平成エンタメ研究所

最近は政治ブログのようになって来ました。世を憂う日々。悪くなっていく社会にひと言。

男はつらいよ

2008年10月01日 | 邦画
 先週テレビ東京で「男はつらいよ」をやっていました。

★感じるのは「三丁目の夕日」と同じ空気。
 というより「三丁目」が「寅さん」で描かれた世界をCGで再現していると言うべきか。
 例えば喧嘩。
 茶川先生と鈴木社長は大喧嘩をするが、それは寅さんとタコ社長の喧嘩と同じ。
 そこには隣近所の交流がある。
 誰が何をしていて何に悩んでいるかを町のみんなが知っている。
 今回見て気がついたのは柴又の町が帝釈天のお寺のもとひとつにまとまっていることだ。
 寅を始め町中の人が御前様(笠智衆)のことを尊敬している。
 こういう町の繋がりが昔はあった。

 これを良しとするか否かは意見の分かれる所かもしれないが、現在はあまりにも個人の時代に行きすぎている。
 近所の繋がりがなくなり、今は家族の繋がりがなくなってる。
 何しろ少年事件などを見ると親は子供が自分の部屋で何をして何を考えているのかわからないのだから。
 恋愛で悩んでいる寅さんを心配したり「バカだね」と言ったりするつながりは今はない。

★口上もこの作品の魅力
 寅さんの口上は全部リズムのある七五調。
 現在、七五調の言い立てを聞けるのは寄席ぐらいか。
 昔は朗誦の文化があった。
 この言語感覚を表現できる作家、役者さんは現在いない。
 ちなみに第1作の口上は
「七つ長野の善光寺八つ谷中の奥寺で、竹の柱に萱の屋根、手鍋下げてもわしゃいとやせぬ。信州信濃の新そばよりも、あたしゃあなたのそばがよい、あなた百までわしゃ九十九まで、共にシラミのたかるまで、と、きやがった、どうだチキショウ。さあこれで買い手がなかったら、私、稼業三年の患いと思って諦めます、ねえ、西に行って天橋立、東に行って東京、西と東の泣き別れだ、おい!」

★夢の共演
 今回は志村喬さんが博の父役で出演。
 寅さんというとマドンナばかりに関心が行くが脇役で出演する豪華な役者さんも見逃せない。
 考えてみると御前様が笠智衆さんで、笠さんと志村が夢の共演をしているんですよね。
 結婚式で博の父の名前の漢字が読めなくて(諏訪ひょう一郎/ひょう(風へんに火3つ)、みんながごまかす所はおかしかった。



コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 大前春子 「ハケンの品格」 | トップ | 東京カワイイ★TV »

コメントを投稿

邦画」カテゴリの最新記事