徒然日記

街の小児科医のつれづれ日記です。

スギ花粉症の季節到来!〜まずは自己防衛策を〜

2025年01月31日 05時55分30秒 | 小児科診療
私自身、スギ花粉症患者です。
外で活動すると、目がしょぼしょぼしてきますので、既に花粉が飛んでいることを感じています。

一般的な治療は抗アレルギー薬の内服ですが、眠くなって困るという人が一定数います。
また、添付文書(トリセツ)に「車の運転に注意」と書かれている薬も複数あり、処方しにくいのが現実です。
その中でも「眠くなりにくく車の運転制限もない」薬には以下のものがあります:
・フェキソフェナジン(アレグラ®)
・ロラタジン(クラリチン®)
・ビラスチン(ビラノア®)
当院では漢方薬をお勧めしています。眠くなる成分が入っておらず、逆に目がさえるので受験生などには好評です。
・小青竜湯(19)
・葛根湯加川芎辛夷(2)
・越婢加朮湯(28)
など。
抗アレルギー薬では効果が期待できない「目のかゆみ」や「だるさ、頭痛、熱っぽい感じ」等にも有効な漢方薬があります。

そして抗アレルギー薬と漢方薬の併用が最強の組み合わせです。抗アレルギー薬の眠気を漢方で消して、高価2倍!
当院ではこれを実行している患者さんが多いですね。

され、この項目では薬を飲む以外で、その前に出来ることをまとめてみました。

<自己防衛策いろいろ>
1.花粉情報に注意し、花粉の飛散が多い時の外出を控える。
2.外出時にマスクやメガネを着用する。
・帽子をかぶれば3分の1ほどにまで減らせる。
3.表面が毛羽立った毛織物などのコートの着用は避け、帰宅後は玄関で衣服や髪をよく払う。
・衣服には静電気防止スプレーを。
・帰宅時のウールのコートに付着した花粉の量は、およそ3万個。その多くが前面と背面に付いている。そこを軽く3回手で払うだけで1万個以下にまで減らせる。
・髪の毛にも花粉は付着しやすいが、これも手で払うだけで半数近くにまで減らすことができる。
4.ふとんや洗濯物の外干しは避ける。
・外に干した洗濯物や布団にも花粉が付いてくる。手で払うだけで最大65パーセントまで減らすことが可能。
5.掃除をこまめに行い、特に窓際は念入りに掃除する。
・外から持ち込む花粉は、じつは家庭内の花粉の4割ほどで、6割は外から勝手に入ってくる。家の中の花粉の55パーセントは、窓を開けて換気したときに浸入し、床に落ちて溜まっている。窓を開けるときは10センチメートルほどにする。網戸やカーテンを閉める。
・窓を全開にした場合の花粉浸入率を見ると、全開時を100パーセントとすると、網戸を閉めれば約27パーセント減少し、レースのカーテンを閉めれば約50パーセント減少する。カーテンに花粉が付着することもあるので、静電気防止スプレーをしておくとよい。
6.アルコールやタバコは悪化因子なので控える。


▢ 花粉早くも飛散中!花粉症を重症化させないためにすべき5つのこと 
2025/01/27:読売新聞)より一部抜粋(下線は私が引きました);
 東京では早くも、花粉症の原因とされるスギ花粉の飛散が観測されています。都によると、飛散開始日は1月8日で、1985年の調査開始以来、最も早い飛散となりました。いまや日本人の3人に1人が悩んでいると言われる花粉症。これから2月、3月と花粉が多くなる季節に、仕事や勉強のパフォーマンスを維持するためには、どんなことに気をつけたらいいのでしょうか。専門医に聞いてみました。
 くしゃみ・鼻水・鼻づまりに加えて、目のかゆみや充血、せき、喉や皮膚のかゆみ、だるさ、頭痛、熱っぽい感じなど、花粉症ではさまざまな症状がみられます。鼻から体内に侵入してきた花粉(抗原)を異物と認識し、これを排除しようとして過剰な免疫反応(アレルギー)が起きてしまうためと考えられています。・・・

▶ 仕事・勉強への影響度をセルフチェック
 耳鼻咽喉科医で、埼玉医大東洋医学科非常勤講師の齋藤晶さんは、「花粉症は、早めの対策で重症化させないことが大切です」と話します。前年に少しでも症状が出た人は、花粉がたくさん飛散する前から治療を始めると重症化を防ぐことができます。
 日本耳鼻咽喉科 頭頸部外科学会では2024年から、「 花粉症重症化ゼロ作戦 」をスタート。ウェブサイト上に花粉症によるパフォーマンス低下度をセルフチェックできるコーナーなどを設けて、早めの受診を呼びかけています。
 くしゃみ、鼻水、鼻づまりや喉の症状が強い場合は耳鼻咽喉科を、目の症状が中心の場合は眼科を、せきがひどい場合は内科を、アトピーなど他のアレルギー症状を併発している場合はアレルギー科を受診するとよいそうです。
 花粉症と風邪は症状がよく似ていますが、花粉症は鼻水がサラサラして水っぽいことや、目の症状があることが特徴です。風邪と花粉症は同時にかかることもあります。また、風邪をひいている時は、花粉症の症状が出やすくなるので要注意です。

▶ 治療薬の主流は…
 齋藤さんは「『薬は眠くなるから飲みたくない』という方もいますが、症状のごく軽い時から薬を予防的に服用することで、症状の発現を遅らせたり、症状をより軽くしたりすることが期待できます」と話します。治療薬の主流は、眠くなりにくい「第2世代抗ヒスタミン薬」です。薬局で市販薬を選ぶ場合も、仕事中の眠気が気になる人は「第2世代抗ヒスタミン薬」を選ぶとよいといいます。
 漢方薬も選択肢の一つです。漢方薬には眠くなる成分が入っていないためです。花粉症や花粉症に伴う症状には、 小青竜湯 、 辛夷清肺湯 、 葛根湯加川芎辛夷、葛根湯などがよく用いられます。ただし、冷えの有無などその人の体質と症状に合ったものを選ぶ必要があるほか、薬の効果を十分に得るためには2週間程度かかるので、「重症化してからではなく、早めに医師に相談することが大切です」と齋藤さんは強調します。
 症状を軽減し、重症化を防ぐには、花粉とできるだけ接触しないようにすることも大切です。具体的には、〈1〉花粉情報に注意し、花粉の飛散が多い時の外出を控える
〈2〉外出時にマスクやメガネを着用する
〈3〉表面が毛羽立った毛織物などのコートの着用は避け、帰宅後は玄関で衣服や髪をよく払う
〈4〉ふとんや洗濯物の外干しは避ける
〈5〉掃除をこまめに行い、特に窓際は念入りに掃除する
――などが挙げられます。
 また、アルコールやたばこは、血管を拡張させたり鼻の粘膜を刺激したりして、鼻づまりを悪化させるので、花粉の季節は、お酒の飲み過ぎや喫煙、受動喫煙を避けること。さらには、十分に睡眠を取り、乳酸菌やビフィズス菌などを積極的に取り入れて腸内環境を整え、免疫力を高めるなど、日常生活の改善に努めたいものです。・・・

<参考サイト>
花粉症重症化ゼロ作戦(日本耳鼻咽喉科 頭頸部外科学会)  
▽ 環境省「花粉症環境保健マニュアル2022


▢ 例年より早くて多いスギ花粉 家庭での効果的な花粉対策
2025/1/29:Forbes Japan)より一部抜粋(下線は私が引きました);

 今年のスギ花粉の飛散は例年よりも早く、ピーク時の飛散量も多いそうだ。そう聞いただけで鼻がムズムズしてくる。早めに薬を飲み始めて、外出時はマスクをして花粉が付きにくい服装を心がけるなど、この時期のお約束を早くも発動する状況となったが、家の中の対策はどうだろう。
  花王は、生活に関するさまざまなお役立ち情報を提供するサイト「My Kao くらしラボ 」にて、花王の調査データをもとにした簡単にできる家庭でのスギ花粉対策を提案している。そもそも家の中に花粉が入り込む原因は、人が持ち込むものと、外から勝手に入ってくるものとに分けられる人が持ち込むのは、衣服や髪の毛、外干しの洗濯物や布団に付着したものだ。 帰宅時、玄関で髪の毛や衣服からパタパタと花粉を払い落とすのは花粉の時期の常識になっている。花王の調査では、帰宅時のウールのコートに付着した花粉の量は、およそ3万個。その多くが前面と背面に付いている。そこを軽く3回手で払うだけで1万個以下にまで減らせるとのこと。 髪の毛にも花粉は付着しやすいが、これも手で払うだけで半数近くにまで減らすことができる。髪の長い人は、髪をまとめるだけでも付着量を減らせるし、さらに帽子をかぶれば3分の1ほどにまで減らせる外に干した洗濯物や布団にも花粉が付いてくる。室内干しがもっとも安全なのだが、やっぱり、天気のいい日には外に干したい。幸い、これも手で払うだけで最大65パーセントまで減らすことが可能だ。


▶ 家の中の花粉の多くは勝手に入ってくる

 これらの外から持ち込む花粉は、じつは家庭内の花粉の4割ほどで、6割は外から勝手に入ってくるヤツだ。家の中の花粉の55パーセントは、窓を開けて換気したときに浸入し、床に落ちて溜まっている。だから、そこを歩くごとに花粉が舞い上がり、床に座れば途端にクシャミが出るというわけだ。こまめに床掃除ができればいいが、なかなか難しい。そこで花王は、花粉の時期の上手な換気方法を指南している。 まず、窓を開けるときは10センチメートルほどにすること。また、網戸やカーテンを閉めることが重要だ。窓を全開にした場合の花粉浸入率を見ると、全開時を100パーセントとすると、網戸を閉めれば約27パーセント減少し、レースのカーテンを閉めれば約50パーセント減少するカーテンに花粉が付着することもあるので、静電気防止スプレーをしておくとよいとのことだ。 花粉症は、アレルゲンが似ているほかのアレルギーを誘発することがある。だから、花粉などのアレルゲンはできるかぎり体に入れないことが重要だ。薬を飲んで症状が治まったとしても、こうした花粉を減らす対策は続けたい。





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