平成エンタメ研究所

最近は政治ブログのようになって来ました。世を憂う日々。悪くなっていく社会にひと言。

ネバーランド~母親が革のノートに託した思い

2012年09月11日 | 洋画
 『ピーターパン』ってこんなふうにして誕生したんですね。
 それは劇作家のジェームズ・バリ(ジョニー・デップ)が、デイヴィズ一家の子供たちと関わる中で得たインスピレーション。
 子供たちを喜ばせるために彼は書いた。
 それは批評家の評価などを気にすることのない純粋な<遊び(PLAY)>。

 この作品で印象的なのは<革のノート>だ。
 バリは、早く大人になりたがっている三男のピーター(フレディ・ハイモア)にこれを渡す。
 ピーターは、父親が亡くなって支えを必要としている一家を支えるために、母・シルヴィア(ケイト・ウィンスレット)を助けるために、一刻も早く自立したいと考えているのだが、バリはそんなに焦る必要はないと語る。
 子供らしい想像力いっぱいの物語をピーターに書いてほしくて、<革のノート>を渡す。

 バリの影響を受けて物語を書き始めるピーター。
 しかし、悲しい出来事が起こる。
 母・シルヴィアが病に倒れたのだ。
 ピーターはノートを破り捨てる。
「自分がこんなことにうつつを抜かしていたからお母さんが病気になったんだ。やっぱり自分は早く大人にならなくてはならないんだ」と考える。

 そして母・シルヴィアの死。
 悲しみに沈むピーターにバリは例の<革のノート>を渡す。
 以前破り捨てたノートだったが、ページの所が貼り合わせてあって元どおりになっている。
 元どおりにしたのは誰か?
 それは母・シルヴィアだった。
 シルヴィアは、ピーターにまだ想像力で遊べる子供でいてほしくて、病床の中、ノートを修復したのだ。
 バリはピーターに語る。
「このすべてのページにお母さんはいるんだよ」

 上手な小道具の使い方ですね。
 そして物には<人の思い>が込められている。<愛情>が込められている。
 ピーターは大人になっても、このノートを見るたびに母親のことを思い出すだろう。

 このように『ネバーランド』は心温まる物語である。
 その他にも、戯曲『ピーターパン』が上演されるエピソードなどは実にエキサイティング。
 バリ役のジョニー・デップの抑えた演技もいい。


コメント
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