オミクロン株の流行により“濃厚接触者”になること、
そして“PCR陽性者”になることが身近になり、
他人事ではなくなってきました。
では“濃厚接触者”に指定され、無症状ながらもPCR検査が陽性になった場合、
あるいはカゼ症状で医療機関を受診しPCR検査が陽性になった場合、
具体的にどのような生活になるのでしょうか。
事前にイメージしておくと、いざというとき慌てずに済みますので、
シミュレーションしておきましょう。
この疑問にも倉原優Dr.が分かり易く説明している記事がありました。
■ 新型コロナに感染してしまったら 陽性者の宿泊・自宅療養の注意点 経口治療薬の処方は
倉原優:呼吸器内科医
(2022/1/19)より抜粋;
(2022/1/19)より抜粋;
◇ 新型コロナの陽性者になった場合の療養期間
もし新型コロナに感染した場合、無症状あるいは軽症であれば、入院ではなく宿泊療養か自宅療養となります。療養期間については「発症日(無症状者は陽性検体が採取された日)から10日間が経過し、かつ症状消失から72時間経過した場合」となっています(図1)。たとえば、2月1日に発症し、2月8日までに症状が軽快すれば、療養解除や療養施設退所日は2月11日になります。入院した場合についても、人工呼吸器を装着していなければ、同様の解除基準となっています。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/77/2d/dd145243a2309fba7a996f17f4ccb43e.png)
◇ 宿泊療養で準備するもの・注意点
宿泊施設では、外出せずに療養施設内で過ごすことになります。施設ごとに注意事項や生活上のさまざまな制約があります。また、毎日健康状態の報告が必要です。
通販や外部からの物品受け取りについては、感染拡大防止のために不可のところもありますが、常用薬の補充や家族からの差し入れに関しては可能な施設が多いです。とはいえ、基本的に必要物資は療養開始時にすべて持参する必要があります。宿泊施設のスタッフにヒアリングした、おすすめの準備品は図2の通りです。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/44/52/7925b9381dc8547571e7a446416275ea.png)
体温計やパルスオキシメーターは宿泊施設で準備してもらえることが多いです。宿泊費用や食費の自己負担はありませんが、帰りの交通費が必要になることもあり、ある程度現金があったほうがよいです。
宿泊療養施設では、タオル類をクリーニングして再利用するマンパワーがないことが多く、いわゆる「ホテル備え付けのタオル」の提供がない場合が多いのでご注意ください。衣服をたくさん持っていってもかさばるため、最低限の部屋着くらいでよいです。これらの洗濯については、施設内コインランドリーが使用できないこともあり、バスルームで手洗いをお願いされる場合もあります。また、使い慣れたシャンプーやドライヤーなどを持っていくことが望ましいです。宿泊施設に備え付けのものが置いてあることもありますが、体に合わなくて10日間つらい思いをすることがあるそうです。
部屋からほとんど出られないのでストレスが溜まると思いますが、飲酒や喫煙はできません。飲酒して酔っぱらうと、病状の把握ができなくなります。喫煙した場合、数万円が請求される施設もあるので注意してください。
◇ 自宅療養で準備するもの・注意点
東京iCDC専門家ボードから「新型コロナウイルス感染症自宅療養者向けハンドブック」が公開されているので参考にしてください。
宿泊療養と同じく、療養期間中の外出は禁止となります。家族と同居している場合、家族全員が不織布マスクを着用する必要があります。生活空間を分けて、可能なかぎり換気をおこないましょう。家族全員陽性という場合もありますし、小さな子供がいる場合に親と空間を分けるというのは至難の業ですから、実際のところはケースバイケースです。
洗面所やトイレを分けることは難しいので、ドアノブや手すりをこまめに消毒することが重要です(図3)。消毒は、アルコールあるいは0.05%に希釈した次亜塩素酸ナトリウム水溶液を用います。後者を自宅で作ることは難しいので、環境用のアルコールタオルなどを薬局で入手するのがベストです。
陽性者から出たゴミについては、しっかりとしばって密閉して捨てるようにしてください。気になるときはゴミ袋を二重にします。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/4f/f8/c240b657a64944aff22809da1c9952c5.png)
自治体によって自宅療養者のサポートには違いがありますが、療養者の食料品等の支援がおこなわれることが多いです。東京都では、自宅療養者フォローアップセンターを設置し、LINEや電話を活用した健康観察をおこなっています。
自宅では、咳の悪化、呼吸困難の悪化、酸素飽和度の低下(パルスオキシメーターで測定)、胸痛や意識障害の出現がないかチェックしてください。オミクロン株は上気道にとどまりやすいですが、肺炎にいたるとこれらの症状が出てくることがあるので注意が必要です。
◇ 治療薬の配送が可能
軽症者向けの経口治療薬モルヌピラビル(商品名ラゲブリオ)が特例承認され、現在使用されています。すでに全国の医療機関や薬局に2万人分以上が配布されています。発症5日以内に内服を開始することが望ましいとされています。
新型コロナを診断した医療機関から、登録薬局に処方箋が発行されますが、感染対策の観点から、陽性者が薬局を直接訪問することはありません。そのため、薬局から自宅あるいは宿泊施設に配送される仕組みとなっています(図4)(1)。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/42/15/ef1cd79b67e24b5c13b9a87eaf94bf45.png)
すでに承認が申請されているニルマトレルビル/リトナビル(商品名パクスロビド)についても、同様の配送がおこなわれるのではないかと予想されます。
<参考>