健康塾通信

皆様がより健康であるための情報やご家庭でお手軽にできる健康法をお伝えいたします。

植物の癒しとこわ~い毒

2008年06月29日 19時34分01秒 | Weblog
この季節さまざまな草木が見る目を楽しませ心を癒してくれています。

近くの民家に大きく伸びた夾竹桃(キョウチクトウ)の木が有ります。細くとがった竹のような葉を持ちその花は白や濃いピンクの桃の花に似た美しい花を咲かせます。
夾竹桃は公害や乾燥に強いので公園や街路樹などで見かけますがこの花や葉、枝などに毒があることはあまり知られていません。

この植物はミフクラギ(目膨木)といわれることもあり、その樹液に毒があって目などに入ると腫れるということです。
過去にはフランスでバーベキューにこの枝を串代わりに使用して、11人中7人の死亡事故が発生しています。
この有毒成分の中の『強心配糖体』は心臓に作用し、心不全の薬剤に似た効果がある反面、健康の人の体内に入ると心臓に負担かけて事故につながってしまいますので、要注意です。

梅雨どきを代表するお花といえば「アジサイ」ですが、その美しい色のグラデーションは梅雨空にも映えて落ち着いた安らぎを与えてくれています。

しかし最近、飲食店でお料理に添えて出したアジサイの葉を食べてしまった8人が食中毒症状を起こしたというニュースを聞きました。
アジサイには「青酸配糖体」と呼ばれる有毒成分が含まれていて、胃の中の消化酵素と反応することで、青酸(シアン)が生成され、中毒症状を引き起こすということです。

この他にも多くの植物や、お部屋に置かれた観葉植物などにも有毒なものが有ります。
ここで紹介させていただくのは、ほんの一部では有りますが参考までに身近に有りましたら小さいお子様などの誤飲などにご注意ください。


*あさがお
これからの季節に子供たちの観察日記にも登場する「あさがお」
毒名はファルビチンといい毒のある部分は種子です。
症状は下痢・腹痛などをおこすそうです。


*エニシダ
英語ではBroom(ほうき)といって、むかしほおきのような「エニシダ」の枝に魔女が乗って、夜空を飛んだという伝説があります。
毒名はスパツテイン・ サロタミン ・ ゲニスティンで毒のある部分は全草(特に葉枝・種子)です。
症状は嘔吐・悪心・視覚異常・痙攣(けいれん)・皮膚炎をおこします。


*スズラン
白く鈴のような可憐な花をつける「スズラン」
毒名はコンバラトキシン・コンバロシドで毒のある部分は全草(特に花と根)でスズランを活けた水を飲んでも
中毒を起こすそうです。症状は嘔吐・悪心・視覚異常・血圧低下・心臓麻痺・心不全・頭痛です。


*ナンテン
葉は防腐効果があるので、料理のつけ添えやお赤飯の上に乗せられたり、またナンテンのど飴のように果実には咳止めの効果もあります。葉は胃腸,脱肛,眼病あるいは歯の痛みをおさえる薬として使用されています。
毒名はドメスチン(実)・サンジニン(葉)で毒のある部分は実・葉で
症状は実は知覚と運動麻痺(まひ)、葉は大脳と呼吸中枢の麻痺・興奮をおこします。


*ホウズキ
ナス科に属しますが、漢方で生薬(酸漿さんしょう)として使われています。
毒名はソラニン・アトロピンで毒のある部分は未熟な実・葉で
症状は嘔吐・頭痛・腹痛・中枢抑制・呼吸困難をおこします。


*トリカブト
園芸用に栽培されていますが、この名前を聞いただけで毒があることはご存知の方が
多いと思います。でも漢方では鎮痛、強壮、新陳代謝機能亢進などの目的で八味地黄丸、真武湯、四逆湯などに配合されています。生薬はウズ(烏頭)、ブシ(附子)といわれます。
毒成分はアコニチン、塊根にはアルカロイドが含まれ猛毒です。


このように植物には毒にも薬にもなるものが多く存在します。
前回もご紹介した人物ですが、その昔日本でも方々を旅しながら薬草を求め、自らその効能を体験したり、人々の生活の中で体得され発見された植物の毒と薬を研究した貝原益兼と言う『本草学者』がいます。

現在も世界の秘境にはこうして薬草を求め、医療の施されない人々のお役に立っている方がたもいらっしゃいます。

私たちも古人の知恵を学び、危険を知って植物の癒しを生活に活かして行きたいと思います。




知られざるドクダミのパワー

2008年06月19日 11時39分11秒 | Weblog
我が家には今年もたくさんの「ドクダミ」が大地を這うように咲きました。
葉っぱは独特の香りがしますが、何といっても薬草ですから雑草のようにむしりとらないでそのまま繁殖に任せています。
何とも白い花がかわいらしく清潔感もあり、あたり一面咲いている様子もいいものです。
私は一輪ざしなどにいけて洗面所などに置いたりこの自然の贈り物を有効活用させてもらっています。

でも実際白いお花と思っているのは花弁ではなく、総苞片(そうほうへん)と呼ばれる器官だそうで中心の黄色く細長い部分が小さい花の集合体だということです。

湿った日陰に根を張ってはびこるのであまり気に留めない方も多く、雑草のように引き抜かれてしまうことも多いようですが、ドクダミの凄いのはその生命力と多くの効能です。

江戸時代の本草学者、儒学者として知られる貝原益軒(かいばらえきけん)は「大和本草」という著書の中に「十種の薬の能ありて十薬となす」と書かれていますが、漢方では『十薬』といわれて十種を越す効能があるということです。


ドクダミのすばらしい薬効や効能を調べてみました。

①排便を促す緩下作用と余分な水分を排泄する利尿効果があるので体内の老廃物を除去する作用(解毒)があります。

②毛細血管を強くする作用があります。

③カリウム塩を含んでいるので神経細胞や筋肉組織を活性化する働きが有ります。

④皮膚表面の汗腺の調節に効果があり、自律神経をコントロールする働きが有ります。

⑤抗菌作用があります。

⑥消炎作用があります。

⑦血液循環を改善します。



*煎じて飲料すると次のような病にも効果があります。

便秘症・風邪・高血圧・肩こり・耳鳴り・胸の痛み・胃酸過多・のぼせ・冷え性・動脈硬化など

*ドクダミの葉や茎をすり潰した青汁を塗ると

切り傷・オデキ・にきび・水虫・皮膚病・蓄膿症などに効果があるといわれます。


*ドクダミを使った製品

ドクダミ茶、ドクダミワイン、ドクダミハニー、ドクダミ入ドリンク、ドクダミ化粧品、ドクダミ石鹸、ドクダミ薬湯などがあります。


*乾燥ドクダミを作りおきして活用する方法
 
①きれいに洗って土やゴミなどを洗い流す。
②良く水気を切って少しずつ束にして風通しの良いところで根元をつるして乾かします。
③3日以上たって良く乾燥したら適当な大きさに切って密封容器(空き缶や空き瓶)
に乾燥剤などを入れて保存します。

乾燥したドクダミはお茶として煎じて飲んだり(水600mlに対して15g)また50gくらいを木綿袋に入れてお風呂に入れてドクダミ風呂で冷え性対策や美肌効果に。
お風呂は良く洗った生のどくだみの葉や茎を木綿袋に入れてそのまま水からお風呂を沸かし湯船に浮かべたまま入浴することも出来ます。

ただし乾燥するとあの独特の香はが消えますが抗菌・殺菌作用もなくなりますので傷などには生の葉を使ってください。


さあ、もし身近なところでドクダミを見つけましたら、凄い薬効のある生命力豊かな薬草を持ち帰り、栽培してみてはいかがですか?



「リンパ浮腫」治療と保険適用に取り組んで

2008年06月12日 15時48分05秒 | Weblog
皆さん、いつも健康塾通信をお読み頂き有難うございます。

私の主宰する「健康塾」は、昨年6月6日に「10周年記念講演会」を開催いたしました。あれから1年、皆様の更なるご健康を祈願してブログも発信してまいりました。

以前にもご紹介いたしましたが、私は健康体操を教える傍ら、鍼灸・リンパ浮腫治療にかかわり20年以上になりました。

今回は「リンパ浮腫」の保険適用の取り組みについて、活動の記憶を記したいと思います。


さて第32回『日本リンパ学会総会』の一環で6月8日日曜日、慶應義塾大学医学部信濃町キャンパス北里記念講堂にて「リンパ浮腫治療の保険適用を受けて」の公開講座が開かれました。

関係者の皆様はすでにご存知の方もいらっしゃるかと思いますが、今年4月より長い間の祈願でありました「リンパ浮腫指導管理料」および「四肢のリンパ浮腫治療のための弾性着衣等に係る療養費」の保険適用が認められました。

現在10万人を超すといわれている患者さんたちには朗報であると共にこれまで全国にある患者会のグループが長年かけて取り組んできた努力がようやく認められた喜ばしい結果です。

私も縁あってリンパ浮腫の治療をさせていただくようになり、浮腫が一度発症すると生涯療法となり、患者さんの体の負担に加え、圧迫療法に使うバンテージやストッキングなどが主にドイツ製で高価なため経済的な負担も加わってくることを実感いたしました。

そして平成10年4月、「リンパの会」という患者会の総会でリンパドレナージの講演とデモンストレーションをさせていただいたのをご縁に当時の会長と共に保険適用の運動に協力させていただきました。

そんなわけで、「保険適用」の決定は私にとってもほんの少しではありますがこの歴史の一端を担うことの出来た喜びでもありました。

リンパの会としてはこれまでも保険適用の署名を集めたりした経緯もある中で、私は当時白血病患者さんのための「さい帯血移植」で病を克服したある高校生の母親が「さい帯血バンク支援ボランティアの会」を作って全国に署名運動などを行っていたことを知りました。
白血病患者さんにとって骨髄移植という方法はドナーの方の負担の大きさからもなかなか提供者が現れないことが実情なのですが、以前からアメリカなどで白血病患者への「さい帯血移植」が成功している実例がありました。

さい帯血は正常の分娩が行われた後処分されるものですので、これを公的バンクとして設立することで多くの白血病患者さんの救済処置になると、ボランティアの会が公明党議員さんの協力を受けながら推進していたのです。

私はその関係者から当時、静脈疾患の患者さんのために治療用のストッキングの保険適用を推進している板橋区の女性議員さんを紹介していただき、区議会の代表質問なども拝聴いたしました。

またそのご縁で、まずはお医者さんの立場からのお考えをお聞きしようと、婦人科医と整形外科医の先生をご紹介していただきました。

そして、整形外科医をお尋ねした時に腰痛患者さんが療養費払いでコルセットを購入していることに気がつきました。また、鍼灸・マッサージの分野でも「脳出血等による片麻痺」や「骨折や手術後のリハビリ」等専門医の監督下で受ける治療は療養費の受給の対象になることがわかっていました。

リンパ浮腫の患者さんにとって圧迫療法やマッサージが療養費の扱いになることは、生涯療法の必要性からも経済的な負担の軽減になると思いました。

そこで、まずはリンパ浮腫という症状を理解していただき「療養費扱い」への御願いをするために、リンパの会会長はじめ患者さんを同行して参議院会館の浜四津敏子議員を訪ねました。記録によると1回目の訪問は平成10年7月23日でした。

ここでは患者さんが持参した圧迫用の弾性ストッキングを見ていただき、患者さんが自ら脚のリンパ浮腫の状態を訴えました。

その後も患者さんと参議院会館に同行し、当時の秘書さんとは私が連絡の窓口となり「療養費」についての説明や資料などを送っていただきました。

そして8ヶ月以上経過したでしょうか。3月中旬に私の自宅には浜四津事務所からのFAXで厚生省保健局医療課からの前向きな検討内容が送られてきました。更に平成11年4月6日付けで『療養費の支給対象』ということで、厚生省から回答が来たことを知らされました。
これを受けて12日私たちは参議院会館を訪問し詳細の説明を受け、4月13日の公明新聞にはこの朗報が伝えられました。

しかしその6ヵ月後、美容目的との区別や症状のばらつきなどを理由にあっけなく取り下げになりました。

その後は進展のないまま年が変わり、浜四津さんは「署名運動」は患者さんの負担が大きいので直接厚生省に申し入れをすることをご提案くださいました。

そして4月11日、浜四津さんと患者会の方と共に厚生省の大野由利子総括政務次官を訪ねました。この日は医師である渡辺孝男参議院議員も同席してくださり、患者さんの訴えを聞いてくださいました。

大野さんや、厚生省保険局の担当者からも「マッサージや圧迫療法などの有効性を調査(国立がんセンターへ依頼)して保険適用に向け全力を挙げて努力したい。」というお話を頂きました。(2000年4月13日公明新聞抜粋)

そして昨年、浜四津さんが参議院予算委員会の代表者質問で厚生労働省舛添さんに「リンパ浮腫療法の保険適用」について患者さんの訴えを質問してくださいました。

また10月以降に、松尾循環器クリニックの院長でありリンパ浮腫治療研究会代表世話人の松尾汎先生を筆頭とする多くのボランティアの皆様が、全国にむけて推進された厚生労働省と医師会に向けての署名運動の結果、今年4月の保険適用に発展いたしました。


あれから10年いえその以前から長い間あきらめずにご尽力くださいました多くの皆様の努力が今回実ったわけです。

今後も患者さんたちにとって更に良い体制ができることを願いたいと思います。

中性脂肪を減らすには?

2008年06月01日 11時39分33秒 | Weblog
さあ今日から6月です。もうすぐ梅雨シーズン突入でしょうか。最近の日照不足で、できればもう少し太陽の恵みを頂きたいところです。

さて昨日に続いて今日は中性脂肪対策をお伝えしてまいります。

①食べすぎは厳禁です。
でも極端に食事の量を減らしたり食事の間隔をあけることは飢餓に備えて体内に取り込まれた栄養を蓄えようとして体脂肪が増えるので逆効果です。

②自分にとって適度な食事の量を規則正しく摂る様にする事が大切です。

③アルコールはほどほどに!
 アルコールは肝臓で中性脂肪の合成をアップさせるので 血液中にも増える原因になります。

④高カロリー食に注意! 

・果物に含まれる加糖や、お菓子や清涼飲料に使われている砂糖(ショ糖)などの単糖質は中性脂肪に変わりやすいのです。

・油料理は控えめに、調理法を工夫しましょう。揚げ物を網焼きなどに変えるのもいいと思います。

・肉食は部位を考えて、できるだけ低カロリーな赤身などにします。
 
・青魚をふやすことで、青魚の脂肪にはエイコサペンタエン酸(EPA)、ドコサヘキサエン酸(DHA)が含まれ、これらの脂肪酸は肝臓で脂肪の合成を抑え、血中の中性脂肪を下げて血栓防止や動脈硬化の予防につながります。
 
 *エイコサペンタエン酸(EPA)を含む魚は
 はまち・いわし・さば・にしん・ぶり

 *ドコサヘキサエン酸(DHA)を含む魚は
 ほんまぐろ・ぶり・さば・はまち・まだい・きんき・うなぎ(蒲焼)・さんま
 ・あじ

⑤食物繊維を摂るようにしましょう。
 海藻やきのこ類などは食物繊維を含み、腸内で中性脂肪や糖質をとりまとめて排泄しようと働いてくれます。

⑥野菜を1日300グラムを目標に撮りましょう。
 野菜の中にはビタミンやミネラルが含まれていて体の代謝を促して血管の老化を防ぐ働きが有ります。

⑦夕食は食べ過ぎに注意、間食・夜食はやめましょう。
 夜間はエネルギーを使わないので体内で糖が脂肪に変わって中性脂肪が高くなりやすいのです。


中性脂肪を減らすにはこのように食生活を基本として運動の持続(有酸素運動や筋トレなど)など生活の見直しをしていきましょう。


内臓脂肪は適度にあると血糖値を下げたり、血栓を出来ずらくする「アディポネクチン」という物質を作ってくれるのだそうです。しかし、内臓脂肪が増えすぎるとこの物質が減ってしまいメタボ等を進行させる悪い物質を作ってしまうのです。

生活習慣病も初期の癌も自覚症状はほとんどないので、定期的な健診が重要なのです。

今、増え続けている生活習慣病により医療費も増大していますが、病になってからの個人の負担も大きいものが有ります。

たとえば心臓の血管を広げるために入れる「ステント」は何と1本100万円といわれ、今や慢性透析患者で国民の1/500が透析を受けていて、そのうち糖尿病性腎症からの発症が43%といわれます。更に透析には年500~600万円がかかるということです。

もはや、自分の身は自分で守るための「転ばぬ先の杖」として定期的な健診の大切さを見直したいと思います。