平成エンタメ研究所

最近は政治ブログのようになって来ました。世を憂う日々。悪くなっていく社会にひと言。

罠の戦争~「弱い者の痛み、想像してみろよ!」 主人公は議員秘書。永田町版の『半沢直樹』だ!

2023年01月21日 | 職業ドラマ
「弱いやつはどんなことでも飲み込めというのか!」
「考えたこともないだろう!? 他人の痛みや悔しさを!」
「弱い者の痛み、せめて想像してみろよ」

 月曜10時フジテレビのドラマ『罠の戦争』の主人公の言葉である。
 主人公は鷲津亨(草彅剛)。
 大臣の犬飼孝介(本田博太郎)の秘書だ。

 鷲津は有能な秘書だ。
 政治資金パーティでは客の顔と名前と近況をすべて把握していて、
 犬飼大臣があいさつする時、耳打ちする。
 犬飼は暴言癖があるので、その対応で、
 抗議団体に謝ったり、記者会見での謝罪文書を作成したりする。
 大臣の代わりに国会の委員会に出たりもする。

 この作品、永田町のリアルが描かれていて面白い。

 そんな鷲津の息子・泰生(たいき・白鳥晴都)が何者かに歩道橋から突き落されて
 瀕死の重傷を負う。
 泰生は目を覚まさない。
 鷲津は警察に犯人逮捕を求めるが、病院に犬飼がやって来て、
「この件は事故だったことにしてくれ」
 と土下座する。
 どうやら泰生を突き落した犯人は政界の大物の関係者らしい。
 完全な揉み消しだ。
 政治家にとって土下座は日常茶飯事なことでもある。
 おまけに犬飼は、
「もし命令に従わなければ犬飼の息子がやった収賄事件を鷲津がやったことにする」
 と脅す。

 この理不尽に鷲津は、いったん飲み込むフリをするが、心の中は怒りで震えている。
 犬飼を政界から追放し、息子を突き落した犯人を明らかにする決心をする。
 ………………………………………

 いいですね、このドラマ。
 日頃、僕たちが抱いている政治家への不満や憤りを解消して、スカッとさせてくれる。
 権力を持つ者は枕を高くして眠り、弱い者は虐げられて涙を流す。
 この現実を逆転させてくれる。

 主人公の鷲津は、永田町を知り尽くしているし、
 犬飼大臣のまずいネタを把握しているのでいくらでも闘える。
 今後、鷲津はどのような闘いをするのか?

 まさに永田町を舞台にした新しい『半沢直樹』だ。

 小野花梨さんがパワハラを受ける秘書・蛍原梨恵役で出ている。
 男性優位社会の永田町で梨恵は秘書を辞めることを考えるが、
 鷲津が手を差しのべ、いっしょに闘うことになる。
 小野花梨さん、上手い女優さんだな。
『親バカ青春白書』『カムカム・エヴリバディ』でもいい味を出していたが、
 草彅剛さんとの相乗効果で、どんな演技を見せるのか?
 
 正義を追及するる週刊誌記者・熊谷由貴役は宮澤エマさんが演っている。
『鎌倉殿の13人』の実衣役。78代総理大臣・宮澤喜一氏の孫。
 これまた、いい味を出している。
 宮澤エマさんにはこういう役が合っている気がする。

 永田町を舞台にしたドラマ。
 このドラマのように秘書が政治家の不正や揉み消しを許さず、闘ってくれたら、
 この国の政治はもっとよくなるのになぁ……。
 でも、これが出来るのはドラマの中だけ。
 現実の永田町は全然、変わらない。
 永田町の住人たちよ、頼むから闘ってくれ!


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