予防したり軽症で食い止めるための手段になることは間違いありません。

まずは乳がんの早期発見を合言葉に今後も多くの皆様にセルフチェックや年に1回のマンモグラフィーなどの検診を呼びかけて行きたいと思います。

では次回はセルフチェック法をお伝えいたします。
季節の変わり目で風邪が流行っていますのでどうぞ早めの対処を心掛けて下さい。