平成エンタメ研究所

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いだてん 第45回 「火の鳥」~裏組織委員会、オリンピックを仕切る! シマ、人見絹枝、前畑秀子、東洋の魔女─女性たちの物語も繋がった!

2019年12月02日 | 大河ドラマ・時代劇
『裏組織委員会』
 これ、ツイッターでトレンド入りしてましたね。

 まーちゃん(阿部サダヲ)は裏で大活躍!
・聖火リレーを日本全国でおこなうことにして、その距離6000キロ、総勢10万人!
 人々が日本中を走りまわる。
・最終聖火ランナーはじじい=金栗四三(中村勘九郎)じゃダメ。
 過去よりも未来を選んだ。
・引退を表明していた東洋の魔女たち=紡貝塚女子バレーボールチームと監督・大松博文(徳井義実)も動かした。
 まーちゃん、選手たちをあだ名で呼んでいる(笑)
・参加国を最大にするために岩ちん(松坂桃李)をアフリカに派遣!
 平和(La paix)という言葉が飛び交う。
 まーちゃんが目指すのは「どんな国でもスポーツマンなら参加できる大会」だ。

 肩書きがなくてもオリンピックに関わることができるんですね。
 そして、ワイワイガヤガヤ楽しそう!
 デザイナーの亀倉雄策(前野健太)はポスターの色校をまず田畑家に見せに来る(笑)
 1964年の東京オリンピックは田畑家で宴会をしながらつくられた?

 2020年の東京オリンピックはこんなふうに楽しくつくられてるのかな?
 理想を語り合っているのかな?
 聞こえてくるのは、森喜朗と小池百合子の反目や費用の話ばかり。
 復興五輪はどこに行った?
 これで開会式にアベシンゾーが登場したりしたら、安倍様のオリンピックだ。

 東龍太郎(松重豊)はまーちゃんたちとワイワイガヤガヤやりたかっただろうな。
 日本橋の上に首都高速を造ったことでも非難を浴びてる。
 東龍さんは仲間ではあるが、あの場に入れば楽しい空気を壊してしまう存在になってしまったんでしょうね。
 …………

 まーちゃんと大松監督はオリンピック論争。

「オリンピックは人生だよ。生きる目的すべてだよ」
 と語るまーちゃんに対し、大松はオリンピック以外にも大切なものがあるという考え方。

 大松はバレーボールのために選手や家族の人生を奪ってきたことを悔いている。
 一方で、やり残したこと(=オリンピックでの勝利)が心に引っ掛かっている。

 すると菊枝さん(麻生久美子)
「やるべきことを途中で投げ出した男が家に帰ってきても家族は嬉しくありません!
 体だけ帰ってきてもダメ! 心が留守じゃダメ! ちゃんとケリをつけなくちゃダメ!」
 菊枝さん、普段はしゃべらないけど、口を開くと本質をついた言葉を吐くんですよね。

 これを受けて河西昌枝(安藤サクラ)は、
「青春を犠牲にして……そう言われるのが一番嫌いです!
 私たちは青春を犠牲になんかしていない!
 だって、これが私の青春だから! 今が、バレーボールが青春だから!」

 自分の青春のためにバレーボールをやっている河西昌枝。
 自分の人生のためにオリンピックに関わっているまーちゃん。
 まーちゃんと同じようにスポーツを考える女性が出て来たんですね。
 河西昌枝のスタンスは人見絹枝(菅原小春)や前畑秀子(上白石萌歌)とはちょっと違う。
 シマ(杉咲花)とは大きく違う。
 絹枝と秀子にはスポーツをすることに後ろめたさがあった。
 国の期待を背負い、自分より国を優先させていた。
 シマに至っては、女子がスポーツをするなどとんでもないことだった。

 まーちゃんはこの変化を見て感慨に浸るが、絹江はここでもいいことを言う。
「変ったんじゃなくて、あなたが変えたんです」

『いだてん』の女子スポーツの物語がすべて繋がりましたね。
「これが私の青春だから! 今が、バレーボールが青春だから!」
 こんなことを言う女性が現われたことを知ったらシマ先生は大喜びしたことでしょう。
 

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2 コメント

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女性たちがよかった (TEPO)
2019-12-02 21:22:37
まだあと2話あり総括には早いのですが、私自身は、本作全体を通じて女性キャラの魅力ゆえに見続けることができたと感じています。
スヤ、シマ、りく、村田富江、人見絹枝、前畑秀子、そして菊枝。
特に、菊枝さんは非常に魅力的な女性像だと思います。
今回はその彼女の面目躍如。
「裏組織委員会」の立役者は実は彼女でしょう。
さらに、いつの間にか生まれた娘あつ子も加勢に加わりました。

>菊枝さん、普段はしゃべらないけど、口を開くと本質をついた言葉を吐くんですよね。

ただし、田畑家、大松家、そして「日紡貝塚」の選手たちが一堂に会した一幕、菊枝さんも大活躍し、普通は感動すべき場面なのでしょうが、個人的にはそのレトリックに素直に「乗せられる」ことに抵抗感がありました。
たしかに、大松と選手たちとの関係には愛情があり、選手たちは「自分のために」競技に打ち込んでいて、けっして「パワハラ」ではないという事情は慎重に描き込まれていました。
しかし、それでも私には「スポ根文化の美化」につながる、と見えてしまいます。
小学生だった当時は「東洋の魔女」とソ連との決勝戦を手に汗握って見てはいましたが、現在の私は随分と臍曲がりになったものです(笑)。
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へそ曲がり (コウジ)
2019-12-02 21:51:34
TEPOさん

いつもありがとうございます。

女性とスポーツの物語。
今回のエピソードを見て、志ん生ではなく、こちらをサブのエピソードにしたらよかったのに、と思いました。
宮藤官九郎さん、どうしても志ん生を描きたかったんでしょうね。

菊枝さんは人の心の中を見抜いて背中を押すのに長けた女性ですよね。
現状で何が必要かを的確に見抜いている。
おっしゃるとおり、『裏組織委員会』だって菊枝の「これからもいらっしゃって下さい」という言葉がなければ生まれなかったかもしれません。

>私は随分と臍曲がりになったものです(笑)
これ、ありますよね。
僕も昔はオリンピックやワールドカップやWBCなどが大好きで、日本の試合結果に一喜一憂していました。
ところが今はラグビーのワールドカップにしても、
「どうせ電通の金儲けだろう」
「テレビはスポーツだと視聴率が獲れるので、それ以外の意欲的な番組をつくろうとしていない」
「国はパンとサーカスのサーカスを提供して国民の不満を逸らして、ほくそ笑んでるんだろう」
と見てしまいます。
素直に愉しめないのはつらいですね。
楽しいことをどんどん狭くしています(笑)
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