平成エンタメ研究所

最近は政治ブログのようになって来ました。世を憂う日々。悪くなっていく社会にひと言。

平清盛 第22回「勝利の代償」~叔父上は一門に欠かせぬお人にございます!

2012年06月04日 | 大河ドラマ・時代劇
 物語が盛りだくさんですね。
★清盛(松山ケンイチ)と義朝(玉木宏)。
 義朝に「友」と言われて照れる清盛。それをあわてて否定する義朝。剣の名前は<ひげ切り>?
★崇徳上皇(井浦新)は<ひとつも思い通りにならなかった自分の人生>を嘆き悲しむ。
★頼長(山本耕史)は父・忠実(國村隼)に拒絶されて、舌を噛み切る。
 忠実(國村隼)は「父上、父上」と叫ぶオウムを見て、「わが子よ~!」と泣き叫ぶ。
★常盤(武井咲)は由良(田中麗奈)の正妻としての器の大きさを感じる。
 常磐は義朝を愛する<女>だが、由良は源氏一門のことを考えて差配する<一門の妻>なのだ。
★為義(小日向文世)は義朝が<殿上人>になったと聞いて、嬉しそう。照れたように笑う。
 やはり為義は<父親>であったのだ。自分がなし得なかったことを息子が成し遂げて、<父親越え>をしたことを素直に喜んでいる。
★後白河天皇(松田翔太)は<もののけの血>が全開!
 「ぞくぞくするのう。朕は生きておる」と語り、徹底的な粛正。
 「ぞくぞくするのう」は、美福門院(松雪泰子)の言葉「君臨するのがご自分だなどと、ゆめゆめ思いなさるな」を受けての言葉だったが、後白河天皇には、自分に敵対する人間がいることがうれしくてたまらないのだ。
★そして、清盛と叔父・忠正(豊原功補)。
 「お留まり下さいませ。叔父上は一門に欠かせぬお人にございます」
 「たわけ」
 忠正が清盛を一門に災いをもたらす存在として忌み嫌っていると話すと、清盛は
 「ならば生きて見届けてほしい。自分が<もののけ>ではなく、<平清盛>であることを」と返す。
★また、忠正は宗子(和久井映見)に「厄介な兄を持った弟の定め」を語り、自分の作った竹馬で清盛の息子たちが遊ぶ姿を見て楽しそうに微笑む。
 忠正は心から一族を愛する人間だったのだ。

 というわけで、これだけの物語を描ききった作劇はお見事!
 それにしても人の世は、やはり凄まじいですね。
 <喜び><哀しみ><怒り><憎しみ><愛><裏切り><絆>……、さまざまなものが溢れている。

 そしてラストは清盛の挫折。
 忠正の斬首の命令。
 武士の発言力が増し、「面白きことを考え、面白きことを形にする。こんな面白きことがあるか」と希望に燃えていたのに現実に政治はシビアだ。たちまち奈落の底に。
 清盛は、弟・家盛(大東駿介)のことでも挫折を味わっているが、こういうつらい体験が清盛を少しずつ狂わせていくんでしょうね。
 <もののけ>の血が騒ぎ出していく。


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コメント (4)
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