今回はふたつのアリバイくずし。
ひとつめは、元マラソン選手・桂馬麗子(中山忍)。
彼女は代々木のジムから氷川神社まで本当にランニングしていたのか?
監督・高木富雄(国枝量平)の所に行って殺害をしていたのではないか?
走る享(成宮寛貴)。
坂や工事現場があり、いくら麗子でも1時間で帰って来ることは無理。
これでアリバイがくずれた。
しかし、このアリバイ崩しは徒労に終わった。
麗子は足を捻挫していたのだ。
彼女は走れない。
ということは監督・高木の所に行って殺害することは不可能。
事件は振り出しに戻る。
右京(水谷豊)はふたつめのアリバイ崩しを行い、真犯人を暴く。
その真相究明のためのポイントは
・動機
・メール自動送信サービス
・共犯者の偽装工作
だ。
アリバイ作りとしては<メール自動送信サービス>は安易かな?
享を走らせてアリバイを崩すというのもイマイチ。
今回の作家さんは、アリバイ工作のトリックというよりは<動機>の方を重要視したようだ。
その動機とは、<走ることを妨げる存在>=監督・高木を許せないという思い。
麗子にとっても真犯人にとっても、<走ること>は自分のアイデンティティ、存在理由だった。
だからそれを<奪われること>は何よりもつらいこと。
かつて高木は麗子たちから走ることを奪ったが、同じことを上星高校の陸上選手・南条遥(川本まゆ)にもしようとしている。
だから殺した。
当たり前のことですが、他人の大事なもの(今回の場合は「走ること」)を奪ってはいけないですよね。
直接的には描かれていなかったが、ヤクザともつき合いのあった高木はドーピング血液などをネタに、金品や体の要求など、もっとあくどいことをしてそう。
いずれにしても、ありがちな俗っぽい小悪党ですけどね。
高木が<小悪党>であることが、今回の作品を薄っぺらいものにしている。
オチの「タスキは渡された」も、あまりキレがないように思うのですが、どうでしょう?
サブタイトルがせっかく『シンデレラの靴』なのですから、もう少しシンデレラに掛けてもよかったような気がします。
ひとつめは、元マラソン選手・桂馬麗子(中山忍)。
彼女は代々木のジムから氷川神社まで本当にランニングしていたのか?
監督・高木富雄(国枝量平)の所に行って殺害をしていたのではないか?
走る享(成宮寛貴)。
坂や工事現場があり、いくら麗子でも1時間で帰って来ることは無理。
これでアリバイがくずれた。
しかし、このアリバイ崩しは徒労に終わった。
麗子は足を捻挫していたのだ。
彼女は走れない。
ということは監督・高木の所に行って殺害することは不可能。
事件は振り出しに戻る。
右京(水谷豊)はふたつめのアリバイ崩しを行い、真犯人を暴く。
その真相究明のためのポイントは
・動機
・メール自動送信サービス
・共犯者の偽装工作
だ。
アリバイ作りとしては<メール自動送信サービス>は安易かな?
享を走らせてアリバイを崩すというのもイマイチ。
今回の作家さんは、アリバイ工作のトリックというよりは<動機>の方を重要視したようだ。
その動機とは、<走ることを妨げる存在>=監督・高木を許せないという思い。
麗子にとっても真犯人にとっても、<走ること>は自分のアイデンティティ、存在理由だった。
だからそれを<奪われること>は何よりもつらいこと。
かつて高木は麗子たちから走ることを奪ったが、同じことを上星高校の陸上選手・南条遥(川本まゆ)にもしようとしている。
だから殺した。
当たり前のことですが、他人の大事なもの(今回の場合は「走ること」)を奪ってはいけないですよね。
直接的には描かれていなかったが、ヤクザともつき合いのあった高木はドーピング血液などをネタに、金品や体の要求など、もっとあくどいことをしてそう。
いずれにしても、ありがちな俗っぽい小悪党ですけどね。
高木が<小悪党>であることが、今回の作品を薄っぺらいものにしている。
オチの「タスキは渡された」も、あまりキレがないように思うのですが、どうでしょう?
サブタイトルがせっかく『シンデレラの靴』なのですから、もう少しシンデレラに掛けてもよかったような気がします。
確かに、アリバイトリックがあまりにも古典的すぎます。メールがこの時間に送られたから生きていたんだろう、は安易すぎます。おかげであっさりその時間事務所にいた美枝が犯人だとすぐに分かります。
ところで、みんな言ってますが、これを見て思い浮かべるのは、「古畑任三郎」で、今泉くんが走って事件を実証した回でしょう。あれでは今泉くんバテバテになるまで何度も走らされていましたが、一回で終わらせてくれた右京さんは案外優しいなと思いました。
この事件で問題となるのは、ご指摘のように、動機でしょう。高木が悪人で同情の余地がないにしても殺すほどのことなのか微妙です。
ドーピングで弱みを握られていたという点はあるにしても、桂馬麗子監督就任問題でもめているはずなのに、その時条件に出した高校生ランナー、南条遥のことが殺人のきっかけになっているのは、やや動機として弱い気がしていました。だって、最悪の場合、南条遥を監督就任の条件にしていたのを、取り下げればいいだけです。よほど美枝はアポロンで南条遥を育てたかったんだろうか、と首をかしげていました。
だから、〈走ること〉を、〈奪った〉から殺人が起こったのだというご指摘は、なるほどと思いました。
まあ、中山忍さんがアスリートに見えないという点はあるかもしれませんが、今回はドラマの出来は、そこそこいっていたんではないでしょうか。
まあ、副題の「シンデレラの靴」については、最近も「幸福な王子」や「アリス」など、児童文学が題名になっていることが多いので、享くんの若さが反映しているのでは、という指摘を他で読みました。
ぼくもカイト君が走らされるシーンを見て、今泉君を思い出しました。
右京さんと古畑警部の違いもありますが、走る人によってイメージも違ってくる感じですね。
カイト君の場合はかっこいい!
殺人の動機については、衝動的なものだったとはいえ、残念ですね。
殺人でなく、もっと他に対抗する手段があったように思います。
副題のことについては、気がつきませんでした。
確かに児童文学のものが多いですね。
作家さんは、これらの児童文学から着想を得て、作品を書いているのかもしれませんね。
そう言えば、現在、月9で放映している『ビブリア古書堂の事件手帖』も、本から発想されているミステリでした。
今後、こういう作品が多くなってくるのかもしれませんね。
今回は冒頭で、享と悦子が通う豪華なスポーツジム、桂馬選手のアジア大会での活躍、とスポーツ界の光を描いたところで、じわじわとその裏の闇の部分に切り込む流れでしたね。
選手とコーチの問題、その密室性、ドーピング、暴力団との癒着、つい先日まで新聞をにぎわせていた問題もありますが、このあたりを全て取り込もうとした姿勢は流石、です。すべて取り込むことによって、高木のいやらしさが、(こんな人がコーチだったら、、人生振ることになってしまいますよね)十分に画面で描き切る時間が不足してしまったかもしれません。動機づけの方は説得力が薄くなってしまいましたが、スポーツ業界の闇のどろどろをうまく取り込んではいたと思います。
「シンデレラの靴」は辛い環境からシンデレラが這い上がる(?)きっかけとなった幸運の靴。コウジさんがおっしゃるように、確かにそこをもっとアピールできれば魅力的でしたね。
個人的には、走り終わった享を待っている右京さんがさりげなく、スポーツドリンクを渡す場面が好きでした。買って待っててあげたんですね。2人の相棒ぶりがますます楽しみです。
いつもありがとうございます。
>選手とコーチの問題、その密室性、ドーピング、暴力団との癒着
なるほど、この作品はこういうふうにとらえればいいわけですね!
おっしゃるとおり、ここには現在のスポーツ界の問題点が凝縮されている。
せっかく素材がいい今日的な素材なので、問題を高木の個人的な問題だけにせず、スポーツ界のシステムみたいなことまで斬り込んでみると、よかったかもしれませんね。
右京さんが享にスポーツドリンクを渡すシーンは気がつきませんでした。
細かく見ていらっしゃいますね。
ちなみに今回の舞台となったスポーツジム・ルネサンスですが、僕も通っています。
もっとも僕が通っているのは、系列の規模の小さな所で、代々木はあんなに豪華なのかと思って見ていました。
コメントありがとうございます。
>2人の女性はアポロン電気の上層部に訴えればよかったのに。
そうなんですよね、こういうふうに疑問を持たれてしまった段階で、作品は失敗なんですよね。
もっとも完ぺきに辻褄のあった作品など、ほとんどないのですが、これを補う<感動>とか<深いテーマ>があれば視聴者は納得してくれる。
書いていらっしゃった
>でもスポーツ界のドロドロが新鮮でよかったです。萩尾みどりさんが素敵でした。
みたいな要素があれば。
週一の放送でクォリティを保つことは本当に難しいんでしょうね。
豪華なジムの風景は華やかで活気があってインパクトありましたからね。
そういうifで考えてみることって面白いですよね。
ぼくは、高校生ランナー・南条遥にスポットを当てたら、よかったのではないかと思いました。
人が走る姿って、美しいですからね。