かっこうのつれづれ

麗夢同盟橿原支部の日記。日々の雑事や思いを並べる極私的テキスト

我が同人生活の歴史はプリンタ変遷の歴史でもあるのです。

2008-04-28 23:09:33 | Weblog
 そうそう、昨日の日記で書き忘れておりました。昨日アップした「夢封じ 大和葛城古代迷宮」では、挿絵の一部がカラーになっております。実は描いた当初はすべてカラーで描いていて、それをモノクロに変換、トーン張りをして本に張り、印刷・製本しておりました。このとき、初めて表紙をカラーで作ることにしたついでに、他の絵も最初はカラーで作ることにしたのです。でも、まだ当時はカラーインクが大変貴重で、いい詰め替えインクも見つからなかったため、カラー印刷は表紙だけに抑えていたのでした。その後、韓国製のきわめて良質な詰め替えインクを発見、次からは挿絵もフルカラー印刷する、という「豪華」な作りになっていったのでした。
 そう思い起こしますと、私の同人製作は、プリンタと紙の変遷でもあります。私は今で言うオンデマンド印刷を自分でやる、という基本方針で本作りをしてきました。いわゆるコピー誌に近い形ですが、一冊あたり100ページそこそこになるコピー誌と言うのもそうそうないんじゃないかと思います。私にとって同人製作とは文章や絵を描くだけではなく、本を作ることそのものでもあったので、知り合いの印刷屋さんに色々教えてもらったり、時にプロ用の資材を廉価で譲ってもらったりしながらあくまで手作りにこだわって続けて参りました。まあそれが一番お金がかからなかった、というのが一番大きな理由でもあるのですが、その分時間と労力はいるわけで、結局損得を勘定すると微妙なものだったかもしれません。ただ、イラレを初めとする諸ソフトやDTPの基礎、本の作り方や手作りでもオフセットと遜色ないくらいの出来栄えにするちょっとしたコツ、など、色々勉強もでき、それがまたたまには仕事で役に立ったりもしましたので、手間だけの収穫は十分にあった、と思います。
 少し話がそれましたが、一番最初の本「麗しき、夢」は、まだプリンタもエプソンの写真画質最初期のもので、カラーはともかく黒はあまりほめられた出来ではありませんでした。インクも高いし印刷も遅かったので、結局一冊分印刷した後はコピーでやりました。大分お金がかかったのを記憶しております。この頃の表紙はケント紙、紙は当然コピー用紙でした。次の「悪夢の純情」くらいから紙は印刷屋さんで分けてもらった、印刷用の70g紙というコピー紙よりちょっと厚くて腰のしっかりした紙を使うようになり、プリンタも、HPのレーザープリンタを利用するようになりました。これで印字品質は格段に良くなったのですが、両面印刷しようとするとよく紙詰まりを起こし、その後のメンテナンスに難儀しました。次に導入したのがレックスマークのプリンタで、安くて印刷が早いという触れ込みを鵜呑みにして買ってみたのですが、紙がどうしてもまっすぐ吸い込まれず、ゆがんで印刷される上、インクが高くてしかも印字枚数が少ない、ということがわかり、すぐに処分いたしました。以来、このメーカーのプリンタだけは二度と触るまい、と思うほどに、このときの苦労は今でも鮮明に思い出せます。
 次がHPのPSC1210という超小型複合機。これが華奢に見える筐体にもかかわらず以外にタフで、しかもこの頃HPの優秀な詰め替えインクを発見できたこともあって、生産コストを大幅に削減できるようになりました。これは実に使い勝手が良くて、結局壊れた後にまた同じ機種を買って使い続け、ある夏には友人から1台借り受けて、2台のプリンタをフル稼働させて夏コミを乗り切りました。
 次がHPのdeskjet5551というプリンタ専用機。これは児童両面印刷、という便利な機能がついていて、1210でもたびたび起こった紙詰まりや紙の複数枚同時吸い込みという問題がほぼなくなる、という優秀機でした。これは今でも現役で、確かこのプリンタだけで100冊以上印刷していますし、その上同志とこさえた記念誌やらタロットカードやらも全部このプリンタでまかないましたから、実数は1万ページを超えるでしょう。これは大変な働き者といえます。
 そしてこのプリンタを使う頃から、表紙をカラー印刷に適した専用紙を使うようになりました。初めはコクヨだったと記憶していますが、両面コート紙という工作用の厚紙を使っていましたが、その後富士フィルムの画彩という光沢のインクジェット専用紙に換え、現在に至っています。プリンタはもう一台、これもHPのdeskjet1220cというA3ノビサイズが印刷できるやつも入手し、主にA4版の記念誌の表紙を一枚モノで刷り、オフセット印刷と遜色ない仕上がりにするために利用しました。
 このブログだけで6機種7台のプリンタが登場したわけですが、パソコン暦からすると実はまだ数台使っては処分していったやつもあって、PC本体よりもよほどプリンタのほうが更新頻度が高いということに、今改めて気づいてしまいました。まあこれも、自分で作ってこその同人誌だ、などとこだわってきた年寄りの、馬鹿馬鹿しいけれど楽しかった歴史ということなのでしょう。

 ・・・というわけで、今日はカリンの花をアップしてみました。これもバラ科の植物で、のど飴なんかでよく知られており、果実は本当においしそうなにおいがぷんぷんしますが、焼酎に漬けるか砂糖で煮詰めないと食べられないという一風変わった果物です。
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