平成エンタメ研究所

最近は政治ブログのようになって来ました。世を憂う日々。悪くなっていく社会にひと言。

花より男子2 第2・3話

2007年01月20日 | 学園・青春ドラマ
 主役の男女がすれ違ってなかなかくっつかないのは、「君の名は」(古い!)以来の伝統。
 「花より男子2」では、それをうまく作っている。

 つくし (井上真央) と道明寺司 (松本潤)の障害はこう。
★母親の妨害
★道明寺グループの社員と家族、100万人の生活
★腹を割って話せない司とつくしのプライド、意地の張り合い。
 閉ざした心(「話しても無駄じゃん」)。
★ハプニング。婚約者・大河原滋 (加藤夏希) とのキスを目撃。

 日常の小さなすれ違いから会社の大きなことまで、手を変え品を変え主人公たちに障害をもたらしている。
 視聴者は「どうしてここで誤解してしまうのか?」とか「確かに司の背負っているものは大変だよな。司はどうするんだろう?」などと思いつつ見てしまう。

 脇役もいい。
 特に花沢類 (小栗旬) 。
 つくしと司を見守っていて、的確なアドバイス。
 同時につくしに好意がある様。(静のことがあるが……)
 つくしと司のコミュニケーションを行う調整役でありながら、場合によってはつくしとくっついて、司とのバランスを崩す役も担っている。
 このふたつの役割を担っているところがいい。
 別の見方をすれば司がわがままで激しい王子様で、類は穏やかで包容力のある王子様だ。
 このふたりに見守られるつくしという図式は、女性の読者・視聴者にはこたえられない設定だろう。なぜならつくしは女性の読者・視聴者の分身であるからだ。

 さて、今回の各論だが、まず第2話では誕生パーティのシーンがいい。
 リアクションでキャラクターを描くということのお手本のようなシーンだ。

 誕生パーティでピアノを演奏することになる滋とつくし。
 ここで滋のリアクション。
 何と自分の作詞・作曲した曲を披露してしまう。ここでショパンなどを演奏してしまったら、ただのお嬢様キャラになってしまう。
 そしてつくしのリアクション。
 当然ピアノは弾けない。
 「パーティを壊してしまったら」という類のアドバイスを受けてメチャクチャに弾く。これでつくしのキャラが出る。
 おまけにこれに対する滋のリアクションがいい。
 「ファンキーじゃん!」
 招待客たちが皆顔をしかめる中、滋だけが違うリアクション。
 これで滋のキャラをさらに描いた。
 また、同時につくしと滋の人間関係も描いたリアクションでもあった。
 これをきっかけに滋はつくしを認め、友だちになる。(つくしは心の開ける友だちだとは思っていないが)
 そして次のシーンで滋がつくしの所に遊びに行っても不自然ではない。
 実にうまいリアクション表現である。

 第3話では司の心の動きが見事にせりふで表現されていた。
 前半で司は滋に言う。
「俺はおまえとは違う女と運命を共にしたいんだよ」
 しかし中盤では
「つき合ってくれ。おまえを好きになるように努力する」。
 つくしとのすれ違い、道明寺グループの社員と家族のこと、「滋はお嬢様には珍しくいい人だ」と言ったつくしの言葉を踏まえての発言だ。
 見事な変化。

 つくしと司の仲はさらに大きく広がった様だが、どの様にまとめあげるのか?
 作劇では問題をどんどん広げて拡大するのはたやすい。
 しかし物語は最終回がなくてはならぬ。
 広げに広げた問題をどう収拾して解決するかは作者の手腕である。
 次回以降が楽しみだ。

コメント
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