ワクチンを巡る賛否両論はアメリカでも喧々ガクガク状態のようです。
私はワクチンに対する評価は絶対的ではなく、その社会、その時代で異なる相対的なものと感じています。
この記事から、あなたは何を読み取りますか?
※ 下線は私が引きました。
■ ワクチン接種選択の自由めぐる攻防 集団免疫失われる危険も 米
(2018年2月6日:AFP)
カイロプラクターのジョー・アカーソ(Joe Accurso)さん(47)は、娘にポリオ、麻疹(はしか)、百日ぜきの予防接種を受けさせないことにした。病気になっても危険ではなく、娘にとってはむしろ良いことかもしれないと考えたからだという。
アカーソさんはAFPに語った。「娘が水痘(水ぼうそう)になる機会がなくて実際、がっかりしています。病気になれば、この先、体が丈夫になりますから。これが大きな理由です」
アカーソさんと理学療法士の妻キャシー(Cathy)さんは単なる「ワクチン反対派」ではない。自らを「ワクチンの選択の自由」を信じる積極的少数派と見なしている。
こうした親の多くは白人、上流中産階級の高学歴者で、かつて世界中で年間何百万人もの子どもの命を奪っていた病気の予防接種を自分の子どもに受けさせない選択をしている。
こうした親たちは、これらの病気はワクチンよりはましだと主張し、ワクチンの危険性が製薬産業の営利の名の下で世間に公表されていないと信じている。こうした信念は、今や先進国で多数の人々の間に広がっている。
親たちが振り回されているものには、医療関係の内部告発者を名乗る人々の情報もある。こうした人々が唱えているのは、ワクチンの効力を示すデータは歪曲されており、ワクチンによる健康被害は増加している、ワクチンには怪しげな成分が密かに含まれている、という説だ。
米疾病対策センター(CDC)によると、米国では特定の地域で集団発生する麻疹は2000年に根絶し、全国的にみると、近年、予防接種を受けていない幼稚園児は約2%のみとなっている。
だが危険なのは、大人数の集団が予防接種を受けず、その地域の「集団免疫」が失われる場合だ。
例えばミネソタ州のソマリア系米国人のコミュニティーでは、麻疹、流行性耳下腺炎(おたふくかぜ)、風疹の新3種混合(MMR)ワクチンの予防接種を受けた子どもの割合が、2004年の92%から2014年には42%へと急減した。
◇ 根絶したはずの麻疹再び…危険は赤ちゃんと高齢者へ
その結果、CDCによると、2017年には予防接種を受けていないソマリア系の子どもたちを中心に65例の麻疹症例が確認され、全米での年間120例のうち、最大で単一の集団発生となった。
1998年、反ワクチン運動の活動家、英国人のアンドルー・ウェークフィールド(Andrew Wakefield)氏がMMRワクチンが自閉症を引き起こすとする論文を発表したことで不安が広がった。のちにこの論文はねつ造だったことが判明したが、ウェークフィールド氏は2010年と2011年に地元のソマリア人コミュニティーと会合を持っている。
麻疹は難聴、失明、脳浮腫、肺炎を起こし得る。CDCによると、麻疹にかかった子ども1000人のうち1~2人が死亡する。
米国における最近の麻疹の流行は2014年、米オハイオ州のキリスト教の一派アーミッシュ(Amish)のコミュニティーで発生したもので、383例が確認された。また2015年には、カリフォルニア州のディズニーランド(Disneyland)の来場者から感染が広がったと思われる流行が発生し、全米で188例が報告された。
アリゾナ州の小児科医ティム・ジャックス(Tim Jacks)氏は、「私たちはカプセルのようなものの中で暮らしているわけではありません。店に食料を買いに行ったり、教会や公園に行ったりして人とやりとりすれば、自分を人にさらすことになる」と語る。「そうすると、誰が最も危険にさらされるか。それは(ウイルスから)身を守れない新生児たちがいる家族。そして、その子のおばあちゃんたちです」
テキサス子ども病院ワクチン開発センター(Texas Children's Hospital Center for Vaccine Development)代表のピーター・ホッテズ(Peter Hotez)氏はAFPに、問題を解決するには、現在18州でワクチン接種に関して個人による選択制が認められているが、その制度をなくすための法整備と、科学者らによる取り組みが必要だと語る。
カリフォルニアのディズニーランドでの麻疹の流行後、同州では法律を改正し、就学児に対して医学的原因による免除以外が認められなくなり、その結果、予防接種件数は上昇した。
「(ワクチン接種を拒むのは)もはや小さなカルト集団の話ではなく、よく組織された運動」だとホッテズ氏は指摘する。「そうした運動に直接、働き掛ける必要があるのです」
「集団免疫」が損なわれると、犠牲になるのは免疫弱者(病気を抱える人、乳幼児、高齢者)です。
そこまで考えが及ぶかどうかは、その人の資質・人格に関わること。
「自分の子どもは健康だから自然に罹って強い免疫をつけた方がよい」という考え方は、自然淘汰〜弱き者を排除する思想に近いのではないでしょうか。
私はワクチンに対する評価は絶対的ではなく、その社会、その時代で異なる相対的なものと感じています。
この記事から、あなたは何を読み取りますか?
※ 下線は私が引きました。
■ ワクチン接種選択の自由めぐる攻防 集団免疫失われる危険も 米
(2018年2月6日:AFP)
カイロプラクターのジョー・アカーソ(Joe Accurso)さん(47)は、娘にポリオ、麻疹(はしか)、百日ぜきの予防接種を受けさせないことにした。病気になっても危険ではなく、娘にとってはむしろ良いことかもしれないと考えたからだという。
アカーソさんはAFPに語った。「娘が水痘(水ぼうそう)になる機会がなくて実際、がっかりしています。病気になれば、この先、体が丈夫になりますから。これが大きな理由です」
アカーソさんと理学療法士の妻キャシー(Cathy)さんは単なる「ワクチン反対派」ではない。自らを「ワクチンの選択の自由」を信じる積極的少数派と見なしている。
こうした親の多くは白人、上流中産階級の高学歴者で、かつて世界中で年間何百万人もの子どもの命を奪っていた病気の予防接種を自分の子どもに受けさせない選択をしている。
こうした親たちは、これらの病気はワクチンよりはましだと主張し、ワクチンの危険性が製薬産業の営利の名の下で世間に公表されていないと信じている。こうした信念は、今や先進国で多数の人々の間に広がっている。
親たちが振り回されているものには、医療関係の内部告発者を名乗る人々の情報もある。こうした人々が唱えているのは、ワクチンの効力を示すデータは歪曲されており、ワクチンによる健康被害は増加している、ワクチンには怪しげな成分が密かに含まれている、という説だ。
米疾病対策センター(CDC)によると、米国では特定の地域で集団発生する麻疹は2000年に根絶し、全国的にみると、近年、予防接種を受けていない幼稚園児は約2%のみとなっている。
だが危険なのは、大人数の集団が予防接種を受けず、その地域の「集団免疫」が失われる場合だ。
例えばミネソタ州のソマリア系米国人のコミュニティーでは、麻疹、流行性耳下腺炎(おたふくかぜ)、風疹の新3種混合(MMR)ワクチンの予防接種を受けた子どもの割合が、2004年の92%から2014年には42%へと急減した。
◇ 根絶したはずの麻疹再び…危険は赤ちゃんと高齢者へ
その結果、CDCによると、2017年には予防接種を受けていないソマリア系の子どもたちを中心に65例の麻疹症例が確認され、全米での年間120例のうち、最大で単一の集団発生となった。
1998年、反ワクチン運動の活動家、英国人のアンドルー・ウェークフィールド(Andrew Wakefield)氏がMMRワクチンが自閉症を引き起こすとする論文を発表したことで不安が広がった。のちにこの論文はねつ造だったことが判明したが、ウェークフィールド氏は2010年と2011年に地元のソマリア人コミュニティーと会合を持っている。
麻疹は難聴、失明、脳浮腫、肺炎を起こし得る。CDCによると、麻疹にかかった子ども1000人のうち1~2人が死亡する。
米国における最近の麻疹の流行は2014年、米オハイオ州のキリスト教の一派アーミッシュ(Amish)のコミュニティーで発生したもので、383例が確認された。また2015年には、カリフォルニア州のディズニーランド(Disneyland)の来場者から感染が広がったと思われる流行が発生し、全米で188例が報告された。
アリゾナ州の小児科医ティム・ジャックス(Tim Jacks)氏は、「私たちはカプセルのようなものの中で暮らしているわけではありません。店に食料を買いに行ったり、教会や公園に行ったりして人とやりとりすれば、自分を人にさらすことになる」と語る。「そうすると、誰が最も危険にさらされるか。それは(ウイルスから)身を守れない新生児たちがいる家族。そして、その子のおばあちゃんたちです」
テキサス子ども病院ワクチン開発センター(Texas Children's Hospital Center for Vaccine Development)代表のピーター・ホッテズ(Peter Hotez)氏はAFPに、問題を解決するには、現在18州でワクチン接種に関して個人による選択制が認められているが、その制度をなくすための法整備と、科学者らによる取り組みが必要だと語る。
カリフォルニアのディズニーランドでの麻疹の流行後、同州では法律を改正し、就学児に対して医学的原因による免除以外が認められなくなり、その結果、予防接種件数は上昇した。
「(ワクチン接種を拒むのは)もはや小さなカルト集団の話ではなく、よく組織された運動」だとホッテズ氏は指摘する。「そうした運動に直接、働き掛ける必要があるのです」
「集団免疫」が損なわれると、犠牲になるのは免疫弱者(病気を抱える人、乳幼児、高齢者)です。
そこまで考えが及ぶかどうかは、その人の資質・人格に関わること。
「自分の子どもは健康だから自然に罹って強い免疫をつけた方がよい」という考え方は、自然淘汰〜弱き者を排除する思想に近いのではないでしょうか。