徒然日記

街の小児科医のつれづれ日記です。

学校での「運動器検診」について

2022年08月02日 08時46分49秒 | 小児科診療
この度、中学校の学校医就任の依頼があり、
いろいろ調べている最中です。

その中で話題になるのが健診に含まれる「運動器検診」。
これは2016年に導入された、新しい分野です。

そのマニュアルを読むと、
以前からあった脊柱検診(脊柱側弯症の早期発見)の他に、
整形外科領域の病名が並んでいます。
小児科医の私には縁がなく、
名前くらいしかわからないものばかりです。

(例)
単純性関節炎
足部疲労骨折
下腿疲労骨折
大腿骨頭すべり症
ペルテス病
発育性股関節形成不全
先天性股関節脱臼
腱板断裂
肩甲骨高位症(スプレンゲル変形)
腋窩神経麻痺
分娩麻痺(腕神経叢麻痺)
・・・

これらを診療経験のない整形外科医以外の医師に診断しろというのは無理があります。

検索したところ、
運動器検診は整形外科医が中心に提案して実施された経緯があるようです。
それを整形外科医が担当すれば何の問題もありませんが・・・。

しかし実際に学校医を担当するのは整形外科医以外が多く、
他科の医師からは反対意見が多かったそうです。

なんだかなあ。

であれば、怪しい所見のある学童生徒は、
整形外科へ二次検診として誘導・紹介するしかありませんね。

前項の「上半身裸の学校健診はセクハラ?」で調べた際に、
形骸化・儀式化した学校健診は淘汰されて消えゆくもの、
と感じてきましたが、
「専門外のこともチェックすべし」
というヘンな横槍が入って負担が増え、
しかし報酬は従来通りで、

調べれば調べるほど、
学校医を引き受けるモチベーションが下がってきてしまいます。

どうしたもんだろう。

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