平成エンタメ研究所

最近は政治ブログのようになって来ました。世を憂う日々。悪くなっていく社会にひと言。

東京タワー 第1回

2007年01月09日 | ホームドラマ
 ベタで直球だけど、すごく泣ける。

 子供には母親の愛情が重くなる時がある。
 母親の愛情を全面的に受け入れていればすべてが安心できた子供時代。
 それが大人になって別のものを求める様になる。
 自分の人生。
 自分の夢。
 恋人。
 母親離れできないのってカッコ悪いし。
 自我の目覚めは、母親を一個の人格と見るようになる。
 母親の愚かさが見える様になる。
 マーくんこと雅也(速水もこみち)の場合は、自分ばかりに人生を使っている母・栄子(倍賞美津子)の愚かさ。
 そして、その素晴らしさ。

 母親には子供に「オカン立ち入り禁止」と書かれる日が来る。
 見送りを断られる日が来る。
 自分だけを頼りにしていた息子はもういない。
 寂しさ。
 愛情を注いでいた存在にちょっと裏切られた気分。
 でも、それは同時に嬉しいこと。
 それは自分の力で歩き始めようとする子供の成長。
 東京の大学進学を決めた雅也に栄子は言う。
「あんたが決めたことならそれでええ」
「自分で必死で考えて、自分の将来をしっかり決めたことを誇りに思っている」
 雅也自身は「何となく」「青い鳥」を求めての大学進学だったけれど。

 こんな親子の物語。
・「何となく」「青い鳥」を求めての大学進学で、決して母に誇りに思われる様な息子でないことを告白する息子。そんな息子の告白を「東京はどう?」と言って受け入れる母。
・自立していることを証明したくて母に頼らずに東京までの受験の切符を手に入れようとする息子と先回りして切符を机に置いておく母。
・息子に惨めな思いをさせたくなくて身を削って働いた母。
 食堂の仕事では専用の椅子があり15分しか座らなかった。
 そんな母の苦労を知らずに自分の力で生きてきたかの様に思っている息子。
 様々な親子の形を見せてくれた。
 今後、どんな親子の形を見せてくれるか楽しみだ。


★追記1
 雅也たちが住んでいたのは廃屋となった病院だった。
 それを現在のシーンで見ると、病院の面影が残っている。
 面白い仕掛け、舞台設定だ。

★追記2
 息子の部屋のエロ雑誌を片づけるシーンはこれまでも多々あったが、あいうえお順に片づけるとは!

コメント (2)
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