フォンテーヌの家  わたしのつぶやき

横浜市南区で趣味の会[フォンテーヌの家」 

大塚勇三訳「ハックルベリー・フィンの冒険」を読んで

2011-08-10 19:35:39 | 読書会
8月10日 水曜日 晴れ

一日中暑い日でした。でも今日の日中はクーラーを使っていましたので、楽をしました。
もともとクーラーを付けることは殆ど無いのですが、今日は午前10時から読書会、
午後2時からほのぼの編集会だったのです。

読書会は総勢9人です。それだけの人が一部屋に集まりますとクーラーが無しでは無理ですし、
暑い最中、住宅地の一番高い処にわたしの家はありますから来られる方は大汗をかいてこられます。
皆さん熱心で欠席者無し、全員揃いました。凄いです。

今日はマーク・トウェイン著大塚勇三訳「ハックルベリー・フィンの冒険」を読みました。
物語の舞台はアメリカの南北戦争が始まる10年ほど前、まだ奴隷制度が廃止されない頃の事です。
売られそうになった奴隷ジョーと2人で筏に乗って旅をし、いろいろなことに遭遇していきます。

ただこのテーマ本に対して、始めから意見が割れていることが興味深かったです。
とても面白かったし訳者の文章がすばらしかった、といろいろメモをしてこられている方、
それと反対に、全く読む気がしなかったと言う2つに別れたのです。珍しいことです。

途中で読むのを辞めてしまった人も居られました。
その原因の1つには、物語が上下のハードカバーでとても重たい本になっていたこと、
もう一つは文字が小さくびっしり書かれていたことの2点が大きかったような気がします。

わたし的には、訳された文章がとても読みにくかったですね。
1つの文章がとにかく長いのです。わたしの体力では一気に読めないほどでした。疲れました。
学生の頃、長い文章が書ける人は元気の証拠、と何かの講義の時に聞いたことがあります。本当でした。

その言葉の意味が最近解るようになってきました。英文を日本語に直したからそうなったのでしょう。
特に物語に入る始めの頃の文章を、わたしは息切れしながら読みました。歳を感じました。

物語の内容でも意見が分かれたのは面白い現象でした。
主人公はタバコをのんびりふかして・・・と言う場面が度々出てきます。
少年がタバコを吸う、と言う行為や、大人をだましおもしろ可笑しく少年達に都合良く物事が動くのです。

石頭のわたしには、この辺りに拒否反応を感じてしまったのです。
昔々、この本を読んだ頃はそのような感情は無かったはずです。わたしが歳をとったのです。
娘や孫達を考えてしまうのでしょうね。現実主義というかその世界に入れなくなってしまいました。

面白かったという人たちは、この時代ではそんなことをしなくては生きて行かれなかったと言います。
タバコを吸ったり人を上手にだましたりしても、それは身を守る手段、と言うような意見でした。

主人公フィンが逃亡した奴隷を助けることにこれは良いことか、と迷う場面があります。
ただ、逃げた奴隷というのは彼と冒険をしている相棒ジョーなのです。
彼は迷った末、相棒を助け出す決心をして行動開始します。考える柱が何かをフィンは見つけたのです。

物語その物の話しより、フィンやその他の登場人物たちの食事の粗末さの話から、
今現在の外国の食事の話になり、大分華が咲きました。海外へ行って居られる方達の体験が沢山出ました。

それに著者自身のこと、訳者の事など物語では無いところで盛り上がった今日の読書会でした。
面白かった側の人たちは詳しく資料を調べていましたし、これはこれで有意義な会だったと思ってます。
コメント
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