平成エンタメ研究所

最近は政治ブログのようになって来ました。世を憂う日々。悪くなっていく社会にひと言。

刑事コロンボ 殺しの序曲

2007年01月14日 | テレビドラマ(海外)
 コロンボが珍しく自己主張。
 犯人はオリバー・プラント。
 著名な会計士。
 シグマクラブというIQが高いメンバーの集まるクラブの会員でもある。
 そんなIQの高いオリバーにコロンボは言う。
「あたしだって時間をかけてねばり強くやれば、あなたたちに勝てるんじゃないかって思うんですよ」
 これがコロンボの決めた自分の生き方。
 彼の捜査の泥臭さ、しつこさの理由がよくわかる。
 これに「殺人を憎む心」「刑事の仕事が好きで好きでたまらない心」を加えれば、コロンボになる。

 キャラクターがドラマを作ると言うが、今回はまさにそんな話だった。
 自分が一番頭がいいと思っているオリバーは、シグマクラブの別の人間が立てたトリックの仮説をそんな単純なものではないと言って、真相を話してしまう。もちろん、そこにいたるまでコロンボはオリバーの行った殺人の実際(レコードプレーヤーを使って爆竹を爆発させ銃声を装ったこと、凶器の銃と爆竹の残がいを黒のコウモリ傘に隠したこと)を推理するのだが、被害者が倒れる音をどういうトリックで作ったのかが明確でなかった。それをオリバーに語らせたのだ。
 自信過剰であるがゆえに墓穴を掘った犯人。
 この墓穴が作者の作為に見えてしまう作劇上の弱さがあるが、この犯人の人間像は面白い。
 凶器となった銃を公園で捨てようとする時、突然コロンボが現れて慌てて隠すシーンなど、コミカルなサスペンスシーンもあった。

 最後にオリバーがコロンボに出したIQの問題をひとつ。

★問題
 金貨の入っている袋が3つある。
 だが、ひとつの袋には偽の金貨が入っている袋。
 その袋を秤を1回だけ使って当てよ。
 なお、金貨の重さは100g、偽の金貨の重さは110gである。

★答え
 ひとつめの袋から金貨を1個取り出し、
 ふたつめの袋からは2個、
 みっつめの袋からは3個取り出し、合計6個の金貨を秤に乗せる。

 ひとつめの袋が偽金貨の入っている袋ならば、重さは610g。
 ふたつめの袋が偽金貨の入っている袋ならば、重さは620g。
 みっつめの袋が偽金貨の入っている袋ならば、重さは630g。 

 なるほど、頭のいい人は発想が違う。
 そしてコロンボは、この問題の答えを彼のかみさんが導き出したという。
 作者の皮肉・ユーモアを感じさせるエピソードだ。
 また、こういうフリをすることで視聴者はその答えを知りたくて最後まで見てしまう。そう言えば、古畑任三郎の「赤いポスト」のオチは何だったのだろう?すごく気になる。

 
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする