平成エンタメ研究所

最近は政治ブログのようになって来ました。世を憂う日々。悪くなっていく社会にひと言。

医龍2 カルテ11

2007年12月21日 | 職業ドラマ
 最終回

★「医龍」の魅力・新しさは手術シーンをサスペンスにしたことだろう。
 移植心臓が使えなくなるまでのカウントダウン。
 例えば「ガリレオ」の爆弾解除シーンと同じ。
 朝田(坂口憲二)は湯川先生と同じ立ち位置。
 足を痛めた伊集院(小池徹平)のもとにやって来るヘリ。
 まさに「24」を見ている様な映像。

 チームプレイも魅力のひとつだ。
 各自がプロフェッショナルで自分自身の持ち場をしっかり守る。
 野球とかサッカーを見ている様な感じ。

 チームが全員登場で歩くシーンは歌舞伎で言う見栄を切るシーン。舞台のカーテンコールも思わせる。

 医療ドラマは医療ドラマ風に、刑事ドラマは刑事ドラマ風にという時代は終わった。
 何かを組み合わせることで新しいドラマが生まれる。

★野口先生はおいしい
 この様に作劇に様々な趣向を凝らせた「医龍」だが、今回は何と言っても野口先生(岸部一徳)だ。

 日本初の心肝同時移植手術を成功させたら大きな話題になると聞かされて
「がんばってって伝えてくれるかな、朝田ちゃんに」
 この毀誉褒貶。朝令暮改。
 パーティで「れっつ・ぱーてぃ~」。
 あの奇妙な動き。
 岸部さんの遊び心を感じる。
 野口先生はこうなると何でもありだ。
 天国から地獄もある。
 心肝同時移植手術を発表と思いきや、スクリーンに映し出される不正暴露の記事。
 最後にグッサリ。
 おまけに瑕疵条項による経営権の剥奪。
「これが本当のウインウインです」
 これらすべてが片岡(内田有紀)の仕組んでいたこととは。
 映画「スティング」を見るような感じ。
 アメリカで救急車に運ばれるくだりはやり過ぎな様な気がするが、野口先生はおいしい役だ。

★片岡のドラマ
 患者のために目の前の患者を救うことに命を懸け、結局報われずに借金だけを残して死んでいった父親。
 これが片岡の根っこだった。
 理想よりも現実。
 それが彼女の選んだ生き方だったが、迷いはあった。
 そんな彼女が朝田を見て思ったことは、医師の崇高な姿。

 片岡は明真を乗っ取り、政治の力で理想の医療を実現しようとする。
 これで彼女もチームの一員だ。
 片岡は患者と真剣に向き合う医師が報われるように国からお金を取ってくると言うが……。
 折しも昨日は薬害肝炎の政府の結論が出た日。
 困難な道だががんばってほしい。
 
★桐島と鬼頭の理想
 最後は霧島軍司(北村一輝)も登場。
 人工心臓を鬼頭笙子(夏木マリ)に届けたのだった。
 鬼頭は人工心臓を認めさせることで現在の移植心臓がなくて死んでいく(しかも高額な医療費で)患者を救おうとしていた。
 ここにも自分なりの方法で理想の医療を実現しようという人間がいる。

 しかし北村さん、ワンポイントの出演でおいしい所を持っていく。
 佐藤二朗さんとともに存在感のある役者さんだ。



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2 コメント

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医龍☆ (エデン)
2007-12-26 00:26:48
医龍、面白かったですね。
あっ、コナン記事、楽しみにしてますよ。

刑事が臨床心理士と組んで捜査するという某ドラマが印象的。
こういう新しい組み合わせに新しいドラマが生まれますね。
返信する
コメントありがとうございます (コウジ)
2007-12-26 09:52:55
エデンさん

コメントありがとうございます。

「医龍」はコミック原作ですが、原作にないプラスアルファを加え、原作とは違った独立した作品になりましたね。
コミックからの映像化はこの点が難しいと思いますが、他の作品も映像でしか出来ないことを加えてほしいと思います。

「コナン」はまだ見られていないのですが、これもコミックからの映像化に成功している作品だと思います。アガサ博士なども違和感がないですし。
楽しみです。
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