平成エンタメ研究所

最近は政治ブログのようになって来ました。世を憂う日々。悪くなっていく社会にひと言。

「彦霊山秘録」 半村良~歴史の裏で活躍した<ヒ一族>

2010年11月24日 | 小説
 日本の歴史を想像力で解釈しなおしてみるのも面白い。
 半村 良の伝奇小説「産霊山秘録」がそうだ。

 この小説によると、日本の歴史の裏には<ヒ一族>という超能力集団が暗躍している。
 彼らは天皇家を支え、この国に安寧をもたらすために働いている。
 神社や仏閣は日本のパワースポットに置かれた建物であり、三種の神器・鏡、剣、勾玉はかつてはすべての神社に置かれていて、<ヒ一族>がテレポートしたり念力を使うための道具だった。
 では、彼らは日本の歴史にどう関わったか?

 戦国時代の争乱を鎮めるために<ヒ一族>は織田信長に力を貸した。
 明智光秀は<ヒ一族>のひとりで信長の覇業に手を貸す。
 上洛する武田信玄を念力で殺したのも<ヒ一族>だ。
 しかし信長は慢心。
 霊山である比叡山を焼き討ちし、天皇にとって代わろうとした。
 そこで<ヒ一族>の光秀は<本能寺の変>で信長を殺し、家康に力を貸した。
 そして江戸幕府。
 江戸は強力なパワースポットであり、光秀の弟であり<ヒ一族>である天海僧正は江戸のパワーを使ってこの国を平和をもたらそうとした。
 そして幕末。
 再び乱れたこの国を安寧にするために現れたのが坂本龍馬。
 龍馬は実は<ヒ一族>だった。
 坂本家の家紋が明智光秀と同じ桔梗であることが示すとおり、坂本家の出自は<明智家>=ヒ一族であったのだ。
 だから龍馬は幕末の混乱を鎮めるために活躍をした。

 といった具合である。
 なるほど、何となく筋が通っている。
 ここに要約したことより原作はもっと複雑で、海外のパワースポットの話や月の引力の話まで加わって壮大なストーリーになるのだが、実に痛快だ。
 実際、現在の科学では月の引力がなければ現在の地球はなかったとされているし。

 歴史を想像力で別の視点で解釈してみること。
 現実を        〃        。
 これはなかなか愉快な遊びだ。いや、遊びとは言えないかもしれない。
 なぜならかつて人間は地球が丸いなんてことを考えもしなかったのだから。
 現在の我々が正しいと思っていることなど、実は根拠の曖昧な頼りないものなのかもしれない。

 もしかしたら自分たちの隣に<ヒ一族>がいるかもしれない?



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