ふつう風邪のウイルスは繰り返し感染し、
だんだん軽く済むようになり、
だんだん罹りにくくなるのが一般的です。
新型コロナも当初、そう考えられてきました。
しかし最近、それを覆す論文が発表されました。
感染を繰り返すと、
重症化しやすくなり、
後遺症リスクも増えるというのです。
今までの常識が通用しない新型コロナウイルス・・・
これはただ事ではありません。
なお、ワクチン接種回数は重症化リスク・後遺症リスクと関連はなかったと報告されています。
■ オミクロン亜系統と「再感染」を警戒すべき本当の理由 重症化・後遺症リスクの捉え方
(AERA:2022/11/29)より抜粋;
(下線は私が引きました)
・・・
■ 後遺症リスクも高まる
理論的には、感染によって獲得した免疫にも、重症化を防ぐ効果があると考えられるが、実際は異なることが米国の退役軍人ヘルスケア・システムの臨床疫学センターなどの研究チームが医学誌「ネイチャー・メディシン」に発表した論文でわかった。再感染すると、初感染の際に比べて重症化するリスクが高くなり、しかも後遺症のリスクも高まる恐れがあるという。
研究チームは米退役軍人省の退役軍人の健康データベースを使い、新型コロナウイルスに1回だけ感染した44万3588人と、再感染した4万947人を比較した。再感染した人のうち2回感染した人が92.8%、3回感染が6.3%、4回以上が0.9%だった。
感染から半年間の死亡リスクは、再感染した人は1回だけの感染の人の2.17倍高かった。また、入院が必要になるほど重症化するリスクは3.32倍高かった。
後遺症のリスクも再感染した人は高かった。肺の機能に関連する後遺症は1回感染の人の3.54倍、心臓など循環器関係の後遺症は3.02倍、疲労感は2.33倍、胃腸など消化器関連の後遺症は2.48倍、腎臓関連の後遺症は3.55倍、メンタルヘルス面での後遺症は2.14倍、糖尿病は1.7倍リスクが高かった。
初回感染から2回目の感染までの期間は127~330日と幅があり、中央値は191日間だった。2回目から3回目の感染までの期間は115~228日で、中央値は158日だった。次の感染までの期間の長さは、重症化や後遺症の起こるリスクとは関係なかった。
■ 感染回数が増えるほど
再感染した人のうちワクチンを2回以上打った人は36.2%、1回打った人は12.6%、打っていない人は51.3%だった。1回だけの感染の人ではワクチンを2回以上打った人は47.2%、1回打った人は11.7%、打っていない人は41.1%だった。一見、1回だけ感染の人の方が、ややワクチン接種率が高いように見えるが、死亡や重症化、後遺症の発生リスクは、ワクチン接種の有無とは関係なかった。
一方、感染の回数が増えるほど、リスクは高くなる。
同じデータベースの1度も感染していない533万4729人と比較すると、1回だけ感染した人は、少なくとも1種類の後遺症で悩むリスクは1.37倍高かった。それが2回の感染になるとリスクは2.07倍、3回以上の感染だと2.35倍に高まった。一方、2回感染の人は、1回感染の人よりも後遺症のリスクが1.51倍高かった。
<原著論文>