「あんな政治家のために死ぬことはない!」
「泥をかぶって上ばかり見ているヒラメ官僚は不要です」
汚職事件に関わった官僚の物語である。
汚職事件の当事者である元官僚の鮫島(山中崇)は身の危険を感じ、仲間のアドバイスもあり、失踪し、亀と共にホームレスとして生きていた。
鮫島はいろいろな点で間違っていましたよね。
まず、政治家に言われて汚職に関わったこと。
次に、自殺しようとしたこと。
自殺せずに逃げたことはよかったが、逃げずに告発するという道もあった。
そう言えば、森友事件で財務省・近畿財務局の方が自殺されましたね。
大変、気の毒だが、自殺するくらいなら、内部告発してしまえばいいのにとも思ってしまう。
当事者の政治家やその妻は罪の意識を微塵も感じていない。
公文書書き換えを指示した佐川とかいう官僚は財務省を辞めはしたが、多額の退職金をもらった。
ほとぼりが冷めれば、どこかに天下りするのだろう。
こんなふうに真っ黒なやつは平気な顔をしているのだから、一矢報いた方が。
でも追い詰められると、そんな気力はなくなってしまうのかな?
正直者はバカを見る。
悪いやつほどよく眠る。
……………
ミステリとしては、いろいろ捻っていますね。
普通、汚職事件に関わった人間が殴打されれば〝汚職の証人の口を封じ〟と考える。
しかし、実際は違っていた。
右京さん(水谷豊)が、
道を歩いているリクガメ → リクガメの持ち主のホームレスの住処にあった新聞の短歌の投稿欄 → ホームレス=鮫島の特定
に至った過程はなかなかお見事。
鮫島が投稿した短歌に暗号が隠されていた、というのも面白い。
僕は、サイモン・シン著の『暗号解読』(新潮文庫)などの暗号に関する本を何冊か読んでいるんですけど、暗号としては割とシンプルですかね?
文字列から数字を読み取るというのは王道(=数字から文字を読み取る暗号の逆パターン)だし、明らかになった数字の列から郵便番号を読み取るのは比較的容易だろう。
指に絆創膏を貼っている人間がふたりいるというのも凝ってましたね。
これが犯人特定の物証になるのですが、視聴者にミスリードさせるために、絆創膏を貼った人間をふたりにした。
亀も上手く活用している。
ひとつは、亀の甲羅の裏に付着していた証拠。
ふたつめは、官僚をウサギとカメにたとえた暗喩。
三っつめは、「特命係の亀」← 懐かしいww
それにしても、ホームレスになって隠れていた鮫島はどんな気持ちで日々を過ごしていたんだろう。
哀れむな われは孤独になかりけり 空がわが家 歌がわが友
いい歌ですね。
ひとつの人生哲学になっている。
こんな心境から、鮫島は汚職政治家の告発という俗世のドロドロした世界に戻っていった。
「泥をかぶって上ばかり見ているヒラメ官僚は不要です」
汚職事件に関わった官僚の物語である。
汚職事件の当事者である元官僚の鮫島(山中崇)は身の危険を感じ、仲間のアドバイスもあり、失踪し、亀と共にホームレスとして生きていた。
鮫島はいろいろな点で間違っていましたよね。
まず、政治家に言われて汚職に関わったこと。
次に、自殺しようとしたこと。
自殺せずに逃げたことはよかったが、逃げずに告発するという道もあった。
そう言えば、森友事件で財務省・近畿財務局の方が自殺されましたね。
大変、気の毒だが、自殺するくらいなら、内部告発してしまえばいいのにとも思ってしまう。
当事者の政治家やその妻は罪の意識を微塵も感じていない。
公文書書き換えを指示した佐川とかいう官僚は財務省を辞めはしたが、多額の退職金をもらった。
ほとぼりが冷めれば、どこかに天下りするのだろう。
こんなふうに真っ黒なやつは平気な顔をしているのだから、一矢報いた方が。
でも追い詰められると、そんな気力はなくなってしまうのかな?
正直者はバカを見る。
悪いやつほどよく眠る。
……………
ミステリとしては、いろいろ捻っていますね。
普通、汚職事件に関わった人間が殴打されれば〝汚職の証人の口を封じ〟と考える。
しかし、実際は違っていた。
右京さん(水谷豊)が、
道を歩いているリクガメ → リクガメの持ち主のホームレスの住処にあった新聞の短歌の投稿欄 → ホームレス=鮫島の特定
に至った過程はなかなかお見事。
鮫島が投稿した短歌に暗号が隠されていた、というのも面白い。
僕は、サイモン・シン著の『暗号解読』(新潮文庫)などの暗号に関する本を何冊か読んでいるんですけど、暗号としては割とシンプルですかね?
文字列から数字を読み取るというのは王道(=数字から文字を読み取る暗号の逆パターン)だし、明らかになった数字の列から郵便番号を読み取るのは比較的容易だろう。
指に絆創膏を貼っている人間がふたりいるというのも凝ってましたね。
これが犯人特定の物証になるのですが、視聴者にミスリードさせるために、絆創膏を貼った人間をふたりにした。
亀も上手く活用している。
ひとつは、亀の甲羅の裏に付着していた証拠。
ふたつめは、官僚をウサギとカメにたとえた暗喩。
三っつめは、「特命係の亀」← 懐かしいww
それにしても、ホームレスになって隠れていた鮫島はどんな気持ちで日々を過ごしていたんだろう。
哀れむな われは孤独になかりけり 空がわが家 歌がわが友
いい歌ですね。
ひとつの人生哲学になっている。
こんな心境から、鮫島は汚職政治家の告発という俗世のドロドロした世界に戻っていった。