平成エンタメ研究所

最近は政治ブログのようになって来ました。世を憂う日々。悪くなっていく社会にひと言。

追悼、松野莉奈さん(私立恵比寿中学)~ソロ曲『できるかな?』は、せつなすぎる……

2017年02月08日 | アイドル
 私立恵比寿中学の松野莉奈さんが亡くなった。
 ショックだ。
 哀しい。
 だって年末の代々木体育館の学芸会ライブでは、あんなに元気だったのだから。

 りななんで思い出すのは、一昨年のファミえんだ。
 音声器械の故障で音が聞き取れず、手探りで『夏だぜジョニー』を懸命に歌っていた。
 それが悔しかったのだろう、メイキング映像では舞台裏で泣いているシーンが紹介されていた。
 しかし、器械が直ってふたたびステージに戻ると、自己紹介を始めて花道をモデルウォーク。
 メンバーからあいさつが長いとツッコまれる(笑)
 そして、やはり動揺していたのか、自己紹介の段取りを間違える(笑)
※ここは、りななんとの楽しい思い出なので、敢えて(笑)と入れます。
 
 ドラマ『ロボサン』では、実は物語のキイパーソンだった。
 未来人で、ロボサンが動かなかったのは、りななんとロボサンがケンカしていたから(笑)
 ロボサンを操縦していた時の〝やさぐれ感〟と〝貧乏揺すり〟が懐かしい。

『ちちんぷい』の「んがくくくっ!」の後に恥ずかしがる部分は演出だったようだ。
 ライブのメイキングを見ていたらリハーサルの時も恥ずかしがってた。
『ハイタテキ!』はカッコいい。
 冒頭でメンバーが左右に掃けると、りななんが中央に座っている。
 あれには、おおっ! と感動した。
 楽曲での語りやラップは大抵、りななんの担当だったなぁ。
『幸せの貼り紙はいつも背中に』は僕の好きな歌のひとつだけれど、りななんの赤い風船の語りは本当にしみじみする。

 そして、りななんのソロ曲……。
『できるかな?』
 この曲はもう聴けないよ。
 歌詞の内容と現実があまりにも乖離していて、せつなすぎる。
〝いつか上手にお別れできるかな?〟って……。

 こうして振り返ると、松野莉奈さんのことは僕の心にしっかり刻まれている。
 エビ中のライブ映像を見る時、どんな想いになるのかわからないが、エビ中ファミリーの心の中には、しっかりりななんがいる。
 りななん、楽しい思い出をありがとう。

 松野莉奈さんのご冥福をお祈りいたします。


 松野莉奈ソロ曲『できるかな?』(YouTube)

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「BAD FILM」園子温~むき出しの現実と人間の姿を目の当たりにして、観客は絶望する

2017年02月08日 | 邦画
 高円寺で繰り広げられる日本人不良グループと中国人不良グループの抗争。
 憎み合う日本人と中国人。

 まるで近い将来を暗示しているようだ。

 その抗争はヤクザの手打ちによって、いったん集結させられる。
 このヤクザっていうのはアメリカのことかね?
 日本と中国が戦争を始めたら、おそらくアメリカが仲裁に入る。

 こうして親睦を深めるようになった日本人と中国人の不良グループ。
 親睦野球をおこない、香港が返還になった時はいっしょにお祝いする。

 しかし、人間というのは争うことをやめない。
 虐げられていたゲイとレズのグループがグループの主流派に反旗を翻すのだ。
 日本人と中国人が仲良くするのを面白く思わない連中もこれに荷担する。

 おまけに彼らは銃を手にしたから暴力はエスカレートし、事態はますます凄惨になっていく。
 この〝銃〟に象徴されるものは、〝核兵器〟かな?
 人間は強力な武器を持てば使いたくなる。
 使えば、とんでもない事態になるのにそれをやめない。

 人間に対する絶望の物語である。
 人間は争うことをやめないし、武器を持てばそれを使い、凄惨な殺し合いを始める。
 日本人と中国人の女の子、カナとマギーはレズビアンで国境を越えて愛し合うが、〝LOVE&PEACE〟など、圧倒的な憎しみと暴力の前では霧散してしまう。
 マギーは醜い世界を一掃する<地球撲滅運動>の看板を掲げて街を歩きまわるが、これこそが人間に対する絶望の叫び。

 後味の悪い映画だが、後味の悪さこそが、この作品の目指す所だ。
 観客は、むき出しの現実と人間の姿を目の当たりにして、絶望する。
 ……………

 この作品は1990年代に園子温監督が主催した路上パフォーマンス『東京ガガガ』の参加者たちによって演じられている。
 手持ちカメラによる、渋谷のスクランブル交差点や新宿アルタ前で街宣活動やマジゲンカのゲリラ撮影。
 これでパトカーがやって来ることもしばしば。
 うん、この作品はこういう撮り方じゃないと成立しないし、リアリティが失われてしまう。

 路上パフォーマンス『東京ガガガ』については、改めて書きます。

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