平成エンタメ研究所

最近は政治ブログのようになって来ました。世を憂う日々。悪くなっていく社会にひと言。

ブラック・プレジデント~「お前たちはボールペンだ。お前たちに付加価値はあるのか?」

2014年04月09日 | 職業ドラマ
 三田村幸雄(沢村一樹)がゆとり大学生にズバリ!
「自分のやろうとしていることが本当に価値のあることなら
 その価値をわかってくれる人は必ずいる。
 重要なのはその価値をどうプレゼンできるかだ」

「お前たちはボールペンだ。
 書くために使われて、インクがなくなれば使い捨てられる。
 お前たちに付加価値があるのか?
 お前たちにいくらの価値があるのか考えてみることだな」

 厳しい社会からの言葉。
 要約すれば、
「甘えるな!」「言い訳するな!」「他人のせいにするな!」「自分を磨け!」
 一般社会というか、新自由主義社会はこんなふうに考えている。

 もっとも三田村の理屈が通用するのは、限られた一部の人たちでしょうか?
<自分がやろうとしていること><自分が考えつくこと><自分の付加価値>なんて、たかが知れてる。
 みんな、どっこいどっこい。どんぐりの背比べ。
 みんながみんな、イチローのような才能を持っているわけではないし、自分はこんなにすごいことを思いついたと喜んでいても、すでに他で誰かがやっている。
 運とかも左右する。
 それに、こういうシビアな現実社会の中で、何とか生き残るだけでも立派なこと。大変なこと。

 こう書くと、「言い訳するな!」と三田村に叱られそうだけど、三田村の言葉を鵜呑みにするのはどうだろう?
 新自由主義社会はこんなふうに考えているんだということを知って、心の片隅に留めて置くくらいがいい気がする。

 物語は三田村と学生たちがお互いの良い所を吸収し合って、それぞれが別の次元に成長していく姿が描かれるのだろう。
 個人的には、三田村がどう変わるのか楽しみです。


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4 コメント

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ブラックジョークでしょ。 (ゆりパパ)
2014-04-20 03:25:37
作り方が既に、シリアスではないので、ブラックジョークとして見るドラマでしょう。
日本は、ブラックジョークが馴染まない土壌が根強いですね。

厚生労働省の発表で、調査した企業の8割で法令違反が認められたとありましたね。まあ、怪しい企業なので、当然と言えば当然なのですが、全企業での実態調査を、行って欲しい気もします。
今の社会風潮が、ブラック企業の生まれやすい環境であるともいえます。しかし、行政もブラックにならないように変な法整備も問題です。労働者派遣法やら、ユニクロで話題の地域限定社員とか、うまく法律を使えばブラックには為らないよう、行政側も経営者の味方についているのだから、ブラックジョークとしての、こんなドラマも生まれるのでしょう。
大体、役職があれば、労働時間に制限を設けない制度自体に問題がある。役職ついてても労働時間は8時間と厳しくすればいいだけのこと。だから、24時間体制での企業なら、責任ある役職も8時間分全て3人体制にしろ。社長も専務も部長も課長も全て今の3倍。
人件費を削らないと儲けが出ないという理由で、不当に労働者を搾取していくのは、本末転倒。
日本で1番の資産家になったこともあるユニクロで、社員が全従業員の1割ほどなんて、自分の懐に入る金をただひたすら増やしたいだけのただ世界に恥ずかしい資産家。どうどうと全従業員を正社員化しろ。
もう、子育てしていて、暗い気持ちになるばかり。子どもの未来が可哀想すぎる。まだ11歳の娘が働くころの日本では、ただ若者を使い捨てていくだけの社会が待っているとしか思えない。どんな悪法がまた生まれるのか、考えるのも恐ろしくなります。きっちり、残業なしで最低賃金だけ払う企業ばかりになった社会。ブラックじゃないけど、その賃金で生活が成り立たない、お金を持っている人か、お金が無い人か、2極化しているかもしれませんね。

平均所得の求め方が間違っているという話が、ネットに出ていましたが、今まで気が付きませんでした。
今の求め方だと、例えば、99人の年収100万円の人がいて、一人10億円稼いでいる人が入ると、平均所得は、1000万円を超えます。極論ですが、大金持ちを含めて平均化すると、どうしても高めにでてしまう。
だから成績評価に偏差値を導入したのでしょ。
偏差値のやり方で、平均年収を出すと100万円ほど下回るので、なんとなく実態が納得できました。
田舎では、東京程の高給取りも少なく、平均年収500万円近い数字に、うそやろ、って思ってましたから。

このドラマは、主人公に腹を立てながら見るというのが、あたりまえの見方でしょうから、家族でブツブツ文句言いつつ見ています。
才能ある人が才能無い人を搾取していいということはありえないが、才能無いのだから、仕方ないと、諦めるひとも多過ぎ。本来、ほとんどの人は才能無いのがあたりまえ。
ミツバチの社会とそうは、変わらないないのだから。
でも、皆で支えあって初めて社会が成り立つのであって、それぞれの役割は、皆が分担しているからこそ成立していると思います。
ボールペンも必要だし、あまり使われないけど、筆も必要。たとえ寝たきりの人でも、社会には必要。必要のない人は、存在しないという事を、自分だけお金を儲ければいいという人にこそ理解していただきたい。
返信する
富の配分 (コウジ)
2014-04-20 09:14:00
ゆりパパさん

いつもありがとうございます。

おっしゃるとおり、現実は格差社会が広がっていますし、<限定正社員>といった一見良さそうに見える言葉で誤魔化していますよね。
現在の自民党政治は、大企業・特権階級優遇の政治なのに、中国・韓国など外に目を向けさせて、不満を逸らせている感じもある。

ゆりパパさんが後半で書いていらっしゃることも納得で、かつての高度経済成長期は、皆がミツバチで、皆で支え合ってがんばってきた。
100万のお金があったとしたら、10人で10万円ずつ分ける社会。
ところが現在は、ひとりの人間が90万円をとり、残り10万円を10人で1万円ずつ分ける社会。
アメリカ型の新自由主義社会になって来ましたね。

排除と差別も顕著になってきて、<ボールペン>であることを強要し、<筆>であることを否定する風潮になっている。

これらの行き着く先は<戦争>かなと僕は思っています。
不満を逸らすために外に目を向けさせ、働き口のない者は自衛隊=国防軍に入る。
入った者はボールペンのように道具として使われ、役に立たなくなれば使い捨てられる。

現在の政権の人間はそんなことは意図していないと言うかもしれませんが、過去の歴史が示すように、こうした流れが加速していけば、誰にも止めることが出来なくなるんですよね。

返信する
鋭い! (ゆりパパ)
2014-04-21 02:17:51
コウジさん、ごぶさたしてます。(笑)

相変わらずの鋭い切れ味に、拍手です!!

戦前も今以上に貧富の差が大きかった時代でしたが、昔の金持の凄い所は、自費で学校を建てたり、道路や橋まで、全額寄付して作らせたりと、富の独占をしませんでしたね。

まあ、うがった見方をすれば、周りから尊敬されるようにし、富の独占という批判をかわす狙いもあったのかもしれません。たとえそうであっても、皆から尊敬される事で、悪い事もしにくいはずだし、救われる人も大勢いた事は、今の富裕層が学ぶべきところだと思います。

>これらの行き着く先は<戦争>かなと僕は思っています。
確かに!
戦前の、戦争前夜を想起させます。
ただ、昔と違って、こうして、気軽に意見を発信出来る環境があるという事ですね。

あの隣国ですら、ネットを禁止にはしていないから、この時代に今更、スマホもPCも全面禁止は、難しい。

こんな意見を、発信することが大切だと思います。

コウジさん、頑張ってください!!
返信する
ありがとうございます! (コウジ)
2014-04-21 10:01:39
ゆりパパさん

戦前の歴史は、現在を考える上で、参考になりますよね。
たとえば、戦前の右翼は貧しい者の味方だった。
地方で貧しい娘が売られる状況を憂い、暴利を貪る財閥を糾弾した。

ところが今のネトウヨという人たちは……。
そんな上の人間に飼い慣らされ、応援している。
かろうじて怒りの声をあげているのは、この作品でも扱われているブラック企業に対してのみ。
たとえば戦前の右翼だったら、福島の原発事故で日本の国土を消失させた東京電力を糾弾しているはずなんですけどね、現在はそういう思考がまったくない。

ネット社会に関しては、一長一短があって、おそらく今後ファシズムを形成するとすればネットからでしょうね。

ありがとうございます!
今後も社会をしっかり見つめていきたいと考えています!

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