さまざまな母の姿が描かれた。
まひろ(吉高由里子)は父・為時(岸谷五朗)に
「賢子にひもじい思いをさせないため父上よろしくお願いします」
娘を持って、まひろは現実的になった。
倫子(黒木華)は──
「帝のお渡りがあるよう知恵を絞っているのはわたくしにございます」
娘・彰子(見上愛)のために藤壺の御座所を華やかなものにしようとする。
明子(瀧内公美)は息子の厳君が見事に舞って得意満面。
従五位を賜り、倫子にも勝った。
詮子(吉田羊)は息子の一条天皇(塩野瑛久)に病をうつさないため
自分に触れることを許さない。
さまざまな母の姿。
明子はつらいかな……。息子を自分の道具にしようとしている。
詮子はずっと息子(一条天皇)を思っていたような気がする。
帝の位を盤石にしようとしたのも息子のため。
息子を奪った定子(高畑充希)に対しては嫉妬。
そう言えば、もうひとり母親がいましたね。
彰子だ。
定子の遺児・敦康親王を抱いた時、はじめて笑顔になった。
彰子は愛する対象を求めていたのかもしれない。
まわりは大人ばかり、夫の一条天皇は年上、かといって花鳥風月には心を動かされない。
愛する対象を得て、彰子の心は大きく開く。
世界はこんなに美しかったんだと気づき始める。
…………………………………………
まひろと宣孝(佐々木蔵之介)は最後にはいい夫婦になった。
宣孝の大きな愛。
そして茶目っ気、明るさ、現実の肯定。
道長は暗いからな~。
子供の頃の道長は宣孝みたいに自由で明るかったのに
身分と家に縛られてそれがなくなった。
まひろは宣孝に「子供の頃の道長(三郎)」を見ていたのかもしれない。
まひろと清少納言(ファーストサマーウィカ)の違い。
まひろは人間の裏の顔に興味がある。
オモテの言動ではわからない心の奥底にあるものに関心がある。
裏の顔を持った人物。
周明(松下洸平)がそうだった。
直秀(毎熊克哉)もそうだった。
道長にも、まひろに心を寄せているという裏の顔がある。
そしてオモテも裏もひっくるめて、その人間を愛する。
これを教えてくれたのは宣孝だった。
まひろに関わった男たちは皆、影響を与えている。
一方、清少納言は裏の顔に目を背ける。
彼女は美しいもの、光輝くものだけを愛している。
道長に関しては「左大臣は怖ろしき人」。
道長に対して清少納言は表面的なものしか見ていない。
ここに清少納言の文学の限界がある?
『枕草子』のナレーションではこんなせりふ。
「この草子が道長を脅かすことになる」
物語は『枕の草子』をめぐって進行していくようだ。
定子の時代が素晴しかったことを物語る『枕草子』。
これで伊周が力を持ち始める。
一方、道長には何もない。
彰子のサロンが素晴しいことを語るためのツールがほしい。
そこで登場するのが『源氏物語』。
面白い展開だ。
文学作品が物語を動かしている。
まひろ(吉高由里子)は父・為時(岸谷五朗)に
「賢子にひもじい思いをさせないため父上よろしくお願いします」
娘を持って、まひろは現実的になった。
倫子(黒木華)は──
「帝のお渡りがあるよう知恵を絞っているのはわたくしにございます」
娘・彰子(見上愛)のために藤壺の御座所を華やかなものにしようとする。
明子(瀧内公美)は息子の厳君が見事に舞って得意満面。
従五位を賜り、倫子にも勝った。
詮子(吉田羊)は息子の一条天皇(塩野瑛久)に病をうつさないため
自分に触れることを許さない。
さまざまな母の姿。
明子はつらいかな……。息子を自分の道具にしようとしている。
詮子はずっと息子(一条天皇)を思っていたような気がする。
帝の位を盤石にしようとしたのも息子のため。
息子を奪った定子(高畑充希)に対しては嫉妬。
そう言えば、もうひとり母親がいましたね。
彰子だ。
定子の遺児・敦康親王を抱いた時、はじめて笑顔になった。
彰子は愛する対象を求めていたのかもしれない。
まわりは大人ばかり、夫の一条天皇は年上、かといって花鳥風月には心を動かされない。
愛する対象を得て、彰子の心は大きく開く。
世界はこんなに美しかったんだと気づき始める。
…………………………………………
まひろと宣孝(佐々木蔵之介)は最後にはいい夫婦になった。
宣孝の大きな愛。
そして茶目っ気、明るさ、現実の肯定。
道長は暗いからな~。
子供の頃の道長は宣孝みたいに自由で明るかったのに
身分と家に縛られてそれがなくなった。
まひろは宣孝に「子供の頃の道長(三郎)」を見ていたのかもしれない。
まひろと清少納言(ファーストサマーウィカ)の違い。
まひろは人間の裏の顔に興味がある。
オモテの言動ではわからない心の奥底にあるものに関心がある。
裏の顔を持った人物。
周明(松下洸平)がそうだった。
直秀(毎熊克哉)もそうだった。
道長にも、まひろに心を寄せているという裏の顔がある。
そしてオモテも裏もひっくるめて、その人間を愛する。
これを教えてくれたのは宣孝だった。
まひろに関わった男たちは皆、影響を与えている。
一方、清少納言は裏の顔に目を背ける。
彼女は美しいもの、光輝くものだけを愛している。
道長に関しては「左大臣は怖ろしき人」。
道長に対して清少納言は表面的なものしか見ていない。
ここに清少納言の文学の限界がある?
『枕草子』のナレーションではこんなせりふ。
「この草子が道長を脅かすことになる」
物語は『枕の草子』をめぐって進行していくようだ。
定子の時代が素晴しかったことを物語る『枕草子』。
これで伊周が力を持ち始める。
一方、道長には何もない。
彰子のサロンが素晴しいことを語るためのツールがほしい。
そこで登場するのが『源氏物語』。
面白い展開だ。
文学作品が物語を動かしている。
先週、完全に闇落ちした伊周を黙って見ていた清少納言の姿がありました。
私は彼女が伊周を一定の距離を持って客観視する姿勢でいてくれることを願っていたのですが、どうやら想いはほぼ伊周に同化していたようでいわば「半闇落ち」。
これまで「枕草子」は失意の定子に生きる支えを提供してくれた「美しい光」の側面を示していましたが、今後は「定子の全面的美化=反道長の政治的プロパガンダ文書」としての「影」の性格が示されてゆくのでしょう。
「枕草子」は実名記載なので、「策謀家道長」という通常の「史実像」―本作全体がこれに対する挑戦である―形成にも影響があったことでしょう。
定子の死によって時間的ずれが生じるため
>「彰子に仕える紫式部」対「定子に仕える清少納言」という対立にはならないと思う
と先週書きましたが、この調子だと近い将来二人の関係は決裂するのかもしれません。
「源氏物語」はある意味で「枕草子」に対抗する存在となるのでしょうが、あくまでも「物語(フィクション)」であり、また登場人物の「光と影」の両面を描く点で、客観的な視座と文学的な深みとが担保されてゆくような気がします。
今回、道長もまひろも共に庇護者を失いました。
道長の一般的な史実像に帰される「権力志向と策謀」は、本作では詮子―安倍清明や藤原行成はあくまでも「部下」―が一手に担っていました。
彼女が道長に打たせた最後の策は「敦康親王を人質に取る」こと。
詮子は常に権力闘争の犠牲者だったがゆえに、その手口を熟知していました。
彼女は円融天皇に愛されず、息子の懐仁親王(後の一条天皇)のみが救いでした。
その懐仁親王を、父兼家は「人質」として自邸に引き取りましたが、委ねられたのは母である自分では無く兄道隆一家。
道隆に完全に囲い込まれた懐仁は、幼少時から年上の定子を姉のように慕っており、このことが成人してからも続く定子溺愛の土台となっていました。
我が子であるにもかかわらず懐仁=一条天皇に近づけず、むしろ引き裂かれてしまった幼少時からの「刷り込み」の力を知悉していたからこそ、伯父にすぎない伊周から敦康親王を引き離す策をとったのでしょう。
>敦康親王を抱いた時、はじめて笑顔になった。
詮子の「策」は、明るい「副産物?」として彰子の心に「大化け」のきっかけをもたらしたようです。
養母だとしても母性に覚醒した彼女は、今後自分の子が欲しいと思うようになるのでしょう。
そのサポート役となるのが「紫式部」!?
まひろも、不器用な父・為時ごと一族を庇護してくれていた夫・宣孝を失いました。
賢子のためにも「就活」が必要。
幸い、「五位・受領の娘」という「女房の基礎資格」は取得済み。
いよいよ、まひろが「紫式部」になる日も近いようです。
このドラマ、キャスティングが上手いですね。
父・為時も夫・宣孝も嵌まり役で、それぞれの持ち味が好きでした。
一条天皇が、明子の子の巌君の舞だけを評価したことに対するブログ記事を興味深く読みましたので
貼らせてください。
https://ameblo.jp/eiichi-k/entry-12861726250.html
昔から清少納言が苦手だったので、皇后定子も好きではありませんでした。
繰り返しになりますが、宋王朝は海外貿易は割と民間任せの傾向がありました。
なので、朱仁聡が「対日貿易の拡大」という宋朝の密命を帯びているという設定が、ちょっと腑に落ちないんですよね。
このあたりの「ナゾ設定」も、今後の話の流れとは関係がないので、再度取り上げられることはないでしょうけど。
今回、ききょうとまひろが微妙な感じになってきました。
なるほど、少納言と式部の仲が悪いとはよく言われる話ですが、こうしてつながっていくわけですか、上手ですね。
いつもありがとうございます。
まひろと清少納言の関係はどうなっていくんでしょうね。
『源氏物語』を評価して友人関係が続くのか?
道長・彰子側の人間として敵視するのか?
ここは作家のさじ加減ですね。
道長は詮子という「策を授ける人物」をひとり失いましたね。
残るは安倍晴明のみ。
晴明がいなくなると、権力維持のための策を立てる者がいなくなるわけで、今後の道長は自分の意思で難局を乗り越えていくことになりそうです。
あとは行成がいますが、行成は詮子や晴明ほど思い切ったことは出来なさそうです。
詮子は兼家の手法を踏襲していたんですね。
なるほど確かに。
伊周の身分を元に戻したのは罪悪感からだったのか。
生活の困窮+五位・受領の娘+彰子=紫式部の誕生。
上手い展開ですね。
中宮・定子を追い詰めるくだりは物語として乗れなかったのですが、これからはまひろがオモテに出てきて面白い展開になりそうです。
いつもありがとうございます。
リンクのブログ読みました。
見事な考察と分析。
俊賢が「帝の御所望だと、妹明子が申しておりました」と語ったことは見逃していました。
キャストは伊周の妻で幾子=松田るか様が出て来ました!
松田るか推しとしてはうれしいかぎりです!
いつもありがとうございます。
為時パパの再登場。
相変わらずクソ真面目でしたね。
Xのタイムラインに流れて来る、NHKの「光る君へ」のムック本を読んだ方のポストに拠ると、周明は後半登場するようです。
確かにここでフェイドアウトだと松下洸平さんの無駄遣い。
朱仁聡も関連で出て来るかもしれません。
紫式部と清少納言。
史実だと、仲悪い展開になりそうですね。
今までがいい感じだったので、もったいない気もします。