高齢者と循環系 goo.gl/8188b8
— 古賀公子 (@biosu) 2017年10月25日 - 18:58
台風21号の爪痕を残したまま、新たに22号の発生で今後の進路も心配されています。
そして、今日の肌寒さから明日はまた気温の上昇ということで、まったく近頃の寒暖差には振り回されますね。
さて、今回は高齢者と循環調節についてお伝えいたします。
まず、安静時の血圧は、加齢と共に高くなる傾向があります。
WHO(世界保健機関)の基準では、最高血圧140mmHg以上あるいは
最低血圧90mmHg以上のいずれかに該当する場合を高血圧といいます。
高齢者では、最高血圧の上昇が著しいと言われていますが
それは、血管の伸展性が特に低下し、血管の弾力性も低下するので
血管抵抗が高くなるためです。
これは、血管を構成する血管壁の肥厚や、伸展性の少ないコラーゲンの増加や
内膜への脂肪の沈着が原因ということです。
血圧の変化で注意することは、
激しい運動やせき込み、大便時に一時的にいきむことなどは
血圧が急速に上昇します。
また、横になっている姿勢から急に立ち上がった時には
血液は身体の下半身に集まり、脳に行く動脈や、上腕の動脈の
拡張期血圧が、ごくわずかですが一過性に低下します。
成人では15~30秒以内に元の血圧に戻りますが、高齢者では
著しい血圧降下が起こりやすくなります。
これを起立性低血圧、立ちくらみといいます。
また、近頃では食後に起こる、食後性低血圧が注目され、高齢になるほど
その度合いが著しいと言われます。
更に、興奮しすぎは血圧が変化しますので、これは高齢者にかかわらず
注意したいものです。
10月中旬になりますが、近頃雨が続き気温も下がってきました。
そろそろ秋晴れが欲しいと感じる日々です。
先週など日中は汗ばむ陽気もありましたから
急な寒暖差によって自律神経が乱れ
免疫力の低下で体力を消耗することが起こります。
これを「寒暖差疲労」というそうです。
そこで、今回は高齢者と体温調節についてお伝えいたします。
私たちの身体は自律神経やホルモン系、体性神経系によって
体温が調節されています。
高齢者になると環境温の変化への敵応能力が低下して、
異常高温や寒波襲来のときなど、死亡率が高まるとも言われます。
寒い時に熱放散を防ぐ仕組みが低下して風邪を引きやすく、
低体温のため気道の炎症を起こしやすくなります。
これが、気管支や肺の炎症につながることもあるので
注意が必要です。
また、高温の環境では発汗の始まるまでの時間が長くなるので
暑さへの体温調節能力はかなり低下してきます。
これらのことから、以下を参考までに
・体温調節能力の低下を認識する。
・寒暖の厳しい環境を避けること。
・寒い時は衣服と栄養に気を使う。
・入浴後の湯冷めには特に注意する。
・暑い時に発汗を十分にして、水分も十分に摂取する。
・発汗の後の体温低下に注意する。
・飲酒後の血管拡張と体温低下に注意する。
ちなみに、38℃の高温環境下での発汗の調査で
45~57歳のグループは18~23歳のグループに比べて発汗のはじまるまでの時間が
2倍も長いという調査データーがあります。
参考文献(高齢者のからだと健康 佐藤昭夫 著 )
このように加齢による変化への認識と対応は大切なことですね。
お互いに寒暖差に気を付けて秋を楽しみたいものです。
神無月に入りました。
神無月の語源は諸説あるようですが、全国の神々が出雲大社の
大国主大神の元に集まり「すべてのもの縁を結びつける」という会議をするそうです。
その為、諸国に神々がいなくなるからだそうです。
今年も残り3か月、10月の神頼みは考えず、自力パワーで過ごしましょう!
さて、今回は高齢者と聴覚についてです。
加齢と共に耳が遠くなる、つまり聴覚の低下ですが、これを老人性難聴と呼びます。
高齢者では、特に高音域において聴力低下が著しく、補聴器の使用である程度
補うことができます。
聴力は30歳以降加齢と共に徐々に低下すると言われます。
平均寿命は延びていますが
意外と速い年齢から聴力も加齢変化していくのですね。
万が一、聴力低下を感じたらはっきり聞こえないと伝えることや、聞こえにくくなると
誤解を招くこともあります。
また、自分の声が大きくなりがちなので、他人への迷惑も考慮して必要によっては、
補聴器を使用することも考えなければなりません。