平成エンタメ研究所

最近は政治ブログのようになって来ました。世を憂う日々。悪くなっていく社会にひと言。

サンデーモーニング~テロ、格差、戦争……絶望と混沌の時代にどう対処するか? 

2015年12月31日 | 事件・出来事
 27日の「サンデーモーニング」(TBS)で「イスラム国」のことを取り上げていた。
 テーマは「なぜ若者はイスラム国に走るのか?」
 そこには、格差、貧困、差別があり、自分の居場所や存在意義を見出せないことがあるらしい。
 あるいは、社会の中で、人間扱いされない、虫けらのような境遇。
 これらをひとつの言葉にまとめると、『絶望』だ。

 早稲田大学の加藤諦三教授(←若い頃に加藤さんの本はずいぶん読んだなぁ)に拠れば、『絶望』は形を変えて、さまざまな形で現れるらしい。
・自分さえよければいい→自己中心主義
・楽しければいい   →快楽主義
・今さえ良ければ   →刹那主義
・カネさえあれば   →拝金主義
・忘れてさえいえれば →ギャンブル・酒・薬物への依存
・強いものになりたい →ファシズムなど組織・権力への依存

 なるほど。
 これらをすべて『絶望』と言い切ってしまうのには、いささか抵抗があるが、実にわかりやすい説明だ。
 同時に加藤さんの立ち位置は、日本の高度経済成長期に分厚く存在していた〝中間層〟の考え方でもある。
 僕も高度経済成長期に生きてきた人間だから、自分中心主義、快楽主義、刹那主義、拝金主義、ギャンブルなどへの依存、ファシズムはいけないことだと教えられてきた。
 現在も、基本、この価値観で生きている。
 番組のコメンテイターたちも、高度経済成長期の中間層として生きてきた人たちだ。

 だから、「サンデーモーニング」はこう結論づける。
・テロに走るような若者をなくすには、絶望の解消が必要である。
・絶望を解消するには、格差をなくし、かつてあった分厚い中間層を復活させるべきである。
・中間層とは、良き市民のことである。
・自立した、善良な市民がたくさんいる健全な社会を取り戻そう。

 おそらく「サンデーモーニング」が言っていることは正しい。
 でも、これをどうやって実現するかが一番の問題。
 これができないから自殺する人がおり、自棄になる人、国家主義・排外主義に走る人、テロに走る人が出て来る。
 そして、「サンモニ」は問題の解決策について、評論するだけで具体的に示していない。
 というか、司会の関口宏さんが言っていたように「これは誰にも答えの出せない問題」だろう。
 こうした現実を前にして、個々人が折りに触れて考えていくしかない。

 本当に難しい時代ですね。
 そして、これが2015年の年末の世界。
 来年は少しは良くなってもらいたいけど……。

 最後に番組内で、なるほど! と思ったいくつかの言葉を書きます。

「グローバリズムはアメリカンスタンダード」
 現在はグローバリズムの名のもと、さまざまな政策がおこなわれているが、グローバリズムの大もとをたどれば、結局はアメリカの価値観。
 アメリカは自分たちの価値観を押しつけ、自分たちのルールで世界の経済や政治を動かそうとしている。
 おそらく、これの行き着く先はアメリカのような格差拡大の社会だろう。
 1%の人間が富を独占し、99%の人間が貧困に生きる社会。
 世界の反アメリカ勢力は、これへの反発なのかもしれない。

「現在と過去に絶望しているからと言って、過去に希望を見出してはいけない」
 日本で言えば、戦前回帰ですかね。
 戦後、せっかく手に入れた、自由と民主主義と基本的人権を手放そうとしている。
 これらは今でも不十分だと思うが、安倍自民党はこれらを侵食し、狭くし、制限して、国家の力を強くしようとしているように思える。
 たとえば、
 自民党の憲法草案
 沖縄基地問題
 特定秘密保護法
 武藤貴也を始めとする自民党若手勉強会の発言etc……
〝過去に希望を見出してはいけない〟
 戒めにしたい言葉だ。

コメント
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