平成エンタメ研究所

最近は政治ブログのようになって来ました。世を憂う日々。悪くなっていく社会にひと言。

どうする家康 第20回「岡崎クーデター」~民を恐れさせる殿様より民を笑顔にする殿様の方がずっといい

2023年05月29日 | 大河ドラマ・時代劇
 ふたりの家臣の言葉が披露された。

 ひとりはクーデターの首謀者大岡弥四郎(毎熊克哉)。
「沈む船に乗り続けるは愚かでござる」
「われらはずっといくさをしておる!
 殿は織田信長にしっぽを振って、われらに死んで来いと言い続けておる!」
「何のご恩があろう! ご恩だの忠義というのはわれらを死ににいかせるための言葉じゃ」

 痛烈である。
 これが戦国の世の習いとはいえ、正論でもある。

 一方、新しく家臣になった井伊虎松(板垣李光人)。
「私は幼き頃より民の悲しむ姿、苦しむ姿ばかりを見て来ました。
 しかし、殿の話をする時は愉快そうに大笑いします。
 民を恐れさせる殿様より民を笑顔にする殿様の方がずっといい。
 殿にこの国を守ってもらいたい。
 心の底では民はそう願っていると存じます」

 虎松は武田勝頼(真栄田郷敦)よりも家康(松本潤)を選んだ。
 武田家よりも徳川家の方が出世できる。徳川家の方が面白いやつがいそう。
 という理由もあったようだが、どこか家康に引っかかるものがあったのだろう。

 頼りないから自分が助けてあげたいと思う。
 頼りないけど、やさしい。
 これが虎松の家康の評価。

 頼りないから頼りになる武田につく。
 頼りないから織田にしっぽを振り、家臣を苦しめる。
 これが大岡弥四郎の家康の評価。

 いずれも正しい家康の評価だ。
 要は家康という人物をプラスで見るか、マイナスで見るか。

 僕はプラスで見る「家康派」かな~。
 お手付きをした家康に、
「殿、どうするおつもりです? ぷぷぷっ」
「何を考えておられるんじゃあ!」
「やっちまったな。どうしようもないやつだ!」
 と言える関係の方が楽しそう。
 もちろん頼りない分、 苦労も多いだろうが、
 苦労するのは武田でも織田でも同じ。
 ………………………………………………………

 一方、岡崎城内には火種がくすぶっている。
 五徳(久保史緒里)は瀬名(有村架純)に、
「私は織田信長の娘じゃ! 無礼者!」
 信康(細田佳央太)は五徳に、信長はいつも助けに来ない、皮肉。
 瀬名は千代(古川琴音)を取り込むために接近。
 築山事件は近づいている。


コメント (2)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 「愛国商売」 古谷経衡~ネト... | トップ | 邪馬台国はどこにあったのか... »

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
合理主義でははかれない何か (コウジ)
2023-05-30 08:48:27
TEPOさん

いつもありがとうございます。

>大岡弥四郎は「打算的に動く人間」というだけのこと。
弥四郎は損得で考える人物なんですよね。
合理的に考えれば、武田の舟に乗った方が正しい。
でも、人生には合理主義でははかれない何かがあって、瀬名や山田八蔵の「情」や、頼りない家康とへんちくりんな家臣団を面白いと感じる虎松の「直感」「感性」などが左右するんですよね。

そして徳川四天王の誕生。
現状、本多忠勝がカッコイイを独占していますが、虎松の登場で、それが逆転するかもしれません。
盛り上がる作劇ですね。

>史実は分かっているので、そこに直結する暴挙となってしまうのか、あるいは何らかの「捻り」があるのか、今後の展開に注目です。
ここですよね。
現状、瀬名が千代に近づいたのは信長に言いがかりをつけられかねない案件。
このまま言いがかりをつけられて終わる展開だと、瀬名がおバカになってしまいますので何らかの「捻り」があるんでしょうね。
そして築山事件の結果、千代はおそらく仲間になるんでしょうね。
服部半蔵と千代の共闘。
これも盛り上がりそうですね。
返信する
虎松と瀬名 (TEPO)
2023-05-30 00:58:03
大岡弥四郎と井伊虎松(直政)とが対比されているとのご指摘は「なるほど!」です。
「切れ者」と評されていた大岡弥四郎は「打算的に動く人間」というだけのこと。

他方、虎松の方は少年ながら「家康暗殺未遂犯」という敵対的な出会いから出発している分だけ魅力的な人物像に仕上がっています。
演じる板垣李光人さんは「美女」を思わせる顔立ちなので、家康を襲撃した際には「くノ一の刺客」かと思いましたが、今回の岡崎城でも偽亀姫役となってクーデター部隊を迎撃していたのはお似合いでした。
虎松が「変ちくりんなのばっかり」と称していたのは、おそらく後の「四天王」の先輩となる忠勝・康政のことでしょう。
「あの小僧は使えそうか?」との家康の問いに、忠勝は「ああ、まあ」と答えていました。
家康襲撃後に虎松を捕まえたのもこのコンビで、その時忠勝は「腕と度胸は子供とは言えませんぞ」と家康に警告していました。
おそらく虎松は「先輩コンビ」とも認め合う間柄になっていたのでしょう。

>築山事件は近づいている。
前回千代の暗躍が示唆されていたので、いよいよ本作前半最大の悲劇が始まるのかと思いましたが、今回はいわば「瀬名の勝利」。
家臣たちの手当てに献身する瀬名の姿に打たれた山田八蔵の翻意によって岡崎クーデターを未然に防ぐことができました。
しかし、瀬名が自分の方から強敵千代に接近したのには驚き。
史実は分かっているので、そこに直結する暴挙となってしまうのか、あるいは何らかの「捻り」があるのか、今後の展開に注目です。
返信する

コメントを投稿

大河ドラマ・時代劇」カテゴリの最新記事