平成エンタメ研究所

最近は政治ブログのようになって来ました。世を憂う日々。悪くなっていく社会にひと言。

カムカムエヴリバディ 第52回~洋服屋のシーンは古き良きアメリカ映画! そしてジャズセッション!

2022年01月14日 | その他ドラマ
 サッチモ、ベリー、ジョー、そしてジャズ♪
 戦後の「るい編」になって、作品が一気にお洒落になった「カムカムエヴリバディ」。
 トーンは古き良きアメリカ映画なんですよね。
 その集大成が本日(1/14)の第52回の洋服屋のシーン!

 いっしょに東京に行くことを断る、るい(深津絵里)に錠一郎(オダギリジョー)は尋ねる。
「何であかんの? 何で僕じゃあかんの?」
「わたし、東京なんかに行きたくないんです」
「何で?」
「遠いから」
「もうすぐ夢の超特急(新幹線)ができるやんか?」
「(クリーニング屋の)おじさんとおばさんと離れたくない」
「僕とは離れてもいいの?」
「クリーニング屋の仕事をやめたくない」
「僕のシャツを洗ってほしい」
「いやや、ケチャップのついたシャツを毎日洗うなんて」
「もうホットドッグ食べるのやめるよ」
「ウソばっかり」
「ウソばっかりはサッチモちゃんやん?」

 おーーっ! これって『ジャズセッション』ですね。
 ひとつひとつの台詞が短くて、気持ちをどんどん積み上げていく。
 しかもテンポ良く! 抜群のリズム感で!
 錠一郎の投げかけた言葉にるいはどう答えるか?
 るいの答えに錠一郎はどう返すか?
 錠一郎とるいは『セッション』している。
「いやや、ケチャップのついたシャツを毎日洗うなんて」
「もうホットドッグ食べるのやめるよ」
 なんていう台詞の跳ね方は完全にジャズのアドリブ演奏!
 お洒落だな♪
 ワクワクする♪
 …………………………………………

 試着室のカーテンと鏡の使い方は古き良きアメリカ映画!

 まずはカーテン。
 るい(深津絵里)はステージ衣装を試着している錠一郎(オダギリジョー)にカーテン越しに話す。
「楽しかったです、大槻さんと出会って。ジャズと出会って。
 きっと優勝できますよ……(略)
 そしてわたしは自慢するんです。
 わたしは大槻錠一郎の生の演奏を聴いたことがあるんだって。
 大槻錠一郎のシャツを洗ったことがあるんだって」
 るいは面と向かって自分の気持ちを話せない。
 だからカーテン越し。

 そして試着室の鏡。
 るいは錠一郎に誠実であろうとして、鏡越しに自分の額の傷を見せる。
 これを見て錠一郎はすべてを理解する。
 上手い鏡の使い方ですね。

 額に傷のある、るいを見て、錠一郎は「何だ、そんなことに悩んでいたのか」と思ったことだろう。
 そして、額の傷を含めて、るいを受け入れ、抱きしめる。
 ふたりはキスしようとするが、鏡にはふたりの様子を見ている洋服屋の店主が映っていて、
 錠一郎は試着室のカーテンを閉める。

 お洒落~♪
 BGMは「サニーサイド・ストリート」
 先程も書きましたが、これ、古き良きアメリカ映画なんですよね。
 昔のアメリカ映画には、こういうロマンチックなシーンがいっぱいあった。

 朝ドラにこういう感性を持って来るとは、脚本の藤本有紀さん、お見事です!


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