平成エンタメ研究所

最近は政治ブログのようになって来ました。世を憂う日々。悪くなっていく社会にひと言。

超高速! 参勤交代~雲隠段蔵、内藤政醇、コメディなのに<カッコいい男たち>が出てくる新時代劇!

2016年09月24日 | 邦画
 4日間で参勤交代しなければ藩がお取りつぶしになる!
 だから、江戸までを四日間で走り抜ける、超高速! 参勤交代(笑)
 そんなコメディでありながら、この作品にはたくさんの<カッコいい男たち>が登場する。

 まずは忍びの雲隠段蔵(井原剛志)。
 段蔵は<雇われ忍者>だ。
 カネで繋がった関係で、湯長谷藩に何の義理もない。
 参勤交代を阻止しようとする隠密と対峙した時には、「わしは牛久でいなくなるから一行を襲うならその後にしてくれ」と裏切りを宣言する。
 しかし、湯長谷藩の殿や家臣たちの人の良さや民を思う気持ちに魅入られて最終的には加勢してしまう。
 その時のせりふがこれだ。
 隠密の首領に「牛久でいなくなると言ったではないか!」と問われて、
「わしは雲よ。
 好きな時に好きな場所に行く」

 カ、カ、カッケーーー!
 自由人の段蔵らしいせりふだ。
 おまけに、世の中を斜に構えて見ていると思いきや、実は<熱い心>を持っている。

 隠密と戦って、しびれ薬を塗った手裏剣が足に刺さった時はこう言う。
「わしに毒は効かん。
 効くのは酒だけよ」

 カ、カ、カッケーーー!
 何だ、このカッコ良さは!
 先程の「わしは雲よ」もそうだけど、一度は言ってみたいせりふだ。
 おまけに段蔵は戦う時、必ず葉っぱを口にくわえている。
 どんなピンチの時にも離さない。
 口に葉っぱと言えば「ドカベン」の岩城だが、段蔵は岩城を超えた。
 ……………………………

 湯長谷藩の殿・内藤政醇(佐々木蔵之介)もカッコいい。
 内藤政醇は、言葉は田舎訛りだし、お人好しだし、閉所恐怖症だし、一見、いいところが全然ない。
 ところが、実は物凄い<居合いの達人>なのだ。
 襲ってくる隠密を居合いの技で切りまくる。
 その技の美しいこと。
 これを見るだけで、この作品を見る価値がある。
 しかもメチャクチャやさしい。
 遊女のお咲(深田恭子)が折檻で木に縛られているのを見て気の毒に思い、お咲を買う。
 しかしエッチなことはしない。
 肩や背中を揉ませながら話を聞いてやる。
 咲が隠密に捕まって人質にされた時は刀を捨てる。
 これで、固く閉ざされていたお咲の心はとろけてしまった。
 身分にもこだわりがない。
 侍も百姓もないと思っている内藤の信条はこうだ。
「時に侍、時に百姓。
 移りゆく世を楽しく生きるのみじゃ」

 ネタバレになるので書かないが、こんな内藤が、自分たちを苦しめた悪の老中・松平信祝(陣内孝則)に対して最後に何を言うのかは大きな見所。

 湯長谷藩の7人の侍たちもカッコいい。
・西村雅彦
・寺脇康文
・上地雄輔
・知念侑李(Hey! Say! JUMP)
・柄本時生
・六角精児
・近藤公園
 基本ボケで、ふんどし姿で道を走りまわるようなキャラでありながら、実は彼らは<一騎当千の強者>ばかりなのだ。
 まさにギャップ萌え!

 コメディなのにカッコいい男たちが出てくる「超高速! 参勤交代」。
 参勤交代に着目してコメディドラマにした所もお見事。
 新しい時代劇が誕生した!

 
コメント
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