平成エンタメ研究所

最近は政治ブログのようになって来ました。世を憂う日々。悪くなっていく社会にひと言。

麒麟がくる 第10回 「ひとりぼっちの若君」~自分のことがよくわからない信長と、自分をすでに確立している竹千代

2020年03月23日 | 大河ドラマ・時代劇
「今川は敵です。いずれ討つべしと考えます。
 しかし、その顔を知りません。
 敵の懐に入り、顔を見てみとうございます」

 竹千代(岩田琉聖)、子供なのにすごい!
 悩む信長(染谷将太)に答えを与え、自分のなすべきこと、今後の戦略をしっかり考えている。
 竹千代は将棋が得意なようだが、将棋指しのように何手も先を読んでいる。
 信長の弟・信勝にわざと将棋で負けたように周囲を欺く術も知っている。
 おそらく今川に行っても、普通の子供を演じるのだろう。

 信長は自分が何者であるか、まだわかっていないようだ。
 光秀(長谷川博己)に「よくわからぬ男」と評されたのを聞いて、
「確かに自分のことがよくわからぬ」と同意した。

 溢れる才気、エネルギー。
 信長はこれをどう活用したらいいか迷っている。
 前回、松平広忠(浅利陽介)を殺害したが、父・信秀(高橋克典)から叱責された。
 魚を獲ったことで母親から褒められたので魚獲りを続けたが、今はそんなに喜ばれていない。
 自分のなすべきことは『広忠を殺害すること』なのか? 『魚獲り』なのか?
 はたまた『別のこと』なのか?

 迷う信長はアイデンティティが確立しておらず、青春真っ只中にいるんですね。
 しっかり自分を確立している竹千代とは大違い。
 ただ、将来の信長に繋がる断片はある。
『民に喜ばれること』『鉄砲への興味』『対今川の戦略』
 これらの断片がいつ繋がって形をなすのか?
 おそらく父・信秀が亡くなり、弟殺しで母を捨てた時、開花するんでしょうね。
 父親と母親は信長を抑圧している。

 それと、信長と竹千代は母親を追い求めているという点で共感し合っているようだ。
 信長は弟を溺愛する母親を求め、竹千代は引き離された母親を求めている。

 父親を否定し乗り越えることも、男の子にとって重要なテーマ(=フロイトの『オイディプス・コンプレックス』)で、信長は父親を乗り越えようとしているし、竹千代は「父が嫌いです」と言って父親の死を歓迎している。

 さて今週の駒ちゃん(門脇麦)。
「はっ!」 スタッ!
 綱渡りをして空中で一回転!!
 駒ちゃん、こんな特技を持っていたとは(笑)
 駒ちゃん、侮れない。奥が深い。
 こうなったら菊丸(岡村隆史)といっしょに忍者をやってほしい!

 おまけに駒ちゃんを助けたお侍が明智の人間であったことが判明。
 叔父の光安(西村まさ彦)ではないだろうから、助けたのは光秀の父親?
 駒ちゃんの物語も続く。


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8 コメント

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Unknown (ロギー)
2020-03-23 20:24:49
今晩はコウジさん。

染谷信長をみてるとサイコな一面がありますが、根っこは誰よりも純粋なんでしょうね。
しかし、こういう所が色々と良くも悪くも物語を盛り上げるんだと思います。
そんな孤独で個性的で危うい夫を大らかな妻である帰蝶がそっと見守るんでしょうね。
信長と帰蝶はお互いかけがえのない存在になって来るんでしょうね。


それにしても、光秀は相変わらず空気ですな。
明智光秀は前半生が全く不明でしたから仕方ないですからね。
正直言って池端先生は明智憲三郎氏の説を採用しなかったのですかね。
まあ~あれだと本格的な始まりが将軍義輝が暗殺された永禄の変前ってのがネックだったんでしょうかね。
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ソフトな光秀 (コウジ)
2020-03-23 20:45:29
ロギーさん

いつもありがとうございます。

ロギーさんは染谷信長にサイコな面を感じられましたか。
確かに不安定な面はありますよね。
光秀に「明日も来い」と言いに来た時の帰り方とかもどこか変。
あれは何なんでしょうね?
いずれにしても面白い信長像です。

光秀に関しては、帰蝶や駒との関係、利政との関係など、人間関係で見ると結構、楽しいです。
ただ歴史の大舞台で活躍する光秀を描くとすると、現在の光秀は物足りなく、明智憲三郎氏の光秀の方がいいですよね。

ソフトな光秀か。
ガチガチの戦国武将の光秀か。
大河ドラマが日曜8時のファミリー向けであることを考えると、現在の光秀の方が正解なのでしょうね。
返信する
ラッキーマン復活 (TEPO)
2020-03-24 01:40:52
>竹千代、子供なのにすごい!

まさしく!
幼少の頃から「生き死に」の切所を切り抜け続けて鍛えられたからなのでしょうが、それにしても並大抵の聡明さではありません。

>こうなったら菊丸といっしょに忍者をやってほしい!

天井裏に忍んでいたからには菊丸の正体は確定ですね。
だとすると第1話で野盗に捕らえられていたのはやはり韜晦だったか。
光秀の力量を確かめ、近づくために「わざと」ということも考えられます。

網野史学の影響を受けた隆慶一郎氏は、旅芸人のような「道々の輩」と忍びとはほとんど同類であるかのように見ています。
本作の伊呂波太夫も、諸国をめぐり歩く情報通として描かれていましたし。

>駒ちゃんを助けたお侍が明智の人間であったことが判明。光秀の父親?

どうやら私の方が「当たり」だったようですね。
今後の駒は、光秀の「恋人」では無くなっても、命の恩人の一族として明智家を見守り続けることになるのかもしれません。

ところで今回、再び「ラッキーマン」光秀が復活。
道三から、竹千代をめぐる織田家の内情を探れとのミッションを受けて尾張に来てみると、とんとん拍子に信長に目通り、その上当の竹千代と信長の面会場面にまで立ち会うことに。
信長は浜で会った光秀のことを覚えており、さらには鉄砲のことなどで光秀のことが気に入った様子。

他方、竹千代の方は光秀が薬草売りの片割れであったことには気がつかなかった―というより光秀は視線に入っていなかった―ようですが。
もっとも、恐ろしく聡明な竹千代は、実は気づいていたとしても、不用意にそのことに言及したりはしないでしょうね。
後になって、「あの時の……」ということもあるかもしれません。
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TEPOさんの「当たり」でした! (コウジ)
2020-03-24 10:17:04
TEPOさん

いつもありがとうございます。

家康は今後も聡明な人物として描かれていくんでしょうね。
これまでの家康と言えば、地味で愚鈍で保守的。
信長の方が才気溢れる鋭い男という描かれ方でしたが、今回は逆になるのかもしれません。
本能寺の変も『家康政権樹立』の目的のために、光秀はおこなうのかもしれません。

隆慶一郎氏の『影武者徳川家康』はまさに『道々の輩』でしたよね。
おっしゃるとおり、駒は明智家のために情報収集などの仕事をするんでしょうね。
これがテロップ3番目の意味?

駒を助けたお侍さんは、TEPOさんの「当たり」でした!
お見事です!

「ラッキーマン」光秀は見ていて、気持ちいいですね。
今回の信長に会って信頼を得るくだりも実にスムーズ。
都合良く行き過ぎだろう! とツッコミたくもなりますが、将軍に会うくだりといい、天は光秀のために動いてくれる(笑)
今の作品は、葛藤や困難を入れてストーリーの進行を止めるよりは、スムーズな流れの方がいいのかもしれません。

竹千代があのシーンでわざと黙っていたとしたら、やはりすごいですよね。
僕は竹千代が言い出すのではないかとヒヤヒヤして見ていました。

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お久しぶりです (megumi)
2020-03-26 10:20:31
おはようございます。

大河ドラマと言えば 
コウジさんの「平成エンタメ研究所」ですよね。

光秀の前半生は不明なので
架空の人物が出てくるのも 実在の人物と出会うのも構わないのですが
今回の前半 駒に尺を使い過ぎのようで退屈しました。
そこを堪えていたら 後半は 俄然 面白くなりましたが・・・。

尾野真千子さんは 「夏目漱石の妻」で
長谷川さんとは夫婦役として相性が良かったので
伊呂波太夫役は物足りなく感じています。
今後 伊呂波太夫の活躍があることを期待したいです。

来年の大河が 私には無理っぽいので
今年こそは 頑張って完走したいと思っています。

コウジさんの『良いところを見つける』姿勢には
敬服しています。

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確かに (コウジ)
2020-03-26 10:47:42
megumiさん

お久しぶりです。
コメントありがとうございます。

確かに駒のシーン、もっと詰めてもよかったですよね。
桔梗の紋のことがわかって自宅に走るシーンとかは要らない気がします。
ここは駒の表情を見せるだけで十分ですよね。
駒の様子がおかしいことを望月東庵先生が語るのも、確か3度目?

>今年こそは 頑張って完走したいと思っています。
ぜひ完走なさって下さい!
こちらにもぜひ遊びに来て下さい。

あと、来週からの朝ドラ。
窪田正孝さんですよ!
返信する
嬉しいです (megumi)
2020-03-26 19:18:37
こんばんは。

>あと、来週からの朝ドラ。
窪田正孝さんですよ!

そうなんですよ♪
キャスティングも良いし 楽しみです。
あとは 脚本ですよね。
朝ドラの脚本は 
民放ドラマで実績をあげた方が書かれても 崩壊してしまうので心配です。
土曜日に 月~金の5話分をまとめ見しようと思っています。

大河ドラマの再放送が「太平記」に決まって 楽しみです。
「太平記」は 何故か本放送を見ていなかったので
10年ほど前に レンタルビデオで高速視聴しました。
今度は じっくり見ます。
返信する
池端俊作さん脚本 (コウジ)
2020-03-26 21:56:07
megumiさん

今度の朝ドラの脚本家さんは製作と意見が合わず、降板したみたいですね。
果たしてどうなるのか?

『太平記』は池端俊作さん絡みなんでしょうね。
『麒麟』の脚本を池端さんが書いているから、『太平記』。
『太平記』の時代のことは僕もよく知りませんから、確かに見直してみたいですね。
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