平成エンタメ研究所

最近は政治ブログのようになって来ました。世を憂う日々。悪くなっていく社会にひと言。

相棒11 「ビリー」~女心がわからないブラザース誕生!

2013年02月28日 | 推理・サスペンスドラマ
<女心のわからないブラザース>が誕生!
 詐欺被害にあった女性に
「あら、これは日本から送れるお土産サービスですね」by右京さん(笑)
「ちょっとは変だと思わなかったんですか?」byいたみん(笑)
 せっかく芹沢(山中崇史)が「これじゃあ、ダマされても仕方がないですよね」とフォローしているのに。

 でも、この兄弟、お互いのことを理解し合っている。
 だから伊丹(川原和久)は
「この警部殿は勝手な捜査をする。しかし、意味のない捜査をする人ではない」と言える。
 何だかんだ言って、伊丹も『相棒』なんですね。

 物語は岩月彬(田中圭)紹介編。
 エレベーターで逃げる村井今日子を追って、享(成宮寛貴)と共に階段を駆け下りるシーンなどは若々しくていい。
 若い刑事が走るのは『太陽にほえろ』以来の伝統だし。
 右京(水谷豊)のやり方に反発しながらも、協力していくという立ち位置も面白い。
 米沢さんや角田課長は、右京さんの積極的な協力者ですからね。
 今後も岩月は協力者として登場してくるのだろうが、<反発>という人物の登場は作品に幅を持たせる。

 事件については<動画>と<靴>。
 右京さんは普通の人とは見ているものが違うんですね。
 凡人が見過ごしてしまう<動画>にこだわり、さらに絶対に着目しない<靴>にこだわって、事件を解決してしまう。

 ネットでのなりすましを素材にしているのも新しい。
 これまでもネカマとか、ネットで別の人格を演じることは話題になっていたが、現在はより手が込んでいる。
 今回のSNSや、個人写真・動画のアップがそれだ。
 手が込んでいるがゆえに別の人格は圧倒的なリアリティを持ち、人は簡単にダマされる。
 なぜなら、人は『わざわざCMの編集をしてまで別の人格を演じることはしないだろう』と思い込むものだから。
 まして<架空の銀行口座>や<架空の交友関係>までを偽装されたら尚更。
 気をつけよう、ネットを使った詐欺の手口はどんどん巧妙になっている。

 人間ドラマとしては、ちょっと薄いですかね。
 今回の殺人にしても、やむにやまれぬ人としての業や憎しみ、怒り、哀しみからなされたものではない。

 あとは今回、英語三兄弟が誕生!
 やはり右京さんのは、クイーンズイングリッシュなのかな?



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8 コメント

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女心わからなくていいのかも (沙鞍)
2013-02-28 13:25:28
コウジさん、こんにちは。

盛りだくさんの回で、大満足でした。
ネット犯罪の裏の薄っぺらで複雑な工作に、
女心わからないブラザーズが、一生懸命切り込み、
若手は、走る走る、かっこよくって爽快!
それから、「相棒」の絆がじわじわ広がっていて
最後は右京さんの「嬉しいですね」
見たいものが、全部入っていてとても得した気分です。

今回の殺人はコウジさんおっしゃるように、
確かに薄っぺら。その薄っぺらさがネット社会の怖さと見せつけられた思いでした。
だまされた女性たちにしても結果的に殺人者になってしまった外国人の人もみなきちんと仕事している人たち。
そうでない尾藤(一番「女心がわかってる奴」っていうことですよね、皮肉なことに)に振り回されてしまって。こういうコントラストをしっかり見せて、エンターテインメントにするのが「相棒」は上手いようですね。

岩月も面白かったですね。愛嬌のある享とクールな岩月、このコントラストも、これからのストーリーを面白くしてくれそうですね。
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Unknown (Unknown)
2013-02-28 23:34:00
こんばんは。
今回は映画の宣伝のはずなのに、よくできていましたね。
さすが櫻井武晴脚本というべきでしょうか。
なりすまされた人が犯人らしいことは分かりましたが、
ご指摘のように、バーのマスターの引っ掛けはよくできていました。

それに、騙された女性たちも個性があって面白かったですね。
狙って笑わそうとしているんでしょうが、
ジョンに会えるかもと思って、CM会社に怒鳴り込んだ今日子は結構気の毒でした。

ただ、疑問点をあげるなら、尾藤のなりすましはビリーだけじゃなく何人もいました。右京さんも動画を見て初めてビリーに疑問を持ったはずなのに、お話はビリー一本の捜査でした。他のなりすましは伊丹刑事たちが全員捜査したんでしょうか?まあ、たいした疑問じゃありませんが・・・

それと、意外な真犯人を仕込むあまり事件のプロセスや動機がかなり乱暴な気がします。そこがちょっと残念な気がします。
だいたい、正当防衛と言いながら、しっかり先に手を出しているのはジョンの方だしね。

それと岩月は次次回にまた出るそうです。
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現実世界<ネット社会 (コウジ)
2013-03-01 08:02:31
沙鞍さん

いつもありがとうございます。

おっしゃるとおり、被害にあった女性たちはきちんと仕事をしている人たちなのに、欺されてしまうのは、現代的なテーマですよね。
彼女たちは現実世界でも人間関係を結んでいて堅実に生きているはずなのに、ネット世界の人間関係には極めて無防備。
現実世界<ネット世界 なのでしょうか。

そして、ネット社会が十分に犯罪の温床になり得る。
岩月の登場は、そんな現代社会の象徴ですね。
時代が彼を登場させた。

『相棒』は時代とともに歩んでいる作品なんですね。

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実験的な演出 (コウジ)
2013-03-01 08:15:09
コメントありがとうございます。

女性たちの描写、面白かったですね。
特に二番目の真理さん。
コメディのような演技、演出で、新鮮でした。
『相棒』という作品は、こういう演技・演出が違和感なく成立する幅があるんですね。
ラストの3人が英語で会話するシーンだって、普通の刑事ドラマだったら、視聴者に不親切ということで禁じ手。
結構、実験的な演出だと思いました。

事件・推理の弱さという点では、ご指摘のとおりですね。
しかし、その弱さを上まわる面白さがあったため、許せてしまう。

岩月は次々回も出るんですか。
享とともにイケメンふたりですね。
今までは米沢さんとか角田課長とかイタミンとか、おっさんばかりでしたが、若い女性視聴者の取り込みを狙っているんでしょうか。

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久々に面白かった (苺杏仁)
2013-03-01 09:20:16
いやー男の友情が表れていて良かったです。伊丹さんの右京さんへの尊敬の発言が素敵!右京さんの英語セリフを聞けるなんて。昔ミッキーという米国人女優と結婚歴がありましたよね。ビリーが尾藤の金を受け取らなかったのは、プライドのせいでしょうか。私はウイスキーバーの店長が犯人なのかと思ってしまいました。あのブランドの靴を右京さんが手に入れて満足げで、笑顔が良いですね。なぜか靴箱のロゴが、お手軽なスポーツシューズみたいで高級感に欠けていたのがご愛嬌でした。
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奇妙なふたり (コウジ)
2013-03-01 19:08:29
苺杏仁さん

コメントありがとうございます。

そうですよね、伊丹さんと右京さんの関係って、ある意味、友情ですよね。
伊丹さんはもちろん、右京さんも、いざという時には曲げない刑事魂を持っている伊丹さんを信頼している。
ベタベタしていないいい関係だと思います。
今回は<女心がわからない>という点で、さらに繋がりが強くなったのかもしれません(笑)

>昔ミッキーという米国人女優と結婚歴がありましたよね
そうそう、ミッキー・マッケンジーさん。
『熱中時代 刑事編』で共演して。
ぼくはあのドラマ好きでした。
水谷さんも、ちょこまか動きも速くて、若かった!

そして、今回右京さんの英国趣味が垣間見えましたね。
英国はシャーロック・ホームズの国。
右京さんにはよく似合いますね。
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Unknown (引用・利用は御自由に)
2016-03-24 23:08:25
芹沢が右京・伊丹を「女心わからないブラザーズ」と呼び、
三浦が「女に理屈は無用。黙って話を聞いてやって『大変だったね』と言ってやれ」
女自身が「至言だ」と、ネットに書き込んでいたけど、
これって「女は感情の動物なり」とか「女は子宮で考える」って、田嶋激怒のやつじゃん。
2chでは昔から「女=朝鮮人、女=左翼」と言われているけど、
例えば、「お前の赤ん坊を豚のエサにしてやる!」発言でおなじみの新潟日報上越支部長坂本秀樹にも黙って話を聞いてやって「大変だったね」と言わなきゃいけないのか?
勘弁してくれよ(´・ω・`)
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胸と腹 (コウジ)
2016-03-25 08:36:41
引用・利用は御自由にさん

コメントありがとうございます。

三浦さんのせりふについては、前後の文脈を覚えていないんですけど、確かに田嶋陽子さんが怒りそうな内容ですね。

でも、最近、道教の本を読んだんですけど、人間にとって大切なものは3つあって、頭(=論理・知識)、胸・ハート(=感情・体験)、胆・腹(=命・本能)なんですって。
そして、現代人は、頭が過多になって、頭でっかちになっている。
胸や胆を下位に置いている。

これを読んで、僕は少し人間観が変わりました。
田嶋さんや2chの女性観にも反論できそう。

話は逸れましたが、
頭だけで物を考えるのは、偏見・歪んだ考えに繋がりますよね。

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