健康塾通信

皆様がより健康であるための情報やご家庭でお手軽にできる健康法をお伝えいたします。

水はいのち

2007年04月30日 12時00分14秒 | Weblog

みずみずしい・・・水々しいとは
辞書によると
「光沢があって若々しい」また、「新鮮で生気がある」「いきいきしている」などと書かれています

地球は水の惑星といわれていますがその表面の3分の2が水に覆われています。

35億年前に原始生命体が誕生したといわれ、進化の過程をたどるとすべての
生物は海の中で生命を育んできたわけです。

命の源といわれる水・・
さて私たちの身体の水分の割合はというと年齢、男女差、肥満度によって差はありますが

男性は60%
女性は55%
やせている人が60%
太っている人は40%
新生児は80%とかなり高い割合となっています。
一方、老人は50%
老化に伴い細胞内の水(カリウムイオンという微量成分が含まれる)
が減ると、このカリウムが失われて、細胞の生命力がなくなり老化に大きく
影響します。
ちなみに
体重の60%を占める水のうち45%までが、細胞内に封じ込められた水で、
残り15%が、血液、リンパ液など、細胞の外にある水です。
この細胞内液、細胞外液をあわせたものを体液と呼び、この体液が生命の維持、
活動に重要な役割を果たしています。

成人での血液の総量は5リットル、血液以外の体液の総量は1~2リットルです。

水分排出量は静かに横たわっている成人男子で、1日2,300ミリリットルです。体を動かした時や暑いと時などはそれ以上の水分が排出されるので
排泄された水分はすぐに補わなければなりません。

1日に補給すべき必要最低限の水分量は次のようになります。

飲料水:1,200ミリリットル
食物:800ミリリットル
代謝物:300ミリリットル

代謝物とは体内でタンパク質や炭水化物、脂肪などが酵素によって分解される時に排出される水分をいいます。

水を飲むことは健康を保つ上で非常に大切なのです

*水分が不足すると、まず血液がドロドロ状態になり、
 脳梗塞や、心筋梗塞など血管が詰まる病気が起こりやすくなります。

*下痢をしたとき
 冷たい水をいっぺんに飲むと体温が下がり、腸のはたらきが鈍ってしまうので、
 常温の水を少しずつ補給することが大切です。

*便秘のとき
 水を飲むことは腸のぜん動運動を刺激し、排便を促してくれます。

 体内の水分が足りないと消化液の分泌量が減り、便が固くなって排泄されにくく なります。

体に良い水のポイントとしては以下のようなものがあります。
• 有害なものを含まないこと
• 酸素と炭酸ガスが充分に溶け込んでいること
• 水の硬度が高すぎないこと
• PH(ペーハー)は弱いアルカリ性であること
水の硬さを科学的に算出した数値は「硬度」と呼ばれますが、これらはミネラルの主成分であるカルシウムとマグネシウムの量を測定したものです。

1リットル中100mg以下が軟水、200mg以上が硬水とされ、日本の水の場合はほとんどが100mg以下の軟水です。


水分補給のポイント

1. 朝・晩(寝る前)1杯の水を習慣に
朝、水を飲むと胃腸が目覚めて食後お通じもスムーズに。
夜、水を飲むと血液がドロドロ状態を防ぎます。

2. 1日1リットルを目標に
スポーツの後やたくさん汗をかいた時には、水に天然の塩を少し入れると
水が電解質になって吸収が早まり効果的。

3. 乾く前に飲む
のどが渇く前に水分補給をすると、様々な代謝がスムーズ

4. お風呂上がりは、
出ていった汗と同じくらいの水を飲んで水分を補給しましょう。


水は文化のバロメーターといわれています。
そして、水はいのちです。
私たちが健康に生活するためにとてもとても大切な資源です。
ですから、川や海を汚さないように、大切に使うことで私たちの地球の健康を育むことにもつながっているのです。

もう一度水の使い方から考えてみたいと思うこのごろです。

その3 ニンジン

2007年04月16日 16時31分43秒 | Weblog
家庭の三大常備野菜として三つ目はニンジンの登場です。

たまねぎが『葉』じゃがいもは『茎』そして、ニンジンは『根』の部分を食べています。
何とこの三大野菜がそれぞれ違う部位だったとは知りませんでした。


ニンジンは二系統にわかれていて、私たちが日常食べている方は
ヨーロッパ型ニンジン
と呼ばれていてオレンジ色をした15センチ位の長さのものですね。
このニンジンにはカロチンが多く、年中出回っていますが本来の旬は9月頃から12月頃だそうです。

一方、アジア型ニンジンは日本では金時ニンジン(京ニンジン)
と呼ばれているものが代表されますが、金時ニンジンの赤色はリコピンによるもので、カロチンは含まれていません。

ここからはヨーロッパ型ニンジンのことを中心にお伝えしてまいります。

まず栄養成分では、カロチンが多いことは有名ですがそのほか
ビタミンB1、B2、C、鉄分やカリウム、カルシウムまた食物繊維などが
含まれていて
緑黄色野菜の王様とも呼ばれるように栄養価が高いお野菜です。

ニンジンのカロチン量は、中くらいのもの半本で、1日必要量がとれるといわれます。

調理の際覚えておくこととして

皆さんがあまり知らないことは、ニンジンの皮は、白っぽくとても薄いもので、
出荷地で既にむかれているということです。
日常、皮だと思ってむいて捨てている部分に、多くのグルタミン酸やカロチンなどの栄養が含まれているということなので
皮はできる限り薄くむくようにしたいですね。


また油を使う調理では200度を超える高温は避けたほうがカロチンの消化・吸収が良くなるため、調理は短時間で行うことと、
カロチンは、油に溶ける脂溶性ビタミンなので、
油と一緒に摂取することで、ビタミンAとしての吸収率がよくなります。

カロチンの吸収率は、生だと1割程度、煮ることで3割、油で調理することで5~6割になります。
ですから、カロチンをとるためには、油料理がとても効果的なのですね。
 
ニンジンは、生で食べるときには注意!
生のニンジンにはビタミンCを破壊する酵素が含まれているため
一緒に他の材料とつかうことでその食材のビタミンCも壊してしまいます。
またこの酵素は酢に弱いため生のニンジンは
酸味のきいたドレッシングをかけるか、ジュースにする場合はあらかじめ
ミキサーの中にレモン汁や酢を少し加えることで、
ビタミンC破壊酵素の働きを止めることができます。

さて、ニンジンもたまねぎやじゃがいもに負けないくらいの効能がいっぱいです。

まずカロチンといってもいくつか種類が有りますが特にβカロチンが豊富です。

①抗酸化作用があります
 βカロチンは活性酸素を抑制し、体の抵抗力を高めるはたらきます。


②抗癌作用(抗腫瘍効果)として

・βカロチンは肺がんや、すい臓がんの抑制に効果あり。

・カロチンが変化して出来るビタミンAにより皮膚や粘膜を強化するので、
 皮膚がん、喉頭(こうとう)がん、食道がんの予防になる。
 (紫外線から肌を守るということで、南米では日光浴の前に
     ニンジンジュースを飲んだり、ニンジンを食べる習慣があります。)


・食物繊維によって排便促進され大腸がんの予防につながる。

・カロチンやビタミンCの不足が子宮頚(しきゅうけい)がんの原因になること  が、米国で発表されています。
 
③高血圧症に効果
 ニンジンに含まれるカリウムには体内のナトリウムを排出するはたらきがあり、
 これは血圧を下げるはたらきがあります。

④アレルギー抑制効果
 Ⅰ型アレルギー性疾患といわれている花粉症、アトピー性皮膚炎、気管支喘息、 ジンマシンなどを引き起こす最も身近なアレルギーへの抑制効果があることが
 ニンジンジュースを与えた動物実験で実証されました。
 (徳島県で開かれた日本薬学会で発表)

⑤眼精疲労(がんせいひろう)、角膜の乾燥、結膜炎などを予防します。

⑥冷え性に効果
 鉄分を含むので、造血作用があり、血行を良くするため、貧血や冷え性に
 効果あり

⑦肌のうるおいを与える。風邪の予防に
 ビタミンAは皮膚やのど、気管支、肺などの上皮組織を正常に保つので、
 肌にうるおいを与え、
 風邪の予防にも効果があります。



民間療法として

①下痢にはニンジンのすりおろしや、やわらか煮を食べると効果があります。

②せき、気管支炎にニンジンをすりおろして食べたり、しぼり汁をさかずきに1~2杯飲みます。

③高血圧に1回に100g分のジュースを、1日に2~3回飲むと血圧を下げます。

④しもやけのかゆみには、すりおろした汁を直接、患部につけてマッサージすると効果があります。


このように、ニンジンの効用も目を見張りますね!



ではここで大切なたまねぎの薬効などの補足をして三大常備野菜のまとめをしたいと思います。

たまねぎの最大の薬効は、血液をサラサラにすること、そして最近注目されているのが
デトックス(毒抜き・毒出し)効果で、体内に蓄積された鉛の解毒効果があるそうです。

毎日1/4個以上で血液さらさら・・・玉ねぎ
カリウムの王様・・・・・・・・・・・・・・・・じゃがいも
緑黄色野菜の王様・・・・・・・・・・・・ニンジン


野菜ってすごい!

今回の三大常備野菜を見直して、毎日の食材に取り入れて行きたいと思います。






その2 じゃがいも さまさま

2007年04月13日 15時46分41秒 | Weblog
  
さあ前回のたまねぎ同様、家庭に常備されているお野菜の代表であるじゃがいもを
見直したいと思います。

じゃがいもの旬と言えるのは春の5~6月頃と、秋から冬の9~12月頃の年2回です。
1年に春秋2回収穫ができるので「二度いも」と呼ばれるところもあるとききました。

皆様も良くご存知の品種は9~10月頃に収穫される「男爵薯(だんしゃくいも)」と、
5~6月頃の「メークイン」です。新じゃがと呼ばれるものは、5~6月頃に九州から出荷されるもので
これからおいしい新じゃがの季節ですね。

じゃがいもで気をつけることは芽が出ていたり、緑色に変色しているものは
ソラニンという有毒物質が含まれていて、大量にとると中毒を起こすことがあります。
芽以外の部分でも緑色になった部分にはソラニンが生成されているので、
芽と同様これも厚めに切って捨てます。
ソラニンは光を当てると増えるので、じゃがいもは必ず暗い場所で保存することが
大切です。
また保存の際、リンゴを1~2個一緒に入れると、
リンゴからでるエチレンガスの作用でじゃがいもの芽が出るのを防ぐことができます。


ところでじゃがいもには驚くばかりの栄養や効能があるんですよ。

①主成分はでんぷんを主とした炭水化物ですが、低カロリーで、特に脂肪の少ない のが特徴です。まさにダイエット食品ですね。

②フランス語で「大地のリンゴ」と言われる程、ビタミンCやB1、B6などが
 豊富です。
 
③ミネラルではカリウムや鉄を含み、また食物繊維も多いのです。

④じゃがいものビタミンCはでんぷんに包まれているため熱に強いのが大きな
 特徴。

⑤ビタミンCはコラーゲンの生成に不可欠で、血管や神経を強くして老化を予防
 します。

⑥メラニン色素の生成を抑えるので美肌効果があります。
 
⑦粘膜を強化するので、胃潰や十二指腸の腸瘍(かいよう)に効果があります。

⑧免疫力を高めるので抗酸化効果や抗ガン効果を期待できます。

⑨「カリウムの王様」と言われるように多く含まれています。カリウムには、
 血中の塩分(ナトリウム)を排出するはたらきがあり、体内の塩分バランスを
 調整して
 高血圧や動脈硬化の予防に効果があります。

⑩体内のナトリウムを排出するので顔や手足のむくみに効果が有ります。

⑪アルカリ性食品なので血液と尿の酸化を防ぎ、血液中に尿酸を増やさないように はたらくため
 痛風や壊血病、くる病などの予防に効果があります。

『じゃがいもの民間療法』

•「やけど」には、生のまますりおろしものを厚めに患部にぬり、上からガーゼを当てます。

•「打ち身やねんざ」には、すりおろしたものと同量の小麦粉と一緒に練って、布など に厚めに塗り患部に当てます。

•「皮膚炎や湿疹」などには、すりおろし汁をそのまま塗ります。


ここで私の体験ですが、何度か「乳腺炎」をしたときにじゃがいもをすりおろして布にのせ患部に湿布し大分楽になった体験が有ります。
そのほか、山の中で「蜂に刺された」人が地元のご老人からじゃがいものすりおろしで湿布していただき良くなったとお聞きしたこともあります。

こんなにたくさんの恩恵があるじゃがいもは、常に欠かしたくないお野菜ですね。まさにじゃがいもさまさま・・ですね。

そして皆さん覚えてますか?たまねぎは「葉」でしたね。
さて、じゃがいもは?

じゃがいもは、根と思われがちですが茎が変化したもので地下茎が枝分かれして細く伸びてその先端が肥大してでんぷんが蓄積したものです。
同じ芋類でも、さつまいもは根が変化したものだそうです。

では今夜はじゃがいも料理をさっそくどうぞ!
酸性食品のお肉やお魚との相性もぴったりです!







三大常備野菜・・その1 たまねぎ

2007年04月10日 01時21分34秒 | Weblog
 皆様のお台所にある三大常備野菜といえば
たまねぎ・じゃがいも・にんじん ですね。
まずは たまねぎ
たまねぎと言えば切る時涙がでたり、生で食べたときの独特の辛味がたまりません。
その辛味の正体は硫化アリルという硫黄を含む成分です。
そして、この成分の仲間である催涙性物質というのがたまねぎを切った時、空気に
ふれることによって発生するから泣けるのです。

しかし、涙も切る前に冷蔵庫で冷やすことで大分楽になります。
また 辛味は水の中にお酢を入れることや、塩もみした後水でさらすなどの工夫で
減少します。

ただし、水にさらすと有効成分である含硫有機成分が流出しますので、
玉ねぎを切った状態で15分以上おき加熱料理する方がよりよいといわれます。

さて、原産国は中央アジアといわれますが日本に出回っている黄たまねぎは、
中東ヨーロッパで生まれアメリカで改良された辛たまねぎです。

さあここで問題です。
わたしたちが食べているのは根、茎、葉どこでしょうか?

実は意外に「葉」なのです。

私は健康塾でこの質問をしたところ多くの方が「根」と答えました。
でも実際収穫をしたことのある方は、
ずばり「葉」と言い当てました。

葉の下の葉鞘とよばれるところが成長するにしたがって厚みを増し、重なり合って球体に太ったものだということです。

たまねぎはその昔は精力剤ともいわれてましたが
辛味成分の硫化アリルはビタミンB1の吸収をよくする働きがあります。
ですから豚肉などビタミンB1を多く含む食品と組み合わせると、より効果的です。


たまねぎは薬効成分に富んでいてどんな土地でも簡単に栽培でき
長時間保存しても、薬効成分はあまり減らないそうです。

たまねぎを1日4分の1食べることで血液さらさら、血糖値を調整する働きや
コレステロール値や中性脂肪値が低下しますし、
抗菌作用や解毒作用・抗アレルギー作用などもあります。
 
そのほか
食欲不振やイライラ、疲労回復・不眠に役立ちます。
たまねぎを枕元に置くと良く眠れると言う話もありますね。

昔から言い伝えられている民間療法には解熱効果があるので「かぜのひき始め」に、たまねぎをたっぷり使った味噌汁やスープを飲むと良いといわれています。

年間を通して、手に入るお野菜ですしいろいろなお料理に使いやすい食材とひとつですね。
たまねぎの効用を知って、有効にお料理にお役立て下さい。