徒然日記

街の小児科医のつれづれ日記です。

2013年度の予防接種時の事故は「3万回に1回」

2014年07月20日 06時00分32秒 | 小児科診療
 件名のニュースを目にしました。
 トラブル全体は接種1万回に1回、うち70%が「接種間隔の間違い」なので、それを差し引くと「医学的接種事故」は3万回に1回になる、とのこと。
 確かに、「接種間隔の間違い」と「医学的接種事故」では健康被害のリスクが大きく異なるので、別に扱う方が適切かもしれません。
 「接種間隔の間違い」は数が増え複雑化したワクチンスケジュールの影響でしょうね。
 秋には水痘ワクチンが定期化され、今後BCGもも個別化される予定なので、当院でも気を引き締めて望む所存です。

昨年度の予防接種時の事故「3万回に1回」~第10回予防接種基本方針部会~
(2014.7.17:MTPro)
 7月16日開催の第10回厚生科学審議会予防接種基本方針部会(部会長=岡部信彦氏,川崎市健康安全研究所長)では厚生労働省事務局から昨年報告された定期予防接種時の事故報告が行われた。昨年(2013年)4月1日~今年3月31日に報告された予防接種時の事故の全報告数は4,596件で,一昨年の定期接種延べ回数3,930万4,213回を母数とした場合の頻度は1万回に1回。最も多かった「接種間隔の間違い(3,170件,約70%)」を除いた場合の頻度は3万回に1回と推計された。委員からは予防接種時の事故の分類に関して,意見が出された。

「接種間隔間違い」は実施要領改正により減少の見込み
 報告によると,昨年度発生した予防接種事故の最多は「接種間隔の間違い」で3,170件(69%)。今年(2014年)からは一部の定期接種ワクチンの同一ワクチンの接種間隔上限が緩和されたため,今後はこうした報告は減少するだろうとの分析が事務局から示された。
 このうち,血液感染を起こしうる事例の概要(表)も提示。「複数名分の注射器をトレーに準備したが,使用済みの注射器を同じトレーに戻し,異なる被接種者に当該注射器を刺してしまった」「異なる種類の予防接種を受ける兄弟に続けて接種を行う際に,弟に使用した空の注射器を兄に誤って刺した」といった事例が紹介された。事務局は先頃策定した事故防止マニュアル「予防接種における間違いを防ぐために」などを通じて事故防止を呼びかけていきたいと述べた。


接種ルール逸脱の「事故」と医学的「事故」は区別すべきとの指摘も
 自治体側の委員からはこうした事故報告は件数が少なくても,継続的に情報共有を行って欲しいとの要望が出された。
 岡部氏からは資料で示された予防接種時の事故の分類について「接種間隔の間違いのように,法律上のルールを守らなかったという事故と医学的な事故が混在している。医学的な事故は実施主体の自治体や医療者側の問題であり,原因解明や再発防止に努める必要があり混同すべきでない」との指摘があった。



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