平成エンタメ研究所

最近は政治ブログのようになって来ました。世を憂う日々。悪くなっていく社会にひと言。

「光る君へ」 第8回「招かれざる者」~道長、直秀、為時、道兼……揺れ動くまひろの心

2024年02月26日 | 大河ドラマ・時代劇
 まひろ(吉高由里子)の心が揺れている。

 冒頭、道長(柄本佑)との身分の誓いを痛感させられて、
「もうあの人への想いを断ち切ったのだから」

 だが、赤染衛門(凰稀かなめ)からはこんな言葉。
「心はおのれだけのものでありますもの」
 そう、心の中は自由なのだ。
 心の中なら身分など関係なく誰かを愛せる。

 直秀(毎熊克哉)からは都の外の世界のことを聞かされて、
「いっしょに行くか?」
「……行っちゃおうかな」
 直秀と別の道を歩む可能性もあった。
 だが、ここでひと押しできないのが直秀。
「……行かないよな」
 言われてまひろは複雑な表情。

 父・為時(岸谷五朗)を支える道もあった。
 というより、まひろは父親のことを理解し、父親を支える道で生きていこうと考えていた。
「父上はこんな争いに巻き込まれたくないのよ。学問で身を立てたいのよ」
「内裏のことはわかりませぬが、父上には政治は似合いませぬ」

 仇敵・道兼(玉置玲央)と対峙。
「このようなことしかできませぬが、お耳汚しに」と言って、道兼のために琵琶を弾く。
 このようなことをしたのは道兼に負けたくなかったから。
 家に訪ねて来た道兼を見た時は逃げてしまった。
 だから、まっすぐ道兼の顔を見て琵琶を弾いた。
 そして道兼とこんな会話。
「母は七年前に身罷りました」
「ご病気か?」
「……はい」
「それは気の毒であった」
 後に道兼の前に現われた為時から理由を聞かれて、
「あの男に自分の気持ちを振りまわされるのは嫌なのです」
 まひろ、実に強い子だ。

 こんなふうに、まひろの心は揺れ動いている。
 まひろは何でもできる。
 道長を心の中で想うことも
 直秀と外の世界を見ることも
 為時と家のために生きることも
 道兼への怒りと憎しみを抱いて生きることも。
 まひろはこれらの思いをどのように昇華していくのだろう?
 ………………………………………………………………………

 政治の世界──
 花山天皇(本郷奏多)・藤原義懐(高橋光臣)一派と右大臣・左大臣・関白一派の政争が激化。
 義懐は権中納言に異例の出世。右大臣一派を排除しようとする。
 そんな中、兼家(段田安則)が病に倒れ、右大臣一派は劣勢に。
 詮子(吉田羊)は兼家を見限り、左大臣・源雅信(益岡徹)との結びつきを強くしようとする。
 花山天皇、義懐はさらに道兼を取り込もうとするが……。

 倫子(黒木華)の婚姻も進行中。
 雅信は道長との婚姻を渋っているようだが、倫子は道長に恋愛モード。
 父親の前では
「満更でもない顔などしておりませぬ……!」
 だが、ひとりになると、
「道長様……」

 道長と直秀は友情で結ばれつつあるようだ。
 道長は直秀が盗賊であることに気づいているが、黙認してキャッチボールをする。←進撃の巨人?
 しかし直秀が盗賊として捕まってしまい、次回どうなる?

 脚本の大石静さん、安定のストーリーテリングですね。
 すべての登場人物がイキイキと描かれている。
 派手ないくさや大きな事件は起きていないのに面白い。
 大きな事件がない分、人物の気持ちや事の経緯がゆっくりと、ていねいに描かれている。

 道兼は今後どう描かれるのだろう?
「どこへ行っても私は嫌われる」
 おそらく腕の傷は花山天皇に近づくための策略だろうが、それだけではない気がする。
 道兼も苦しんでいて誰かを求めている。
 だから為時の家に行った。兄・道隆(井浦新)の所ではなかった。
 為時は身分が下だし、政治的な人間ではないから、いっしょにいて楽なのだろう。
 為時は真面目すぎて、楽しく酒を飲む相手ではなかったが……。
 そして、まひろの琵琶に癒された。
 道兼は救いを求めている。

コメント (2)
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