健康塾通信

皆様がより健康であるための情報やご家庭でお手軽にできる健康法をお伝えいたします。

中秋の名月に誓う

2007年09月27日 00時52分25秒 | Weblog
先日は「中秋の名月」、日中晴れていたので良い月見日和になりました。
昔から「十五夜」とか、「芋名月」とも呼ばれて、おだんごやススキ、サトイモなどをお供えして月を眺める風習が有りますが、皆様はいかがでしたか?

実は昨日、近所の八百屋さんのサトイモが何と売り切れでした。
お供えとして買っていく人が多かったのでしょうか?

私は子供の頃、丸くて小さいサトイモ(きぬかつぎ)のゆでたものが大好きで、お供えした後、おしょうゆにつけて食べたものです。

秋は美味しいものが目白押し、食欲もアップしそうです。
しかし、食欲よりもアップしなければならないもの・・それは基礎代謝量です。

きょうは、この秋からダイエットをと、お考えの方におすすめします。
『三日坊主にならないと「月」に誓って、こつこつと運動を始めましょう!』

*基礎代謝とは、人間が生きていくのに最低限必要な機能(呼吸・心臓の動き・消化活動や体温を保つ)を維持するためのエネルギーのことで、基礎代謝(60~70%)、運動で消費する(20~30%)、食事でも使われる(10%)の大きくは3つにわけられます。

基礎代謝の一般的な数値は、成人男性で1日1200~1600kcal程度、成人女性で1000kcal~1300kcal程度と女性は妊娠・出産があるため男性より多くの体脂肪を蓄えていて、筋肉量が少ないため基礎代謝が低い傾向になります。

*基礎代謝量は10代をピークに、年齢とともに少しずつ減り、40代を過ぎると急激に低下します。

20歳前の成長期で男性約1500kcal/日、女性約1200kcal/日
40歳前後で男性約1450、女性約1150。
50歳前後では男性約1400、女性約1100にまで下がっていきます。

*基礎代謝の減少を防ぐ には、筋肉を衰えさせないように鍛えることが大切です。

*基礎代謝は季節によっても違い、冬は気温が低いため、体温を維持しようして、基礎代謝が上がります。そのため消費するエネルギー量が上がります。

*基礎代謝が低いと脂肪が蓄積しやすく、肥満の原因になります。

皮下の脂肪細胞に蓄積される体脂肪を皮下脂肪といい特に、お腹まわりや腰、お尻、太ももなどの皮下に多く見られます。
女性に多く見られる「洋なし型肥満」です。

一方外見からは蓄積されていることが分りずらく、増えすぎると生活習慣病を招き、男性に多く見られるのが「りんご型肥満」です。


*肥満度を表すBMI値・・体重(kg)÷身長(m)2で計算されます。
18.5から25までが「正常範囲」
体脂肪計などで体脂肪率をチェックすると男性で15%~20% 、女性で20%~25% が「正常範囲」とされています。

*隠れ肥満とは見た目のスタイルや体重は同じでも、体脂肪の割合が大きければ、痩せていても隠れ肥満となり要注意!ということになります。

*人間の体を構成する三本柱は、水分(体重の50~60%)と筋肉と脂肪です。

*運動不足は、筋肉量が減って体脂肪が増えてしまう「隠れ肥満」になります。
標準体重で隠れ肥満の人は体脂肪の割合が多い分、筋肉や骨、内臓などが痩せていることになります。

*基礎代謝が低い傾向の体質・症状

・体温が35.9℃以下である。
・月経不順である。
・手足が冷える(冷え症)。
・疲れやすく、朝まで疲労が残る。
・あまり汗をかかない。
・少し食べただけですぐ太る。
・肩こり、腰痛がある。
・普段、体を動かすことが少ない。
・顔色が悪い。
・血圧が低い。


*肥満の原因は、「遺伝30~40パーセント、環境60~70パーセント」といわれます。太りやすい体質の人が、食べ過ぎや誤った食習慣、運動不足などの環境に置かれてはじめて肥満が起こります。

*ダイエットをする場合、消費エネルギーを増やすことです。全消費エネルギーの約60~70%が基礎代謝で消費されるのですが、消費エネルギーが最も多い身体の部分は筋肉で、全体の約4割を占めます。

*筋肉が増えれば基礎代謝も増え太りにくい体をつくることができます。 逆に筋肉が少ないと代謝が減るため、脂肪が燃えず、ぜい肉として貯まりやすくなるのです。

さあ、基礎代謝と筋肉の関係はわかりましたか?
では次回、実行に移すための対策をお伝えいたします。


かわさきFMお昼の放送最終日

2007年09月26日 22時46分56秒 | Weblog
1年2ヶ月放送してまいりました、かわさきFM元気ワイドの『古賀公子のリフレッシュタイム』が昨日の放送をもちまして終了いたしました。

いつも応援いただきました皆様、スタジオにお越しいただいた皆様、本当にありがとうございました。

心から感謝申し上げます。

当初10分枠からのスタートでしたが、今年1月からは20分になりまして、毎週火曜日1時過ぎには武蔵小杉タワープレイスに詰めておりました。
 
私にとりましては全く新しい分野でありましたが、普段の講演と違い狭いスタジオで、パーソナリティーと向かい合ってのトークだけに、特別の緊張もなくリラックスして楽しませていただきました。

ただ体操に関しましては、マイクに向かっての解説でどの程度理解して動いていただけるかという不安がありました。

放送を録音したテープをあらゆる場所に持ち込んで、実際に動いていただき何度も
改善してはわかりやすい言葉の説明や動きのを研究しました。

動きは簡単で、単純なもの、言葉はわかりやすく、短くなどなど・・いまだ完璧なものは完成していません。今後の課題です。

今回は大幅な番組編成によるもので、とても残念ではありますが引き続き
10月から『ゆうドキッ!元気ワイド』という夕方の番組でゲストとして
『健康トーク』をさせていただくことになりました。

詳しくはまたお伝えしてまいります。
夕方ということで今後は、疲労回復のお役に立つ情報をご紹介したいと
さらに意欲を燃やしています。
どうぞ今後ともよろしくお願いいたします。

女性の『冷え』

2007年09月17日 12時29分55秒 | Weblog
9月も半ばを過ぎ、これからは健康講演が多くなってまいります。
 
先日は、「リンパ浮腫の運動療法について」そして明日は「ヘルパーの健康管理」が予定されています。
ある種の疾患をかかえている方も、介護を仕事としている方々も、自身の機能向上と自己管理のために、身体の機能や生理をよく理解して、運動していくことはより大きな効果を生むことに繋がります。

漢方の古典である『黄帝内経(こうていだいけい)』と言う医学書のなかの「四気調神大論」に季節の養生法として夏は陽気をよく発散させて熱を身体に閉じ込めないようにするとあり、秋は万物が実を結びすべてが引き締まり収納される時なので、活動的になりすぎず、発汗しすぎると風邪をひきやすくなるので、発汗したらすぐ汗をふき取ることとあります。

私事ですが「運動」を提唱している当人として、今生活の中に取り入れていることが「ウオーキング」です。
私の生活が「運動指導」から「治療」ベースになって10年以上が経過しましたが、その中に講演などの仕事がプラスされ、原稿書きなどデスクワークも増えてまいりました。バランス的にも一番手っ取り早いものが、歩くことと、ストレッチングでした。朝の1時間を週3回の目標にしています。
この時期の養生法にあるように、汗をすみやかにふきながら心地よい秋風にふかれて足元からエネルギーを充電するつもりで歩いています。
またこうして身体を規則的に動かすことで、治療や運動指導、そして講演活動などに活力が増すことも事実です。

さて、前置きが長くなりましたが、前回の「冷え」の続きで「なぜ女性は冷えやすいのか?」ということから今回のテーマに入りたいと思います。

女性には性周期(卵胞ホルモンを分泌し、排卵がおこり、月経がはじまる)というように、いつもホルモン分泌の変動があります。「ホルモン分泌」を司るのは脳の「視床下部」という所ですが、そこにはもう1つ、「自律神経」(交感神経と副交感神経)を司る場所もあります。この二つの中枢が影響しあって自律神経失調になったり、ホルモンバランスを崩しやすく、それが冷えにつながるのです。

さらに女性は排卵の後に黄体ホルモンが出ます。このホルモンは末梢血管を拡げて血液の流れを良くし、体温を高くしますが、その時期を過ぎると低温期がやってきて、常に体が冷たく感じられます。
ところが更年期になると無排卵になるので高温期がなくなり、加齢とともに体温は下がっていく傾向にあるので、冷えを感じるのが強くなります。
思春期を少し過ぎた若い女性で、卵巣の働きが悪い時期にも、高温期がないことで冷えを感じます。

最近若い女性の体温が低いといわれるのは「冷え性」というよりは「低体温症」の可能性もあります。
原因として
*恒常性(体温を常に一定に保とうとする働き)が低下→冷暖房による。
*運動不足→乗り物の普及や電化製品の進歩により、からだを動かして
      エネルギーを使うことが少なくなっている。

このような基礎代謝量の低下が体温を低くします。
またこういった環境下で「低体温症」の子供が増えているという報告も有ります。

「冷え性」と「低体温症」との比較
冷え性 ⇒冷えを自覚しやすい。 体を温めたいけど温めきれないので、体の末端である手足が冷える。
低体温症 ⇒冷えを自覚しにくい。 体を温めたくない状態。そのため体温自体が低い。

「冷え」を予防し免疫力を高めるためには
① 規則正しくバランスの良い食生活・・腸を動かしてカロリーを消費することがエネルギーを出すことになります。
② 精白していないものを食べる。(白米・白砂糖・白パン)
③ よく噛むこと。
④ 腹七、八分目。
⑤ 睡眠を十分にとる。
⑥ 腹式呼吸・・朝起きる前か寝る前に1日10回。お布団の上で膝を立てて行いましょう。            
⑦ 身体をよく動かし、筋肉を鍛えること(運動)・・心肺機能をアップします。

さあ、身体の中から『冷え』を追い出すためにも、生活の中に有酸素運動(ウオーキング・ジョギング・水泳など)を取り入れて、食生活にも気をくばりながら、基礎代謝をアップしていきましょう。


「冷え」の恐怖

2007年09月16日 13時42分26秒 | Weblog
夏から秋への移り変わりの時期というと、日本だけに現れる「秋雨前線」があります。この前線は夏の暑く湿った高気圧と北からの乾燥した高気圧がぶつかる為に、発生すると言われますが、この前線の影響で大雨になったり、暑い日や涼しい日など気温の差もある毎日です。

そして、身体の方は「冷え」を感じている方もいらっしゃるかと思いますが、いかがですか?

冷えは腰痛や関節痛などを悪化させたり、むくみにもつながるものです。

「冷え」のメカニズムとは

寒いとき生体機能の維持の為、温かい血液をからだの中心部に集めるので
手足の末端が冷たくなります。
絶えず手足の冷たいことがストレスになって
自律神経の乱れが起こり更に血行障害を引き起こします。これが「冷え性」と呼ばれます。

冷え性とは体温調節機構(身体の体温を一定に保つ仕組み)が正しく機能せず、異常に冷えを感じてしまう状態のことです。

人間には一定の体温(36度~38度)を保つしくみがあります(恒常性)。

1.皮膚センサー→『寒さ』をキャッチ→脳に送る。

2.脳の視床下部→ホルモンや自律神経を介して→全身の器官に体温を保つ指令を出す。

3. 体の各器官の反応として
皮膚→血管が収縮して熱を逃がさないようにする。
身体の中→蓄えられた糖質や脂肪を燃やして熱を作ろうとする。

このような働きが一つでも機能しないと「冷え性」がおこります。
「冷え性」というのは、もともとは東洋医学独自の考え方によるものです。
その病名を西洋医学でいうならば、「自律神経失調症」となるでしょうか。

東洋医学では病の原因を気、血、水、の3つの異常とみています。

水分の流れのとどこおり→「冷え」に関係して「水毒」といいます。

「冷え」と関係の深い疾患
花粉症・気管支喘息・風邪を引きやすい・アトピー性皮膚炎・神経痛・関節痛
リウマチ・手足のしびれ・扁桃痛・低血圧症・めまい・動悸・狭心症・不妊症
頭重・食欲不振・下痢・便秘・頻尿・耳鳴りなど

これら自分は冷えを自覚しなくても身体の中からの冷えが多くの症状を作るばかりか回復までも遅らせているということがあります。

「冷え」のサイン
①血色の良くない顔色
②動作が緩慢
③厚着の傾向
④声に張りが無い
⑤手足が冷たい
⑥鼻水が出やすい
⑦風邪を引きやすく治りずらい
⑧疲れやすい
⑨寒い時期にカイロを愛用している
⑩冬季には寝具に電気毛布を愛用
⑪冷房が嫌い
⑫飽食、美食家で肥満傾向
⑬果物、清涼飲料水、菓子類を毎日とる
⑭ビール、水割り、ワインなど毎日かなりの量を飲む
⑮冷房の中で仕事をしている

如何ですか?
みなさまはいくつサインが見当たりましたか?
「冷え」は病の仕掛け人といっても過言ではありません。
「冷え」をとるだけで多くの病が改善してくるはずです。
では次回、女性に多い「冷え性」のわけをとりあげてまいります。

夏から秋へ

2007年09月04日 23時55分16秒 | Weblog
残暑お見舞い申し上げます。
酷暑の夏が過ぎましたが、9月とはいえまだ朝晩と日中の気温差もあり、
さらに今日、小笠原諸島で発生した台風の影響でなんとも蒸し暑い日でした。

ところで皆様は夏の疲れは出ていませんか?
この夏の暑さでお肌は紫外線を浴び、角質が厚くなることで、固くなり新陳代謝や免疫力も低下するといわれています。
また体のほうは、冷たいものの取り過ぎで胃腸の働きがにぶり、体の冷えもあってすっきりと目覚めることができないということはありませんか?

これから乾燥する季節、未だ暑さも残りますので、お肌も体も夏の疲れをのこさないようケアし、夏に消耗したものを十分に補うことが大切です。

今回は秋に向けての養生法についてのお話を致します。

秋の期間 とは東洋医学では、24節気のうち立秋(りっしゅう、8月8日頃)から霜降(そうこう、10月24日頃)までの6つの節気を秋に分類しています。
秋は気候の変化が大きい季節で、初秋はまだ暑さや湿気が残っていて、中秋になると空気が乾燥し、晩秋には寒さを感じるようになります。

貝原益軒(江戸時代の儒学者)の「養生訓」には
「秋は、夏に開いた皮膚が、まだ閉じていない。外邪から守る気が未だ堅固でない。
 秋風に吹かれると破られやすいので、慎んで涼風にあたりすぎてはならない。
病ある人は、残暑過ぎて後所々に灸して風邪をふせぎ、陽を助けて痰咳のうれひをまぬがるべし。」とあります。

*秋の養生法のポイント

1:乾燥と冷えを防ぐ

秋の養生のポイントは「養陰防燥」といい、秋になると陽気は次第に衰え始め、陰気が盛んになるので、季節に合わせて、体内の陰気を養うことと、陰気を養うためには防燥(乾燥から身を守る)に心がけることが必要といわれています。

陰陽五行の考え方では秋は肺に対応していて、乾燥した気候は肺の陰気を損傷させやすいと考えられます。そのため、口や咽喉が渇く、空咳が出るなど呼吸器系の病気が発生したり肌の乾燥、便秘しやすいなどの症状が出やすくなります。
そこで秋の養生は乾燥を防ぐことが重要です。
乾燥と同時に、秋は冷気も入ってきます。夏にたくさん汗をかいて水分が不足している状態ですので冷気に侵されると、頭痛・鼻づまり・胃痛・関節痛などの症状が現れやすくなります。
また慢性病や新たな病気を誘発することもあり、特に高齢者や虚弱体質の人はこうした気候の変化への適応能力や抵抗力が弱いので、冷えには充分注意してください。


2:肺の働きを助ける飲食を心掛ける

肺に対応する色は白色ですが、梨の実、白菜、ダイコン、銀杏、ネギの白い根っこの部分などがあります。

梨・・ノドの乾きを止め、咳を止めます。

白菜・・肺病に効きます。

ダイコン・・辛味でカゼやのどの痛みに効果があります。

銀杏(ぎんなん)・・喘息に効きます。
そのほか
柿・・咽喉の痛み、口や舌の爛れ、空咳などの症状が現れ、肺病を患った人は
   喀血することもあります。柿はこうした症状の予防・治療効果があります。

百合・・心臓と肺の働きをたすける作用があり、咳や痰を鎮めます。
    風邪にも効果があり、不眠症を解消したり精神安定にも有効です。   

栗・・栗には脾の働きを助けて消化を促進させ、腎臓の働きを活発にする作用が
   あると言われています。また自律神経の働きを助けてくれます。

体内の陰気を養い潤いを与えるものには、白キクラゲ、胡麻、蓮、ホウレン草などもあります。

少辛多酸といい、辛い食物を食べ過ぎると肺の活動は異常に旺盛になり、そのため肝臓の働きを損なうことがあります。
ネギ、生姜、ニラ、唐辛子など辛い食物は食べ過ぎないように注意し、リンゴやブドウ、トマトなどは肝臓の働きを助けます。
朝はお粥を食べると脾・胃の働きが調整されます

秋は『食欲の秋』と言われますが、これは食べ物の少なくなる冬に備えて身体が蓄えを増やすという動物としての本能が残っているからです。
特に『旬』のものを選んで、食べるようにしてください。

3:秋冬は早寝早起きで陰気を養う

春夏は陽の気が頭部や皮膚に上昇していますが、秋冬は陰気が強くなり、気は下降します。

4:基礎体力を養い運動する

心を沈めて深呼吸を10回、特に朝の気を取り入れることにより元気にさわやかな一日を過ごしましょう。

以上、古典からの養生法をヒントに、夏から秋にかけては、その日の気温にあわせ、衣を一枚重ねたり脱いだりと上手に調整しながら、身体の中からも外からも
対応して、実りの秋にふさわしく、充実した日々を過ごしたいものです。