リヒャルト・ワーグナーの『ワルキューレの騎行』
初めて聴いた時、これ頭のおかしい曲だと思った。
・高らかに奏でる主旋律を管楽器!
・キュンキュンと泣き叫ぶ弦楽器!
・ワルキューレのブリュンヒルデ(歌手)が Hojotoho! Hojotoho! Heiaha!
実際、ワグナーに心酔する人には狂気の人物が多い。
バイエルンの狂王ルートヴィッヒ二世
彼のノイシュバンシュタイン城はルートヴィッヒ二世の理想の世界を実現するために造られた。
目指すのは神話世界の実現だ。
ワグナーはこれをオペラで表現したが、ルートヴィッヒ二世は建築物で表現しようとした。
※ノイシュバンシュタイン城~ヨーロッパに旅行に行った時、拝観した。
完全に観光地化されていたが、そうでなければルートヴィッヒ二世の狂気を感じたかもしれない。
アドルフ・ヒトラー
ワグナーは民族主義者で、英国の資本主義、フランスの共和主義を否定し、
ドイツの偉大さを芸術で表現しようとしたが、ヒトラーはこれを現実で表現しようとした。
ワグナー同様ユダヤ人を憎み、憎悪を加速させてホロコーストをおこなった。
連合軍がベルリンに迫っているのに、バイロイトのワグナー音楽祭を強行しようとした。
……………………………………………………………………………
そしてコッポラーの映画『地獄の黙示録』
ベトナム戦争。
飛来する米軍のヘリコプター部隊。
任務はベトコンの一掃。
ヘリコプター部隊の隊長は戦闘時に『ワルキューレの騎行』を高らかに鳴らす。
『ワルキューレの騎行』を響かせながらベトコンおよび民間人を攻撃していく。
ワルキューレとは「戦場の戦士を天上の宮殿ヴァルハラへ連れて行く女神たち」のことだが、
ヘリコプター部隊はまさにそれ。
『地獄の黙示録』は戦場でのさまざまな狂気が描かれたが、このシーンの狂気はすごかった。
ここで『ワルキューレの騎行』を持って来るコッポラーのセンス!
この狂気についていけないヘリコプター部隊の隊員が戸惑った顔をしている所にテーマを感じる。
途中でベトナムの村の子供たちの退避シーンを入れた所もコッポラーの主張を感じる。
ワーグナーの音楽は人間を狂気に誘う。
もしかしたら人間は狂いたがっているのかもしれない。
日常はあまりにも平凡で、人を常識や世間の目や法律や道徳で縛りつけるから。
人がワーグナーの音楽に魅了される理由はこんな所にあるのだろう。
※動画はこちら
「地獄の黙示録」~ワルキューレの騎行(YouTube)
初めて聴いた時、これ頭のおかしい曲だと思った。
・高らかに奏でる主旋律を管楽器!
・キュンキュンと泣き叫ぶ弦楽器!
・ワルキューレのブリュンヒルデ(歌手)が Hojotoho! Hojotoho! Heiaha!
実際、ワグナーに心酔する人には狂気の人物が多い。
バイエルンの狂王ルートヴィッヒ二世
彼のノイシュバンシュタイン城はルートヴィッヒ二世の理想の世界を実現するために造られた。
目指すのは神話世界の実現だ。
ワグナーはこれをオペラで表現したが、ルートヴィッヒ二世は建築物で表現しようとした。
※ノイシュバンシュタイン城~ヨーロッパに旅行に行った時、拝観した。
完全に観光地化されていたが、そうでなければルートヴィッヒ二世の狂気を感じたかもしれない。
アドルフ・ヒトラー
ワグナーは民族主義者で、英国の資本主義、フランスの共和主義を否定し、
ドイツの偉大さを芸術で表現しようとしたが、ヒトラーはこれを現実で表現しようとした。
ワグナー同様ユダヤ人を憎み、憎悪を加速させてホロコーストをおこなった。
連合軍がベルリンに迫っているのに、バイロイトのワグナー音楽祭を強行しようとした。
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そしてコッポラーの映画『地獄の黙示録』
ベトナム戦争。
飛来する米軍のヘリコプター部隊。
任務はベトコンの一掃。
ヘリコプター部隊の隊長は戦闘時に『ワルキューレの騎行』を高らかに鳴らす。
『ワルキューレの騎行』を響かせながらベトコンおよび民間人を攻撃していく。
ワルキューレとは「戦場の戦士を天上の宮殿ヴァルハラへ連れて行く女神たち」のことだが、
ヘリコプター部隊はまさにそれ。
『地獄の黙示録』は戦場でのさまざまな狂気が描かれたが、このシーンの狂気はすごかった。
ここで『ワルキューレの騎行』を持って来るコッポラーのセンス!
この狂気についていけないヘリコプター部隊の隊員が戸惑った顔をしている所にテーマを感じる。
途中でベトナムの村の子供たちの退避シーンを入れた所もコッポラーの主張を感じる。
ワーグナーの音楽は人間を狂気に誘う。
もしかしたら人間は狂いたがっているのかもしれない。
日常はあまりにも平凡で、人を常識や世間の目や法律や道徳で縛りつけるから。
人がワーグナーの音楽に魅了される理由はこんな所にあるのだろう。
※動画はこちら
「地獄の黙示録」~ワルキューレの騎行(YouTube)
”ワルキューレの騎行”を着信音にしてました。
そう言えば、音楽だけでなく数学も人を狂気に追い込むみます。
言われる通り、「地獄の黙示録」でのワルキューレは圧巻で、背中がゾクッとしました。
ワーグナーって19世紀の人ですよね。
19世紀の欧州ってドイツを中心に、数学者も含め天才中の天才を数多く生み出しました。
一部の天才だけが持ちうる狂気が世紀の傑作や発明を生むのは、時代がそれを望んでたからでしょうか。
ところが、指環は既に滅んだはずの異教的な要素を前面に押し出しました。
ワグナーに狂気を感じるのは、西欧社会では普段隠されている「キリスト教的ではない何か」が、現れているからかもしれません。
いつもありがとうございます。
NHKだったと思いますが、「音楽は数学でできている」という番組があって、音楽構造が数学であることを紹介していました。
モーツァルトは「宇宙の音を聴いて音楽にした」と言われていますし、音楽や数学は「宇宙の法則」を表現しているのかもしれませんね。
19世紀。
僕は19世紀の音楽と文学が好きです。
象転さんのバルザックもそうですが、19世紀って偉大な時代ですよね。
ルネッサンスで中世の呪縛から解放された価値観が時を経て19世紀で成熟した結果でしょうか。
あとは19世紀の人たちはエネルギーのかたまり。
ユーゴー、バルザックの膨大な著作群。
オペラの台本、作曲、演出まで手掛けてしまうワグナー。
ノイシュバンシュタイン城を作ったルートヴィッヒ二世もそうでした。
本当に面白い時代です。
いつもありがとうございます。
『ワルキューレ』はドイツ神話・民話だったと思いますが、いずれにしても、キリスト教の下で圧迫されていたものが表に出て来たのは確かですよね。
ワーグナーの音楽を愛したニーチェは「神は死んだ」と語り、キリスト教に代わる拠り所を求めましたが、ワーグナーの場合はドイツの民族主義でした。
キリスト教以前の土着的なもの。
探求してみると面白そうですよね。