平成エンタメ研究所

最近は政治ブログのようになって来ました。世を憂う日々。悪くなっていく社会にひと言。

大河原滋 「花より男子2」

2007年01月21日 | キャラクター
 「花より男子2」の大河原滋。

 作者はふたつの意味を彼女に付加している。
 ひとつは「お嬢様らしくないお嬢様」。
 もうひとつは「つくしの分身」。(滋はつくしに「同じにおいがする」と言う)

 「お嬢様らしくないお嬢様」で読者・視聴者の先入観を裏切り面白くさせ、「つくしの分身」にすることで、恋のゆくえを混沌としたものにした。これが普通のお嬢様キャラだったら、つくしが司を掴まえるのは、よりたやすかったであったろう。

 さて、この滋のキャラ。
 ともかく行動が突飛。
 司の婚約者と発表されて「これドッキリ?」とリアクションする。
 さらに「オリジナルソング」をパーティで披露。
 「あっち向いてパン!」と言ってお嬢様たちを殴る。
 平気で「ウンコ」に行く。
 司のことを「頭のおかしい男」と言う。(これにはつくしも同意)
 司に「恋愛してやってもいいよ」と言い、「調教してやるよ」と言って殴る。
 司の耳をかじって司が真っ赤になると、「かわいいとこあんじゃん。久々にドキュンかも」と言う。

 しかし破天荒なだけでは、最初は面白くて読者・視聴者はついてきても長くは続かない。
 政略結婚させられる苦しみを表現する。
 司がダサぞうではなく、芯の通った男であることがわかり「私の人生捨てたもんじゃない」と言う。
 頭もいい。また、ある点神経も細やかだ。
 美作らは滋をデートに誘って彼女の気持ちを自分たちの方に向けようとするが、そんなことには引っかからない。ちゃんと見抜いている。
 おまけに破天荒な行動も忘れない。
 ケーキ食べ放題→絶叫コースター→焼き肉食べ放題→爬虫類の地獄のデートコース。

 そして女性らしい面も。
 素早く気持ちが変わっていくのも滋の特長だが、最初は反発でしかなかった司への気持ちがすぐに恋愛に変わる。
 恵比寿で司が誰に会うのだろうと思って、夜まで待っている。
 そして「つき合ってもいい」と司に言われて、つくしに抱きついて涙を流す。

 様々な角度から彫刻刀を入れられた見事なキャラクター造型だ。
 滋が登場したことで、この作品は大きな弾みがついた。

コメント
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