石川数正(松重豊)出奔の理由は次のことを伝えるためだった。
・自分が天下を取るという囚われを捨てよ。
・他の人がいくさのない世をつくるのならそれでもよいではないか。
・それがお方様・瀬名(有村架純)の思いではないか。
瀬名が生きていたら、おそらく瀬名は家康(松本潤)にこんなことを語っていただろう。
「自分を縛っている鎖を解きなされ」
「世の中が平和になるのなら誰が天下を取ってもいいではないですか」
数正は出奔という行動で、瀬名の思いを代弁したのだ。
肩の力が抜けて家康はいろいろなものが見えて来た。
ひとつは豊臣の花嫁・旭(山田真歩)の思い。
旭はつらい気持ちを押し隠し、わざとおどけて両家の間を取り持とうとしていた。
もうひとつは、家康がかつて持っていた思いやりをなくしていたこと。
囚われから解き放たれて新しい発想も生まれて来た。
秀吉(ムロツヨシ)の懐に入って、秀吉をうまく操りながら世を平和にするという方法だ。
数正の出奔にはもうひとつの意図もあった。
・出奔により徳川家の内情はすべて秀吉の知る所となった。
・内情がバレたら、秀吉とのいくさには勝てない。
・家康が上洛するのは石川数正が裏切って内情をバラしたせいだ、と周囲は捉える。
・自分が悪者になることで家康のメンツは少しは保たれる。
このことがわかって家臣たちは泣きながら叫ぶ。
「すべては数正のせいじゃ!」
「数正の阿呆たわけ!」
………………………………………………………………
人はひとつのことに囚われると、そこに突っ走ってしまうんですね。
家康の場合は「わしがいくさのない世をつくる」という囚われ。
しかし客観的な第三者の目で見れば、
「別に家康がやらなくても誰かがいくさのない世をつくればいい」
「現在それをやれるのは秀吉だ」
「圧倒的な政治力・経済力・軍事力を持つ秀吉がそれを実現するのに一番近い場所にいる」
という考えが浮かんで来る。
瀬名はそんな第三者の目を持ち、柔軟に対応できる人物だった。
そんな瀬名を毎日供養していた数正は瀬名の声が聞えていた。
そして、今作のひとつのモチーフである『おなごの戦い』。
・亡き瀬名は数正を通して、おなごの戦いをした。
・旭は懸命に両家の間を取り持とうとした。
・於大(松嶋菜々子)は家康を諫めた。
「人を思いやれる所がそなたの取り柄だと思っていたのだがのう」
「おなごは駆け引きの道具ではない」
「蔑ろにされた者の心を踏みにじるのではない」
・於愛(広瀬アリス)は
「他の人がいくさなき世をつくるのなら、それでも良いのでは?」
今回のラストは家康が「兎の木彫り」を上洛の荷物にしまう所で終わった。
家康は思いやり、やさしさを再び取り戻したのだ。
瀬名はいつも家康のそばにいて助言し、心の支えになってくれるのだ。
・自分が天下を取るという囚われを捨てよ。
・他の人がいくさのない世をつくるのならそれでもよいではないか。
・それがお方様・瀬名(有村架純)の思いではないか。
瀬名が生きていたら、おそらく瀬名は家康(松本潤)にこんなことを語っていただろう。
「自分を縛っている鎖を解きなされ」
「世の中が平和になるのなら誰が天下を取ってもいいではないですか」
数正は出奔という行動で、瀬名の思いを代弁したのだ。
肩の力が抜けて家康はいろいろなものが見えて来た。
ひとつは豊臣の花嫁・旭(山田真歩)の思い。
旭はつらい気持ちを押し隠し、わざとおどけて両家の間を取り持とうとしていた。
もうひとつは、家康がかつて持っていた思いやりをなくしていたこと。
囚われから解き放たれて新しい発想も生まれて来た。
秀吉(ムロツヨシ)の懐に入って、秀吉をうまく操りながら世を平和にするという方法だ。
数正の出奔にはもうひとつの意図もあった。
・出奔により徳川家の内情はすべて秀吉の知る所となった。
・内情がバレたら、秀吉とのいくさには勝てない。
・家康が上洛するのは石川数正が裏切って内情をバラしたせいだ、と周囲は捉える。
・自分が悪者になることで家康のメンツは少しは保たれる。
このことがわかって家臣たちは泣きながら叫ぶ。
「すべては数正のせいじゃ!」
「数正の阿呆たわけ!」
………………………………………………………………
人はひとつのことに囚われると、そこに突っ走ってしまうんですね。
家康の場合は「わしがいくさのない世をつくる」という囚われ。
しかし客観的な第三者の目で見れば、
「別に家康がやらなくても誰かがいくさのない世をつくればいい」
「現在それをやれるのは秀吉だ」
「圧倒的な政治力・経済力・軍事力を持つ秀吉がそれを実現するのに一番近い場所にいる」
という考えが浮かんで来る。
瀬名はそんな第三者の目を持ち、柔軟に対応できる人物だった。
そんな瀬名を毎日供養していた数正は瀬名の声が聞えていた。
そして、今作のひとつのモチーフである『おなごの戦い』。
・亡き瀬名は数正を通して、おなごの戦いをした。
・旭は懸命に両家の間を取り持とうとした。
・於大(松嶋菜々子)は家康を諫めた。
「人を思いやれる所がそなたの取り柄だと思っていたのだがのう」
「おなごは駆け引きの道具ではない」
「蔑ろにされた者の心を踏みにじるのではない」
・於愛(広瀬アリス)は
「他の人がいくさなき世をつくるのなら、それでも良いのでは?」
今回のラストは家康が「兎の木彫り」を上洛の荷物にしまう所で終わった。
家康は思いやり、やさしさを再び取り戻したのだ。
瀬名はいつも家康のそばにいて助言し、心の支えになってくれるのだ。
今回その全貌が残された家康および家臣団、そして視聴者の目に明らかになりました。
>瀬名を毎日供養していた数正は瀬名の声が聞えていた。
瀬名はすでにこの世にいないにもかかわらず、やはり彼女は徹頭徹尾本作のヒロインでした。
本作では、単に「瀬名は悪妻ではなかった」とするにとどまらず、元康時代から一貫して家康の「最愛の妻」「理想の女性」として瀬名を描いてきました。
家康に二度(信長に娶せられそうになったとき、そして「堺デート」)までもお市を「振らせ」、そのことが茶々(淀殿)の家康への恨みの遠因になりそうです。
そして、今回の数正。
すでに世を去っているにもかかわらず、瀬名の存在が本作の骨格となっていることが要所要所で明らかになってきます。
ところで、私にとって今回特に印象的だったのは於愛さんの活躍でした。
彼女は瀬名亡き後、最も家康の支えとなっている女性であり、実質的な「妻」。
しかし於愛はけっして瀬名に「取って代わった」存在ではなく、むしろ亡き瀬名の「分身・代理人」であり、その役割を忠実に果たしているように見えました。
於愛は「懸命に両家の間を取り持とうとした」旭に心を配り、前夫を失った彼女の悲嘆を家康に伝えています。
そして、於愛は家康の命に反して数正が残した仏像を大事に保存し、ついには「瀬名→数正」ラインの証しとなる押し花を発見して、これを家康と家臣団に披露します。
良い味と存在感を出しているように思いました。
さて次回以降、家康は本格的に「豊臣家中」の世界の中に入ってゆきます。
新局面をどう描いてゆくのかに注目したいところです。
いつもありがとうございます。
>瀬名の存在が本作の骨格となっている
おっしゃるとおり瀬名を上手く使っていますよね。
家康を天下を取る執念の鬼にしたのは瀬名。
家康を鬼から解放した(今回)のも瀬名。
今回のラストで家康が兎の木彫りを荷物に入れたように、瀬名は家康と共にいるんですよね。
そして、その芝居の後にやって来たのが於愛でした。
於愛は「瀬名亡き後、最も家康の支えとなっている女性であり、実質的な妻」なんですよね。
仏像と押し花。
兎の木彫りもそうですが、物の方が言葉より伝わることがあるんですよね。
言葉だと反論したりして、心の奥まで届きづらい。
一方、物だとその意味を考えることにより言葉や気持ちがすーっと入って来る。
数正の仏像を当初、家康は見たくない物として処分するように言いましたが、於愛は何かを感じた様で、その意味を考え続けた。
於愛の方がこだわりがなく心が開いているんですよね。