黒崎(山下智久)の過去を吉川氷柱(堀北真希)が知って、やっともうひとつのドラマがイキイキしてきた。
「クロサギ」は詐欺話がメインプロット。黒崎と氷柱の話が全話を貫くサブプロットになっている。
さて、その黒崎と氷柱。
黒崎の過去のコメントを思い出し、新聞検索をして氷柱は黒崎の過去を知る。
黒崎の過去を知った氷柱はラスト黒崎とこんな会話を。
氷柱「6年前の事件の事…ごめん…私…知らなくて…」
黒崎「俺の問題だ。そんな安っぽい同情いらねぇんだよ!」
確かに、確かに。
黒崎としては当事者でもない氷柱に言われたくないだろう。
刑事の神志名将(哀川翔)に「家族を滅茶苦茶にされたからと言って何をしてもいいというわけではないんですよ」と言われた方がすっきりする。
しかし、次の氷柱のせりふが黒崎の心をえぐった。
「あなたは…あなたはそれで幸せなの?」
今回は氷柱の勝ち。
同時に黒崎のことを真剣に考えていなければ言えないせりふ。
正義感だけからでは言えないせりふ。
氷柱がここまで黒崎のことを考える理由は「恋愛感情」?
この一言で、今までの氷柱のもやもやした気持ちを集約した。
同時にこのせりふは黒崎が自分の中に押し込めていた疑問でもある。
実に見事なせりふだ。
★研究ポイント
せりふ:ただ一言にすべてを集約するせりふ。
★名セリフ
黒崎と氷柱のやりとり。
黒崎「早く出て行けよ」
氷柱「立ち退きには6ヶ月の猶予があります」
黒崎「金貸してやろうか。貧乏」
氷柱「いいです。バイトをして引っ越し代稼ぎますから。これから面接なんです」
黒崎「性格で落とされないよう気をつけろよ」
※「6ヶ月の猶予がある」は検事を目指している氷柱が言いそうなせりふ。
氷柱に「貧乏」という呼び名がついた。
「性格で落とされないように……」というせりふも楽しい。
コンビニでネコのエサを買う氷柱にこんなせりふも。
黒崎「引っ越しする金もないのに。余計なもの買うな。貧乏」
氷柱が検事を目指していることを知って
黒崎
「お前検事目指してるそうだな。どうりで正論ばっか言うわけだ…俺は検事って奴等を知ってるよ。いろいろあって…あの時…法律屋の正体ってのを思い知ったんだ…。あいつらは負ける試合は絶対しない…被害者より自分がかわいい…そういう連中だ!」
※今までも「法律や警察は無力」ということを繰り返し言っているのですが、氷柱が検事を目指していると知って少し内容が変わった。これでふたりの距離が縮まったことも表現している。
桂木(山崎努)が黒崎に
「退屈……、コーヒー飲んでくか?」
詐欺師に騙された女の子に黒崎が
「あんたってホントに世間知らずだね。みんな、いい人だと思ってる」
★キャラクター研究:吉川氷柱
黒崎の言ったことをすべて覚えているほど、黒崎にこだわる氷柱ちゃん。
やっぱり黒崎に自分では気がつかない恋愛感情があるんでしょうな。
アパートはなかなか出ていかないし、三島ゆかり(市川由衣)の黒崎への恋には無意識に邪魔しているし。
「偶然」入居したアパートの大家さんは黒崎だし、「桂」から出て来る黒崎を「偶然」見てしまうし。
本人がそれと気づいていないが、視聴者は恋だと知っている。
氷柱は自分が黒崎に関わるのは、「詐欺をやめさせるためだ」と思いこみ、自分の恋愛感情を否定している。
「はやく気がついて」と視聴者は応援してしまう。
面白い仕掛けのキャラだ。
★小道具
黒崎と氷柱の距離を縮める小道具としてネコが使われた。
ふたりはネコを介して会話のきっかけを作った。
★追記
今回の詐欺はこんな内容。
宝石詐欺
「あなたと同じ年頃の娘がおりまして。明後日誕生日なんです。内緒で指輪を買ってプレゼントしたいのですが……」
と若い娘に持ちかける清水忠幸(堺正章)。
宝石店で声をかけた娘と指輪を見て「自然光で見てみたいな…」と言って外に出る清水。
店の者は娘が店内にいるのだから大丈夫と思って、清水を外に出すが清水は戻ってこない。
黒崎はこれをさらに複雑な形にして清水を騙す。
まずは仕込み。
ブライダル業者の相馬を装い、清水の結婚指輪の制作を依頼する。
100万円ぐらいの指輪の取り引きを2回繰り返し、清水を信用させる黒崎。
さらにホテルに客が来ていて心待ちにしているから届けたいという行動を自然なこととして清水に認知させる。
そして詐欺。
黒崎は政治家の賄賂だと言って、5000万の指輪の制作を依頼する。
黒崎「ブライダル業界も生き残りに必死でして…」
清水「賄賂ですか?わかりますよ。お互い生き残るのは大変な業界だ。どのくらいの物をご用意しましょうか?」
黒崎「五千万の指輪を…無理でしょうか?」
清水「まったく問題ありません」
5000万の指輪の取り引きの当日。
黒崎は本物のブライダル業者・相馬を取り引きのホテルに呼び出す。
相馬の手にはジュラルミンのアタッシュケース。
相馬の営業カバンだ。
やって来た相馬に「結婚相手の父親がやっと結婚を認めてくれた。今日、父親がやって来る」と説明する黒崎。
結婚相手の父親とは清水のこと。
一方、やって来た清水には相馬を自分の部下だと紹介する。
「キャッシュを持たせてるんです。今日は金額が大きいですから」
と言って相馬のジュラルミンケースに目をやる黒崎。
そして取り引き。
相馬は少し離れた所に待たせている。
そして、いつもの様に「すぐに渡したいので」と言って指輪を持って席を立つ。
清水は相馬がいるから大丈夫と考えて、黒崎に指輪を持っていかせる。
あとは清水と本物の相馬のちぐはぐな会話。
清水は「黒崎の部下」だと思っているし、相馬は「花嫁の父」だと思っている。
★追記2
黒崎と清水はこんな駆け引きもした。
ホワイトブライダルの相馬という名刺を黒崎に提示されて清水は席を外し、ホワイトブライダルに電話をかける。
相馬は外出。実は同じ時間に黒崎は会いたいと相馬を呼び出していた。
しかし、清水はなおも黒崎を試す。
ホワイトブライダルの営業磯辺という人間がいないことを確かめると清水は黒崎に言うのだ。
「営業の磯辺さんはお元気ですか?」
ここで黒崎が元気ですと言えば、黒崎の正体がばれてしまう。
しかし、黒崎は平然と言う。
「うちには磯辺という営業マンはいませんよ」
黒崎は事前にホワイトブライダルの社員名簿を手に入れていたのだ。
「クロサギ」は詐欺話がメインプロット。黒崎と氷柱の話が全話を貫くサブプロットになっている。
さて、その黒崎と氷柱。
黒崎の過去のコメントを思い出し、新聞検索をして氷柱は黒崎の過去を知る。
黒崎の過去を知った氷柱はラスト黒崎とこんな会話を。
氷柱「6年前の事件の事…ごめん…私…知らなくて…」
黒崎「俺の問題だ。そんな安っぽい同情いらねぇんだよ!」
確かに、確かに。
黒崎としては当事者でもない氷柱に言われたくないだろう。
刑事の神志名将(哀川翔)に「家族を滅茶苦茶にされたからと言って何をしてもいいというわけではないんですよ」と言われた方がすっきりする。
しかし、次の氷柱のせりふが黒崎の心をえぐった。
「あなたは…あなたはそれで幸せなの?」
今回は氷柱の勝ち。
同時に黒崎のことを真剣に考えていなければ言えないせりふ。
正義感だけからでは言えないせりふ。
氷柱がここまで黒崎のことを考える理由は「恋愛感情」?
この一言で、今までの氷柱のもやもやした気持ちを集約した。
同時にこのせりふは黒崎が自分の中に押し込めていた疑問でもある。
実に見事なせりふだ。
★研究ポイント
せりふ:ただ一言にすべてを集約するせりふ。
★名セリフ
黒崎と氷柱のやりとり。
黒崎「早く出て行けよ」
氷柱「立ち退きには6ヶ月の猶予があります」
黒崎「金貸してやろうか。貧乏」
氷柱「いいです。バイトをして引っ越し代稼ぎますから。これから面接なんです」
黒崎「性格で落とされないよう気をつけろよ」
※「6ヶ月の猶予がある」は検事を目指している氷柱が言いそうなせりふ。
氷柱に「貧乏」という呼び名がついた。
「性格で落とされないように……」というせりふも楽しい。
コンビニでネコのエサを買う氷柱にこんなせりふも。
黒崎「引っ越しする金もないのに。余計なもの買うな。貧乏」
氷柱が検事を目指していることを知って
黒崎
「お前検事目指してるそうだな。どうりで正論ばっか言うわけだ…俺は検事って奴等を知ってるよ。いろいろあって…あの時…法律屋の正体ってのを思い知ったんだ…。あいつらは負ける試合は絶対しない…被害者より自分がかわいい…そういう連中だ!」
※今までも「法律や警察は無力」ということを繰り返し言っているのですが、氷柱が検事を目指していると知って少し内容が変わった。これでふたりの距離が縮まったことも表現している。
桂木(山崎努)が黒崎に
「退屈……、コーヒー飲んでくか?」
詐欺師に騙された女の子に黒崎が
「あんたってホントに世間知らずだね。みんな、いい人だと思ってる」
★キャラクター研究:吉川氷柱
黒崎の言ったことをすべて覚えているほど、黒崎にこだわる氷柱ちゃん。
やっぱり黒崎に自分では気がつかない恋愛感情があるんでしょうな。
アパートはなかなか出ていかないし、三島ゆかり(市川由衣)の黒崎への恋には無意識に邪魔しているし。
「偶然」入居したアパートの大家さんは黒崎だし、「桂」から出て来る黒崎を「偶然」見てしまうし。
本人がそれと気づいていないが、視聴者は恋だと知っている。
氷柱は自分が黒崎に関わるのは、「詐欺をやめさせるためだ」と思いこみ、自分の恋愛感情を否定している。
「はやく気がついて」と視聴者は応援してしまう。
面白い仕掛けのキャラだ。
★小道具
黒崎と氷柱の距離を縮める小道具としてネコが使われた。
ふたりはネコを介して会話のきっかけを作った。
★追記
今回の詐欺はこんな内容。
宝石詐欺
「あなたと同じ年頃の娘がおりまして。明後日誕生日なんです。内緒で指輪を買ってプレゼントしたいのですが……」
と若い娘に持ちかける清水忠幸(堺正章)。
宝石店で声をかけた娘と指輪を見て「自然光で見てみたいな…」と言って外に出る清水。
店の者は娘が店内にいるのだから大丈夫と思って、清水を外に出すが清水は戻ってこない。
黒崎はこれをさらに複雑な形にして清水を騙す。
まずは仕込み。
ブライダル業者の相馬を装い、清水の結婚指輪の制作を依頼する。
100万円ぐらいの指輪の取り引きを2回繰り返し、清水を信用させる黒崎。
さらにホテルに客が来ていて心待ちにしているから届けたいという行動を自然なこととして清水に認知させる。
そして詐欺。
黒崎は政治家の賄賂だと言って、5000万の指輪の制作を依頼する。
黒崎「ブライダル業界も生き残りに必死でして…」
清水「賄賂ですか?わかりますよ。お互い生き残るのは大変な業界だ。どのくらいの物をご用意しましょうか?」
黒崎「五千万の指輪を…無理でしょうか?」
清水「まったく問題ありません」
5000万の指輪の取り引きの当日。
黒崎は本物のブライダル業者・相馬を取り引きのホテルに呼び出す。
相馬の手にはジュラルミンのアタッシュケース。
相馬の営業カバンだ。
やって来た相馬に「結婚相手の父親がやっと結婚を認めてくれた。今日、父親がやって来る」と説明する黒崎。
結婚相手の父親とは清水のこと。
一方、やって来た清水には相馬を自分の部下だと紹介する。
「キャッシュを持たせてるんです。今日は金額が大きいですから」
と言って相馬のジュラルミンケースに目をやる黒崎。
そして取り引き。
相馬は少し離れた所に待たせている。
そして、いつもの様に「すぐに渡したいので」と言って指輪を持って席を立つ。
清水は相馬がいるから大丈夫と考えて、黒崎に指輪を持っていかせる。
あとは清水と本物の相馬のちぐはぐな会話。
清水は「黒崎の部下」だと思っているし、相馬は「花嫁の父」だと思っている。
★追記2
黒崎と清水はこんな駆け引きもした。
ホワイトブライダルの相馬という名刺を黒崎に提示されて清水は席を外し、ホワイトブライダルに電話をかける。
相馬は外出。実は同じ時間に黒崎は会いたいと相馬を呼び出していた。
しかし、清水はなおも黒崎を試す。
ホワイトブライダルの営業磯辺という人間がいないことを確かめると清水は黒崎に言うのだ。
「営業の磯辺さんはお元気ですか?」
ここで黒崎が元気ですと言えば、黒崎の正体がばれてしまう。
しかし、黒崎は平然と言う。
「うちには磯辺という営業マンはいませんよ」
黒崎は事前にホワイトブライダルの社員名簿を手に入れていたのだ。
「あなたはそれで幸せなの?」、
ど真ん中ストレートのいい球です。
氷柱と神志名には、白夜行の笹垣と篠塚みたいに、
黒崎を温かく追い詰めてほしいもの。
ただし、こちらはハッピーエンドで。。
今後、氷柱が黒崎をどう変えていくか楽しみですね。
桂の動きも気になりますし。