この物語は「1987年ミネソタ州で実際に起こった事件」を元にしているもだそうだ。
そして現実の方がどんな作り物のホラー・サスペンス映画より怖いということがわかる。
現実は無秩序でメチャクチャで、論理的なものでないことがわかる。
ジェリー・ランガード(ウィリアム・H・メイシー)の考えた犯罪。
妻を偽装誘拐して妻の父親から大金をせしめる。
ジェリーは気の小さい自動車修理・販売会社の営業部長で大それた犯罪を起こせる男ではないが、頼んだ相手が悪かった。
「神経質に喋り通しの変な顔の男カール(スティーヴ・ブシェーミ)と一言も喋らない凶暴そうな大男グリムスラッド(ピーター・ストーメア)」。
彼らがジェリーの計画をメチャクチャにし傷口を大きく拡げる。
★まずは車のナンバーのつけ忘れ。
これでパトロール警官に呼び止められ、無口な大男が警官を射殺。
たまたま通りかかって警官殺しを目撃した夫婦も射殺。
この場面まで大男は何もしゃべらず、ちょっと変な男というイメージだが(「パンケーキ」に異常な執着を見せたりする)、いきなり3人を射殺。
変な顔の男が「何てことをするんだ?」とうろたえる凶行を行う。
★事件はさらに発展する。
金の目途が立ちジェシーは誘拐計画の中止をしようとするが、男たちとは連絡がとれない。
男たちは白昼堂々、窓ガラスを怖し家に入り込み、妻を誘拐する。(このひと目をはばからない白昼堂々というのが怖い。作り物のホラー・サスペンス映画なら、密かに夜に行う。ジェシーの連絡がとれず犯行が行われてしまうというのも現実の非論理性を感じる)
誘拐された妻は車から出されると、目隠しされたままバスローブ姿、はだしで雪の上を逃げまどい、男たちに笑われる。(このある種滑稽な残酷)
★そして事件はさらに発展する。
金の受け渡し。
妻の父親が行くことになるが、やりとりから父親は殺され、変な顔の男も反撃を受け、あごを撃たれる。
あごを撃たれた男は血を流して逃走し、不審に思った駐車場の料金係も撃たれてしまう。
ここまでで怖いのはジェシーの思いつきの誘拐計画が、どんどん大きな殺人事件に発展していくことだ。ジェシーは「殺人を起こしてしまったため逃走資金をさらに寄こせ」と男たちから迫られる始末。
★殺人はさらに発展する。
雪の寒さの中で監禁されていた妻は死亡。
変な顔の男は金の分配のことで争い、大男に殺される。
大男は殺した男を大木もおがくずに変えるウッドチョッパーに変な顔の男を入れて……。
ホラー・サスペンス映画でも連続殺人は描かれるが、モンスターや犯人はある意思に基づいて行っている。憎しみとかお金のためだとか。
しかし、ここで描かれている連続殺人は、行き当たりばったり。
キレたり、自分に降りかかる災難を振り払うためであったり、即物的。
それが怖い。
ラスト・大男は警察に捕まるが、警察官マージにこう言われる。
「理解できないわ」
理解できない事柄で7人もの人間が殺される。
この怖さ。
現実はフィクションより怖い。
※追記
「理解できない」象徴なのが無口な大男。
誘拐した妻が死んでいるのに平然とお菓子を食べてテレビを見ている。
何がそこまでさせるのかわからないまま、ウッドチョッパーに殺した男を入れてこなごなにする。
怒ったり泣きわめいたりしてくれた方が怖くない。
大男は心を閉ざした男、感情・感覚を失った男。
どこかのスイッチが入ると狂気に走る男。
怖ろしいモンスターだ。
そして現実の方がどんな作り物のホラー・サスペンス映画より怖いということがわかる。
現実は無秩序でメチャクチャで、論理的なものでないことがわかる。
ジェリー・ランガード(ウィリアム・H・メイシー)の考えた犯罪。
妻を偽装誘拐して妻の父親から大金をせしめる。
ジェリーは気の小さい自動車修理・販売会社の営業部長で大それた犯罪を起こせる男ではないが、頼んだ相手が悪かった。
「神経質に喋り通しの変な顔の男カール(スティーヴ・ブシェーミ)と一言も喋らない凶暴そうな大男グリムスラッド(ピーター・ストーメア)」。
彼らがジェリーの計画をメチャクチャにし傷口を大きく拡げる。
★まずは車のナンバーのつけ忘れ。
これでパトロール警官に呼び止められ、無口な大男が警官を射殺。
たまたま通りかかって警官殺しを目撃した夫婦も射殺。
この場面まで大男は何もしゃべらず、ちょっと変な男というイメージだが(「パンケーキ」に異常な執着を見せたりする)、いきなり3人を射殺。
変な顔の男が「何てことをするんだ?」とうろたえる凶行を行う。
★事件はさらに発展する。
金の目途が立ちジェシーは誘拐計画の中止をしようとするが、男たちとは連絡がとれない。
男たちは白昼堂々、窓ガラスを怖し家に入り込み、妻を誘拐する。(このひと目をはばからない白昼堂々というのが怖い。作り物のホラー・サスペンス映画なら、密かに夜に行う。ジェシーの連絡がとれず犯行が行われてしまうというのも現実の非論理性を感じる)
誘拐された妻は車から出されると、目隠しされたままバスローブ姿、はだしで雪の上を逃げまどい、男たちに笑われる。(このある種滑稽な残酷)
★そして事件はさらに発展する。
金の受け渡し。
妻の父親が行くことになるが、やりとりから父親は殺され、変な顔の男も反撃を受け、あごを撃たれる。
あごを撃たれた男は血を流して逃走し、不審に思った駐車場の料金係も撃たれてしまう。
ここまでで怖いのはジェシーの思いつきの誘拐計画が、どんどん大きな殺人事件に発展していくことだ。ジェシーは「殺人を起こしてしまったため逃走資金をさらに寄こせ」と男たちから迫られる始末。
★殺人はさらに発展する。
雪の寒さの中で監禁されていた妻は死亡。
変な顔の男は金の分配のことで争い、大男に殺される。
大男は殺した男を大木もおがくずに変えるウッドチョッパーに変な顔の男を入れて……。
ホラー・サスペンス映画でも連続殺人は描かれるが、モンスターや犯人はある意思に基づいて行っている。憎しみとかお金のためだとか。
しかし、ここで描かれている連続殺人は、行き当たりばったり。
キレたり、自分に降りかかる災難を振り払うためであったり、即物的。
それが怖い。
ラスト・大男は警察に捕まるが、警察官マージにこう言われる。
「理解できないわ」
理解できない事柄で7人もの人間が殺される。
この怖さ。
現実はフィクションより怖い。
※追記
「理解できない」象徴なのが無口な大男。
誘拐した妻が死んでいるのに平然とお菓子を食べてテレビを見ている。
何がそこまでさせるのかわからないまま、ウッドチョッパーに殺した男を入れてこなごなにする。
怒ったり泣きわめいたりしてくれた方が怖くない。
大男は心を閉ざした男、感情・感覚を失った男。
どこかのスイッチが入ると狂気に走る男。
怖ろしいモンスターだ。
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