健康塾通信

皆様がより健康であるための情報やご家庭でお手軽にできる健康法をお伝えいたします。

乳幼児期の水分のとりかた

2009年08月31日 14時01分31秒 | Weblog
朝晩のひんやりした風に足早な秋の訪れを感じるこのごろです。
そしてインフルエンザの再来にまたまた消毒液とマスクの買い物で街の薬局には人の山ができています。
どこで感染するかわからない不安があるのでやはりひとりひとりの予防対策が大切ですね。


さて今回は乳幼児の水分補給をお伝えいたします。

まず新生児は体重の80%以上が水分で1日に必要な水分量は成人の5倍になります。
骨や歯が未発達な赤ちゃんは脂肪やタンパク質などの固体成分が少ないので水分の割合が多くみずみずしいのはこのためです。

次に乳幼児と成人との比較から注意点をあげてみます。

① 乳幼児は成人と比べて、細胞内液より細胞外液が多いので下痢や嘔吐によって簡単に脱水症状になりやすいということです。

② 水分代謝が成人の約3倍なので1日に必要な水分量は成人の3倍になり、体重1kgに対して約100mlとなります。

③ 腎臓では老廃物を尿と共に排出していますが、同じ量の老廃物を排出するのに乳幼児は成人の2倍の水分が必要になります。


次に乳幼児が摂取する水について

水道水が基本ですが発熱があった場合はのどが乾燥しないように少しずつ回数を多く飲むようにします。
一度に多く飲むと嘔吐の恐れがありますのでご注意ください。
またスポーツ飲料水ですが乳児の場合は母乳のナトリウムよりスポーツ飲料の方が高濃度なのでこれのみを水分摂取として取り入れるのは危険です。
幼児以上では安心して摂取できます。


ところで我が家の体験からですが・・・息子が4歳の時、おたふくかぜの合併症といわれる無菌性髄膜炎にかかったことがありました。

おたふくかぜが終息してお医者様から登園許可の書類を書いていただいた夜、9度を超える熱が出ても元気に夜遅くまでハイテンションに歌を歌っていました。

熱を下げるためにお薬や氷まくらなどの手当てをしながら一夜を明かしました。
しかし息子は朝目覚めた時にはトイレにも立てないくらいぐったりとしてしまい、抱きかかえてトイレに行ってもおしっこが出ませんでした。それからお水をあげても受け付けず、病院に行く途中2.3回嘔吐しました。まさに脱水症状だったわけです。

かかりつけの病院で朝一番で受診した時は後頸部の硬直が認められそのまま総合病院行きとなり、髄液検査の結果「無菌性髄膜炎」と診断されました。

そしてすぐに入院となり、あの時は髄液検査で本人はとても怖くて痛い思いを経験することになりました。

本当に脱水症状を起こすのはあっという間で子供の症状の急変には怖い思いをいたしました。
我が家はご多分にもれず核家族でしたから、この時何よりの助けになったのはご近所の方でした。今でも息子共々心から感謝しています。

子育て中のお母様たちは思いもかけないくらい、いろいろな怖い思いもされるかと思いますが、近頃はいろいろなネットワークがあり積極的に子供と一緒に参加しながら、心配事や情報交換なども可能ですから、普段から病気のことや万が一の時にもあわてないネットワークを持つことが大切かと思います。

老年期の水分摂取

2009年08月26日 00時04分59秒 | Weblog
愛ねこジジが我が家にやってきて11年を迎えました。
正式には日付が変わってしまったので、昨日なのですが・・・久しく洗面ボールの中でくつろぐ姿は見られなかったのですが、残暑厳しさゆえでしょうか?
ひんやり冷たいタイルが心地よいのでしょう。
記念日ではありますが、忙しい1日となってしまいお散歩もできず、今回は記念撮影と大好きなまたたびの粉末でお祝いすることしかできませんでした。
これからの日々も「いつも癒しをありがとう!」と心から感謝を伝えていきたいと思います。

さて本日は、老年期の水分摂取について大切なポイントをまとめました。
高齢者人口がますます増えていく中で、お独り暮らしの方やご家族に介護を必要としている方を抱えていたり、身近にお元気な高齢者がいらっしゃる場合にもご参考にしていただきたいと思います。

まず老年期になると

①脱水症状になりやすくなります。脱水症状になると発熱、めまい、尿が少ない、血圧低下などの自覚症状が現れ元気がなくなります。

②少しの身体活動でも感じる以上に身体から水分が蒸発しやすいのです。

③身体の特徴として、筋肉量がダウンし細胞数も減少、細胞内の水分も減少します。(成人男性の40%から30%にダウンします。)

④体内の水分量が減少しているのにのどの渇きが感じられなくなります。

⑤食事の量が減るので、食事から摂取できる水分も減少します。

⑥腎臓機能の衰えによって腎臓での水分再吸収がスムーズにできなくなります。

これらのことから

のどが乾かなくても定期的かつ意識的に水分補給をすることが大切です。
外に出かけるときは必ず飲み物を持参して、食事も3回シッカリとって栄養バランスに注意することです。

では次回は乳幼児期の水分摂取をお伝えいたします。

水分量の変化と身体への影響

2009年08月23日 17時46分44秒 | Weblog
私達の身体の60%は水分というのは前にお伝えいたしましたがその内訳は
細胞内液40%と細胞外液(間質液と血液)20%です。

年齢によっても水分量は変化しますが、特に高齢者では体重の55%になります。
ちなみに
新生児では80%・・新陳代謝が盛んな分失われる水分も多いので脱水状態になりやすいのです。
乳幼児では70%・・身体の成長に伴い筋肉や脂肪がふえますが運動量が多くなるので、水分が失われやすくなります。
成人男子では60%・・体重により個々に違いますが加齢によって水分量は減少して、身体が乾燥しやすくなります。
高齢者の55%というのは細胞内の水分量が減り、脱水状態になりやすく臓器にも悪影響を及ぼします。
また肥満の人は体重の約50%、やせている人は65%です。

では水分量の低下による影響を考えてみましょう。

① 髪の毛・・・パサつきツヤがなくなり、抜け毛が増える。
② 皮膚・・・・乾燥しやすく特に肘・膝・かかとなどカサつきかたくなる。またしわができやすくなる。
③ 爪・・・・・割れたり、裂けたり爪が硬くなる。
④ 骨・・・・・軟骨や椎間板の水分量が減る。関節の動きが悪くなる。
⑤ そのほかの身体への変化や影響
・風邪にかかりやすくなる
・便秘しやすくなる
・胆石や尿路結石ができやすくなる
・膀胱炎や腎盂腎炎にかかりやすくなる
・尿酸がたまりやすくなる
・痛風になりやすくなる
・脳梗塞をおこしやすくなる
・血圧が低下する
・立ちくらみをおこしやすい
・熱中症になりやすくなる
・脱水症状をおこしやすくなる
・粘膜が乾燥しやすくなる
・目が引っ込んでくる

ではここで簡単にできるセルフ水分チェックです。是非お試しください。
① 脇の下をさわって湿っていればOK。乾いていれば水分不足のサインです。

② おや指の爪を押して離し、赤みがすぐに戻らなければ水分不足です。

③ 手の甲の皮膚をつまんで山を作り、すぐ離したときもとに戻らない場合は水分不足です。

さあ、いかがでしょうか。皆様の水分は不足していませんでしたか?

水分不足は単にのどが渇くことだけではなく、水分を上手にとることで
生活習慣病を予防して老化の加速を緩めることもできます。
高齢者ほど、のどの渇きを感じる前に定期的に水分をとるようお勧めします。

では次回は世代による水分のとりかたを確認したいと思います。

身体に取り入れる水と出ていく水

2009年08月22日 11時52分01秒 | Weblog
お盆を過ぎ、いくぶん朝晩がしのぎやすくなってきましたが、湿度の高い日や日照りの強い日は額にジンワリ汗、汗、、、です。

ところで私達の身体の中の水分はいろいろな形で失われます。

今回は身体から出ていく水分と入ってくる水分を確認したいと思います。

まず私達の身体は暑いときやスポーツなどでかく汗は汗腺から分泌されます。
しかしこれとは別に、呼吸することで吐く息(呼気)には水蒸気が含まれ、皮膚表面からもわからない程度に分泌されて自然に発汗されている汗があります。

これを不感蒸泄(フカンジョウセツ)といって、『1日に800~900ml』の水分が失われています。

次に尿ですが、尿量は腎臓で調節されて排出されます。取り入れる水分量にもよりますが成人では平均7回の排尿があり尿量は『1日で約1200ml』くらいになります。

そして便には『約100~200ml』の水分が含まれます。

ということでだいたい水分の支出は2200mlになります。


我が家の愛猫ジジは汲み置きの水にはほとんど目もくれず、一番新鮮な水道からの水かお花の水やりのじょうろから注がれる水が大好きです。
生命維持の水の大切さと飲み水へのこだわりは、人も動物も変わりません。

私達の身体に必要な水分はまずは失われた分を補給しなければなりません。
『飲料水として1200ml』『食事からは800ml』の水分を摂ります。
エネルギーとして使われるときに生じる水分を代謝水といいますが、
ちなみに2000kcalの食事では『約300mlの代謝水』ができるのでこれで合計2300mlの水分の補給になります。

このように水の出入りによって身体は体液の量やバランスを一定に保つように働いていますが、そのコントロールを担っているのが腎臓です。

腎臓には1分間に1・2ℓの血液が流れています。

腎臓の働きは
① 血液の濾過作用

② 老廃物の排出(たんぱく質が代謝されて生じた老廃物は腎臓でしか排出できません)

③ 水分・塩分の調節(血液のPHを弱アルカリ性に維持したり、血圧コントロールのサポートをします。)

④ ホルモンを作る(造血や血圧調整に関係するホルモンを産生し、不要なホルモンは分解します。)

身体に取り入れられた水分は腸で吸収され、血液に入って全身を循環しますが
水分不足は血液をドロドロにし、血管を詰まらせる病気を起こしやすくしますので
健康を維持するためにもくれぐれも定期的な水分摂取を心がけたいものです。

では次回も大切な水分のことをお伝えします。



身体は海

2009年08月08日 10時04分59秒 | Weblog
盛夏到来で少し夏バテ気味ではありませんか?

大変長らく更新できず申し訳ございませんでしたが、夏休みを迎えこの夏の健康情報を
また発信してまいりますのでどうぞよろしくお願いいたします。

1か月に1度のゲスト出演になりましたFM放送がちょうど昨日夕刻でした。

昨日の日中は気温が32度くらいと照りつける日差しがかなり強烈なものでした。この時期には熱中症の増加が深刻になりますが、水の取り方がとても重要です。

そこで昨日は『水』をテーマにお話しいたしました。

まず冒頭で「夏バテ」と言いましたが、これは水分摂取が大きく関与します。
私たちは暑いと汗をかくことで体温を調節しています。しかし、体内の水分量が減ることで血液量が減少し血圧は低下します。それは立ち上がった時にふらつくような立ちくらみを起こしやすくなります。
また細胞内の水分も減ることで集中力が欠けてやる気を失いがちになる状態、これが夏バテ症状です。

私たちの身体は約60兆の細胞からできていといわれますが、水のことで書籍も出されている内科、腎臓病学専門の飯野靖彦先生は次のようにおっしゃっています。

「体内の環境は大きく細胞内と細胞外に分けて考えると、細胞内は生命が誕生した太古の海とよく似た水分で満たされ、細胞外は淡水生活や陸上生活をするために、海から巣立っていった当時の海水とよく似ているということで、人間は身体の中に海を持っているといえるのです。」・・・私達の身体の中に海があるなんて神秘的ですね。
まさに私たちの身体の60%が水分ということも生命活動を営んでいくのにたいせつな役割をもっているのです。

① 水の分子は引き合う力があるので血液や組織液の流れを作ることができます。
② 体内の物質を溶かす作用があるので、栄養をとかして細胞に運んでくれます。
③ 体内の老廃物を外に排出できるのは、水の持つ運搬力と浸透圧の関係が関与します。

私達が水をおいしいと感じる温度は10度から15度くらいといわれていますが、あまり冷たい水は血管を収縮させて胃腸の働きを弱めることもありますので、特にこの時期の冷えすぎた水の飲みすぎには注意してください。

1日1.5リットルを目安に、
朝起きた時
食事の時
入浴前後
寝る前

などのタイミングにコップ1杯ずつを目安にとりましょう。

暑い時期に冷たい話はまだ続きます。
では近いうちにまた・・今日もいい汗を流して新鮮な水分補給を心がけてください。