徒然日記

街の小児科医のつれづれ日記です。

花粉症シーズン到来!

2013年02月11日 07時37分21秒 | 小児科診療
 いよいよスギ花粉症シーズンがはじまり、受診する患者さんも増えてきました;

スギ花粉 本格的な飛散始まる(2013年2月8日 NHK)
 西日本と東日本で一定量のスギ花粉が飛んだのが観測され、環境省は8日、国内で花粉の飛散が本格的に始まったと発表しました。
 環境省は、スギ花粉の本格的な飛散の開始について、1平方センチメートルの平面上に、1個以上の花粉が2日連続で観測された場合と位置づけています。
 この条件に相当する量のスギ花粉が飛んだことが9つの県で確認され、環境省は8日、国内で花粉の飛散が本格的に始まったと発表しました。本格的な花粉の飛散が確認されたのは福岡県、長崎県、大分県、山口県、島根県、愛媛県、高知県、静岡県、千葉県です。
 また、ことし、全国各地でスギとヒノキの花粉の飛ぶ量がピークとなる時期は、当初の予想よりやや早まり、九州、中国、四国、東海、関東南部のほとんどの地域で3月上旬ごろ、関東北部や近畿などで3月中旬ごろ、北陸などで3月下旬ごろ、東北で4月上旬ごろとなり、花粉の飛ぶ量は九州や四国を除いて全国的に去年よりも2倍から7倍に増える見込みです。


 花粉対策は例年通りですが、治療のコツをアレルギー学会でもおなじみの大久保先生(日本医科大学耳鼻科教授)がわかりやすく解説している記事;

花粉症予防は粘膜保護から! 飛散前にマスク、メガネを(2013.01.22:ZAKZAK)
 今シーズンの花粉飛散は“隔年現象”で昨年より多い年だ。前年よりも関東で2倍前後、関西では1・3倍程度と予測され、早くも飛散を始めた地域もある。専門医に今年の花粉症対策を聞いた。
薬は2月からで十分
 以前から花粉症の薬は、早めに服用するのが効果的と言われてきた。本格的な飛散の前に服用することで、大量のスギ花粉症にアタックされても、重症化しにくいというのだ。最近は、わざわざ医療機関へ行かなくても、処方される抗ヒスタミン薬と同じ成分が、ドラックストアの一般用医薬品で手に入る
 ならば、年明けにクシャミや鼻水が出始めたら、それらの薬を活用すべきなのか。
 花粉症治療の第一人者である日本医科大学耳鼻咽喉科の大久保公裕教授がアドバイスする。
 「今の抗ヒスタミン薬は、効果が高いものが多いので、2月の本格的な飛散を迎えたときに服用すれば、症状を抑えられます。2月に入ってからの服用で十分です。一般用医薬品には、1日1回服用タイプや2回服用タイプがあり、ご自身の生活スタイルに合わせて活用してみてください」
薬より前の対策
 予防的に抗ヒスタミン薬を服用する必要がないということは、対策は花粉の飛散が始まってからで、よいのだろうか。実は薬に頼る前にやるべきことがあるという。
 「ひとつのポイントは、『粘膜が正常な状態で花粉症のシーズンを迎えられるか』ということにあります。風邪や免疫力の低下などで、1月にすでに粘膜に炎症が起こっていると、スギ花粉にアタックされたときに症状が悪化しやすい。今からの予防としては、粘膜の保護を心掛けていただきたいと思います」(大久保教授)
 マスクや手洗い、うがいといった風邪予防が今の時期は重要となる。特にうがいは、鼻から侵入してノドへ運ばれたウイルスだけでなく、微量の花粉も洗い流してくれるそうだ。そして、目の粘膜保護のためメガネの活用も忘れずに。
鼻づまりは受診を
 花粉症の症状は、止まらないくしゃみや鼻水が一般的だが、鼻が詰まってしまう人もいる。風邪で鼻が詰まったのか、花粉症なのか、よく分からないまま一般用医薬品を活用しても症状は治まらない。本格的な飛散時期になれば、さらに鼻づまりは悪化していく。
 「抗ヒスタミン薬は、鼻づまりに対する効果は薄い抗ロイコトリエン薬が効果的で、長期的に服用すれば、くしゃみや鼻水にも効果があります。ただ、抗ロイコトリエン薬は、一般用医薬品にはありません。症状に合わせて薬を使い分けるには、医療機関を受診することをお勧めします」と大久保教授はいう。
 今から行うことは、
(1)粘膜保護のため体調を整える
(2)マスクやメガネ、手洗いやうがいで花粉を体内へ侵入させない
(3)薬を活用する。自分に合った薬を探すならば、医療機関へ。
 「対策を行っても、花粉症は治るわけではありません。今年の秋には、体内の抗体にアプローチする『舌下(ぜっか)免疫療法』という治療が、保険適用になる見込みです。根治の道が身近になります」(大久保教授)
 舌下免疫療法は、少量のスギ花粉を口の中の粘膜に入れて、抗原抗体反応を減弱させていく治療法だ。残念ながら今シーズンは間に合わないが、毎年花粉症に悩まされている人は一度、医療機関で相談してみる価値はありそうだ。


 ご指摘の通り「鼻づまり」はやっかいで一度ひどくなると強い治療をしなければなかなか改善しません。
 抗ロイコトリエン薬の効果はそこそこなので、それでもダメなときは、上記記事の中では触れられていませんが、ステロイド点鼻薬を中心に対応します。

 当院では標準的な西洋医学の治療を行っても「もうちょっとなんとかならないかなあ」と満足できない患者さんには漢方薬の併用をお勧めしています。漢方薬は「鼻づまり」にも効くので、その人の体質に合う漢方薬が見つかると「まあまあ満足」程度の効果は期待できます。

 新しい「舌下免疫療法」は私も試してみたい方法です。舌下に花粉エキスをしみこませたパンのかけらを含むだけで効果が期待できるなんて・・・夢のよう。
 来シーズン前には解禁になりそうですね。

 さて、インフルエンザの項でも取りあげた「マスク」。
 花粉症対策での注意すべきポイントを読売新聞の解説でどうぞ;

スギ花粉、3月上旬ピーク…マスクは鼻から顎まで密着(2013年2月9日 読売新聞より抜粋)
顔の形に合わせる/使い捨て原則
 専門家は「顔に合ったサイズのマスクを、正しく着用することが大事」とアドバイスする。
 マスクを使う人も増えるが、口だけをふさいで鼻を出していたり、締め付けを嫌って大きめのサイズを着けたりと、間違った使い方をしている人もいる。
 「マスクは顔に密着させ鼻から顎までをしっかり覆うことが大事。着用感が楽だからと大きめのサイズを使うと、頬などに隙間ができて花粉が侵入しやすくなります」と労働科学研究所(川崎市)副所長で医師の吉川徹さんはアドバイスする。
 全国マスク工業会では、自分にあったマスクを選ぶ際の目安になるサイズの測り方を示している=イラスト=。「最初は2~3種類試してみて、隙間ができない自分の顔の形にあったマスクを選んでほしい」と同工業会専務理事の藤田直哉さんは呼びかける。


 通勤、通学時に使ったマスクをポケットなどに入れておき、帰宅時に再び出して着用するのも、よく見られる使い方だ。一度使ったマスクには花粉が付着していて、吸い込んでしまう可能性がある。吉川さんは「マスクは再利用せずに、使い捨てが原則。帰宅時には新しいマスクを使いましょう」と助言する。


 ・・・私は医療用のサージカルマスクを使用していますが、一回で捨てるのがもったいなくて数日間使ってました。ダメなんですね(苦笑)。

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