平成エンタメ研究所

最近は政治ブログのようになって来ました。世を憂う日々。悪くなっていく社会にひと言。

青天を衝け 第28回「篤太夫と八百万の神」~渋沢栄一、大儀であった! ここで号泣、神回でしたね!

2021年09月27日 | 大河ドラマ・時代劇
「馬鹿者、ここは大蔵省ではない!」
「そ、そうなんですかーーーっ!?」

 お笑いトリオ誕生か!?
 渋沢栄一(吉沢亮)、伊藤俊輔(山崎育三郎)、大隈重信(大倉孝二)の3人組だ。
 
 新政府に静岡藩での経営手腕を評価された篤太夫(栄一)。
 新政府で働くことを要請されて、
「俺は幕府の直参だ! 誰か新政府の禄などもらえるか!」
 と断るために意気揚々と東京へ行くが、伊藤俊輔(博文)に会って、
「君も焼討ちをやったのか!?」と言われて、異国人焼討ち経験者として意気投合!笑
 実は篤太夫は焼討ち未遂でやってないんだけどね……。
 大隈重信は篤太夫より饒舌で、弁が立つ男だった。
「新政府がやろうとしていることは、誰もやったことのない新奇の種まきなのであーる!」
「だから日本中の八百万の神を集めて、国造りをしなくてはならないのであーる!」
「君もその八百万の神の一柱なのであーる!」
 大隈重信が「あーる」「あーる」を連発していたのは史実らしいが、
 篤太夫、論破されてしまった。
 まあ、もともと篤太夫は『古い世をぶち壊して、新しい世を作りたい』と考えていた男。
 大隈に「君は新しい世を作りたいと思わないのか?」と問われれば、何も言い返せない。

 しかし、篤太夫には幕臣のこだわりがある。
 その背中を押したのが、慶喜(草彅剛)だった。
「行きたいのであろう? 日本のために腕を振るいたいのであろう?
 ならば、私のことは忘れよ。
 これが最後の命(めい)だ。
 渋沢、これからは日本のために尽せ」
 くうぅっ、泣ける!
 ここで涙を流さない者がいるだろうか?
 最後は渋沢篤太夫の名前が「栄一」であることを思い出して、こう言う。
「渋沢栄一、大儀であった! 息災を祈る!」
 おおおっ、ここで号泣しない者がいるだろうか?
 今まで作家が「篤太夫」の名にこだわって来たのは、慶喜にこのせりふを言わせるためだったのだろうか?

 栄一の旅立ちの物語は続く。
 杉浦愛蔵(志尊淳)からは、
「徳川がなくてはこの国を守れなかったことを見せてやれ! 幕臣の意地を見せてやれ!
 どこにいても僕は渋沢の友だ!」

 そして栄一が育てた商工会所は、すでに栄一がいなくても独り立ち出来るようになっていた。
 川村恵十郎(波岡一喜)も算盤をはじきながら、栄一を送り出す。

 そして、幕臣の意地を見せるために登庁した栄一は「新政府はなっとらん!」と演説を打つ。
 しかし、そこは岩倉具視(山内圭哉)や大久保利通(石丸幹二)ら新政府の重鎮が集まっている場で……冒頭のやりとり。
「馬鹿者、ここは大蔵省ではない!」
「そ、そうなんですかーーーっ!?」

 お笑いパートあり、泣かせパートあり、何とうねりのあるドラマだろう。
 これぞれの言葉にも重みがある。
 正味40分の尺の中で、歴史上の人物をこれだけ配置して、描き切った作家の手腕はお見事!
 この他にも慶喜の妻・美賀君(川栄李奈)の決意のドラマも入ってるんだよな。
 何という密度!

 ここ2、3ヶ月の『青天を衝け』はいずれもよく出来ているが、今回は神回と言っていいだろう。


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 立憲民主党の経済政策~これ... | トップ | 国権主義者・高市早苗はヤバ... »

コメントを投稿

大河ドラマ・時代劇」カテゴリの最新記事