健康塾通信

皆様がより健康であるための情報やご家庭でお手軽にできる健康法をお伝えいたします。

リンパ浮腫元年

2016年06月30日 20時56分34秒 | Weblog

去る6月24.25日、東京大学 伊藤国際学術センターにて

第40回日本リンパ学会総会が開催されました。

 

今回のテーマは                                             

 Immunology Meets with Lymphology for Fusion Scie

 

総会では、リンパ浮腫へのこれまでの推移と

新たな取り組みも拝聴できました。

 

ご存知のように、わが国は婦人科がん

術後のリンパ浮腫発症に対して、医療の現場では長い間取りざたされず

多くの患者様たちが、行き場がない状態でした。

 

国内には、リンパの会やあけぼの会など患者会が発足して、

それぞれに情報交換や、患者さん同士の拠り所となっていました。

 

このような時代を経て、2008年リンパ浮腫診療に対して、

予防教育のためのリンパ浮腫指導管理料の算定と

治療のための弾性着衣、弾性包帯が療養費扱いとなりました。

 

これは、多くの患者様たちには大きな進展となり、朗報であったにちがいありません。

まさに「リンパ浮腫元年」です。

 

さらに、2008年から8年が経過して、複合的治療に対して

1、 重症 200点 

2、 1以外 100点

このような治療料の新設が検討されているということです。

 

 今日で、6月も終わります。

梅雨明けはまだですが、どうやら明日からは気温の上昇も

予想されています。

さらに湿度も上がりますので

水分補給をして、暑さ対策をしていきましょう。

特に患者様たちは疲れや体調変化に気をつけ

特に発熱などによって、「蜂窩織炎(ほうかしきえん )」に要注意です。

 

 


リンパ浮腫・出会い

2016年06月02日 09時10分04秒 | Weblog

今朝は半袖では、少し肌寒さを感じます。

しかし、そよぐ風はすがすがしさを覚え、まさに風薫る季節です。。。

主婦としてはこのようなカラッとした日には、家の中の掃除や季節物の入れ替え

などなど。。。露入りまえの大忙しな諸々が。。。頭をよぎります。

 

さて、私事ですが。。。かれこれ22年前次男が小学校入学を機に

そろそろ開業をと考えていた時期、平成6年8月ころから準備をはじめ

初めての患者さまが婦人科がんの後遺症である

「続発性リンパ浮腫」でした。

当時、目黒区祐天寺でクリニックを開業していた故、幡井勉先生(当時東邦医大名誉教授)

からのご紹介でした。幡井先生は、専門学校時代の解剖学の特別講師でした。

鍼・灸・マッサージで開業をと臨んでいた私には全く予想外の出会いになりました。

あれから地道にリンパ浮腫セラピストとして、多くの患者様と

向き合ってまいりました。

 

先日のりんぱ浮腫講習会で、

改めて、日本におけるリンパ浮腫への取り組みが本格化したと感じました。

多くの患者様たちには、ようやく開かれた道筋になったのではと

思っています。

しかし、まだまだ課題は多いのが現状です。

ちなみに 

がん術後のリンパ浮腫の発生頻度ですが

全国51施設における乳がん術後1196例のうち

腋窩(えきか)リンパ節郭清を行った後54.0%(28.0%は重症)がリンパ浮腫を発症

さらにその20.6%が蜂窩織炎を合併していることが

多施設実態調査(北村班)済みです。

これにより、リンパ浮腫はがん術後の患者等で高い頻度での発症が明らかになりました。